Apple初のフォルダブル(折りたたみ)「iPhone Duo」が2026年10月23日に発売されました。従来のiPhoneとはかなりデザインが異なりますし、マルチタスクのための機能なども備えているため、操作感や意識すべき使い方などが違ってきます。
後編となる本稿では、前編で解説したデザイン、ケース、ディスプレイ、マルチタスク、キーボードなどの話に続き、カメラや処理性能周りの話について、iPhone Duoの実機を触ったインプレッションをお届けします。

カメラ:複数人でのセルフィーは結局インカメラの方が手軽
iPhone Duoは背面に、48MPのFusionメインカメラ(26mm相当、f/1.6、2倍望遠対応、センサーシフト光学式手ぶれ補正対応)と48MPのFusion超広角カメラ(13mm相当、画角120度)を組み合わせたデュアルカメラシステムを備えます。
高倍率のズームこそ非対応なものの、画質は十分に良い印象です。普段使いならば、多くのシーンにおいて、撮影後のレタッチなしでも満足できる写真が撮れると思っていて問題ありません。




一方、前面カメラは、アウターディスプレイの右上と、インナーディスプレイの右側上部中央にそれぞれひとつずつ備わっています。前者はパンチホール型のデザインで、解像度12MP、F値f/2.2のセンターフレームカメラです。セルフィーに向いています。

後者は、画面下に配置されたアンダーディスプレイFaceTimeカメラで、 インナーディスプレイ側に搭載。カメラを使用しないタイミングでは、ほとんど目立たず、FaceTimeなどのビデオ通話の際に活躍します。

特徴的な撮影機能としては、アウターディスプレイにプレビューを表示して被写体側からも構図を把握できるようにする「Duo Preview」や、アニメーションを表示して子どもやペットの視線を集める「キッズビュー」が使用可能です。静止画だと目線がずれてしまうことがあって難しい気がしましたが、動画で使ってみた感触は悪くありませんでした。

また、カメラを向けると、被写体を認識して繰り返しLivePhotosの撮影を実行しつづけてくれる「スマート撮影」モードもあります。デスク上などに設置できれば便利な機能ですが、36万円超えの高級端末ということもあって、屋外等では気軽に設置して記念撮影しようと思えなかったのも事実です。

試しに手持ちでスマート撮影モードを駆使しつつ、背面カメラで記念撮影を行なってみたところ、メインカメラの被写界震度がやや狭めで、ピントが弱くなってしまい、若干失敗したような感じになりました。撮影者がカメラの近くにいて、家族や友人が後方で構えているようなセルフィーでよくある構図には、向かないかもしれません。まぁ、レンズ変えればよいのでしょうが、カジュアルな記念写真を、超広角で撮るのはなんか違うんですよね。
というわけで、1~2人での近くでのセルフィーなら問題ないでしょうが、複数人で手持ちでの記念撮影を行いたい場合には、アウターディスプレイ上のセンターフレームカメラを使った方が扱いやすいです。


処理性能とその他の機能
iPhone Duoには、AppleのA20 Proチップが搭載されています。CPUは2つの“スーパーコア”+4つの高効率コアからなる6コア構成、GPUはNeural Acceleratorsを搭載した7コア構成です。ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング(≒ゲーム等でリアルな光源描写を可能とする機能)にも対応しています。さらに、デュアル16コア(計32コア)のNeural Engineを備えます。
Geekbenchでのベンチマークスコアは、CPUのシングルコアが4007、マルチコアが11087、GPUが62241を記録。Geekbench AI(バックエンド=Neural Engine)のスコアがSingle Precisionで6984、Half Precisionで41288、Quantizedが59233でした。

ただ、「写真」アプリにおける、生成AIを活用した「拡張」機能を実行したところ、17~18秒程度で処理が完了するという印象。筆者の手持ちの「iPhone 15 Pro」で同様の処理を実行しても20秒強で完了しますので、主要なAI処理についての体感差はそこまで意識しなくても良さそうです(※そもそも、写真の「拡張」や、「作文ツール」などの利用には、インターネットへの接続が必要なので、オンデバイスの処理が影響する範囲は限定的なのでしょう)。

なお、排熱の効率については、同時期に発表された「iPhone 18 Pro」と比べると弱いとされています。ただ、実際に3Dゲームを30分ほどプレイしてみた範囲では、気になるほどの発熱や性能低下は感じませんでした。競技性を意識せず、カジュアルにゲームを遊ぶ程度ならば、過度に心配する必要はないでしょう。

バッテリー持ちについては、Appleの公称値では、ビデオ再生時間はアウターディスプレイ使用時で最大44時間、インナーディスプレイ使用時で最大31時間。ストリーミング再生では、それぞれ最大37時間、最大26時間とされています。そして、肝心の「通常使用」は最大24時間とされています。
今回、詳細なバッテリーのテストは行なっていませんが、体感的には丸一日問題なく使えたので、ほかのiPhone同様ストレスなく運用できたという感触でした。ちなみに、バッテリー容量が多い分、充電器に接続していなくてもスタンバイモードを利用できるという特徴もあります。
ストレージと価格:保証加入は必須
iPhone Duoのストレージ容量は256GB、512GB、1TB、2TBの4種類です。カラーは「スターホワイト」と「ナイトスカイ」の2色が用意されています。
Apple Storeでの販売価格(2026年10月時点、税込)は以下の通りです。
・256GBモデル:36万4800円
・512GB:39万9800円
・1TB:46万9800円
・2TB:57万4800円
最小構成の256GBでも36万円を超えていて、やはり一般的なスマートフォンと比べるとかなり高価な製品ですが、3Dのゲームアプリやクリエイティブ系のインストールしたり、写真や4K動画を多く保存したりすることを想定するならば、余裕を持ったストレージを選びたいのも悩ましいところ。多くの場合、Macシリーズなどと同じく、分割払いでの購入が現実的になってくるでしょう。
また、破損させてしまった場合の修理費用の見積もり額は公式サイトから確認できます。例えば、「インナーディスプレイの損傷」は18万2800円、「アウターディスプレイと背面ガラスの損傷」は8万7800円です。ポケットから落としたらと思うと冷や汗が出ます。

公式の保証プランである「AppleCare+」も2980円/月、または2万9800円/年と決して安価ではありませんが、万が一の事態に備えて、加入は必須と言えるでしょう。