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古代ギリシャの夜空の詩、いつ書かれた? 天文学ソフトで米大学が研究

サッポーの「Midnight Poem」がどの時期に書かれたのかを米テキサス大学が研究しました。

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 2500年以上前の詩が、どの季節に書かれたものかを天文学ソフトを使って突き止める――米テキサス大学アーリントン校の研究者がこのような研究結果を発表しました。

サッポー
サッポー

 研究の対象となった詩は、古代ギリシャの詩人サッポーが夜空についてつづった「Midnight Poem」。書かれたのは紀元前570年前。ギリシャのレスボス島から見た夜空を描いたと考えられています。詩の内容は下記の通り。「プレアデスが真夜中に沈んだ」と書かれています。

The moon has set
And the Pleiades;
It is midnight,
The time is going by,
And I sleep alone.
(英訳:Henry Thornton Wharton 1887)


プレアデス(Credit: NASA/ESA/AURA/Caltech)

 研究チームは高度な天文学ソフトを使って当時プレアデスが真夜中に沈んだ日を割り出しました。その年にプレアデスが真夜中に沈んだ最も早い日は1月25日。また当時は正確な機械時計がなかったので、夜の間にレスボス島からプレアデスが見える最も遅い日も計算し、3月31日と特定しました。これによりMidnight Poemは冬の半ばから初春にかけて書かれたと結論づけています。

 サッポーはMidnight Poemのほかにも太陽や月、金星に触れた詩を書いており、研究者は「サッポーはギリシャ社会だけではなく、ギリシャの初期の天文学にも非公式に貢献したと考えるべき」としています。

 この研究結果は学術誌「Journal of Astronomical History and Heritage」に掲載されています。

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