平均月収9万円! 生活が苦しい若手アニメーターを応援する「寮」の設立に賛同集まる:これぞアニメーター版「トキワ荘」
20代の平均月収が9万円というアニメ業界の若者に、月3万円で暮らせる寮を提供するプロジェクトが動いています。
アニメスタジオが集まる東京の杉並区に月3万円で暮らせる「寮」を作り、若手アニメーターを応援する――そんなプロジェクトがクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」に掲載され、趣旨に賛同する人々から多くの支援が集まりました。寮開設のための資金募集を行った結果、目標の75万円を上回る96万円の資金調達に成功。集まった資金を物件の敷金礼金や改装費用などに充てて寮を完成させ、10月中旬ごろから入居者を募集する予定です。
日本が世界に誇るアニメーション産業ですが、日本アニメーター・演出家協会が2009年に発表した実態調査によると、20代のアニメーターの平均月収はわずか9万円だそうです。にもかかわらず、アニメスタジオは東京(特に杉並区や練馬区)に集中しており、少ない収入で都内の高い家賃を支払わなければいけません。
こうした厳しい状況にある若手アニメーターを応援しようと、NPO法人のアニメーター支援機構によって企画されたのが、今回のプロジェクトです。阿佐ヶ谷にある3LDKの部屋を改装し、2〜3人のアニメーターが入居できる寮を作ります。入社3年目までの若手アニメーターを対象に入居者の募集をかけ、技術面の選考や面接を行ったのち、1月末に入居者を決定する予定です。
単に住居を提供するだけでなく、ベテランアニメーターを講師に迎えた勉強会の開催なども実施し、技術面と生活面の双方から若手をバックアップ。寮の“寮長”として、「鉄腕バーディー DECODE」「NARUTO疾風伝」などの作画で知られる山下清悟さん、「四畳半神話大系」「聖☆おにいさん」などの作画監督を担当した浅野直之さんが就任することも決定しています。
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