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人とドラキュラとの壮絶な戦いのクロニクル――リメイク作品の進むべき方向を示す「悪魔城ドラキュラ Xクロニクル」レビュー(2/4 ページ)

» 2007年11月02日 00時10分 公開
[PR/ITmedia]
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 1748年、シモン・ベルモンドがドラキュラの呪いを解いて50年が経った。シモンの血を引くジュスト・ベルモンドがドラキュラの残存勢力と戦う中、ライバルであり親友のマクシーム・キシンが傷だらけで彼の前に現れる。そして、彼から2人の親友であるリディーが、何者かにさらわれたと聞かされる。ジュストがマクシームに案内された場所、そこには不気味な古城がたたずんでいた。

ハードモードやマクシームモードも収録され、長く遊べる作品に仕上がっていた

 ゲームボーイアドバンスで2002年6月に発売された「Castlevania白夜の協奏曲」は、派手なイベントが盛り込まれ、巨大なキャラも多数登場する、ゲームボーイアドバンスの限界に挑んだ作品だ。ボスラッシュモードも、シリーズとしては初めて盛り込まれ、好評を博した。広大なステージを、飽きずに探索する日々を送った人も多いことだろう。


 1792年、トランシルバニアの一部の人々が持つ悪しき心により、ドラキュラ伯爵が復活する。自らを封印したベルモンド家一族の末裔であるリヒターに復讐すべく、彼の恋人アネットを連れ去り、悪魔城に幽閉する。リヒターは自らの血を呪いつつも、ムチを片手に悪魔城へと向かう。

CD-ROMの大容量を活かしたアニメーションなど、当時としては画期的な作品だった

 今回発売された「悪魔城ドラキュラクロニクル」にも収録されているのが、この1993年10月にPCエンジンで発売された「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」。アニメ絵を用いた動く・しゃべるイベントシーンや、CD音源を活かした名曲の数々は、大きな話題を呼んだ。また、ハートの数があれば強力な攻撃が可能になるアイテムクラッシュ、最初から(従来で言うところの)パワーアップした状態で始まるムチ、途中で助け出せばリヒターと後退できるマリアなど、数々の新しい試みも入れ込まれている。ちなみに、タイトルが「悪魔城ドラキュラX]なのは、この作品がシリーズ10作目に当たるからだ。なお、この2年後にはほぼ同じ内容で、スーパーファミコン版向けに「悪魔城ドラキュラXX」が発売された。


 1797年、ドラキュラ伯爵を崇拝する暗黒神官シャフトの手により、わずか5年でドラキュラが蘇る。その前年にはリヒターが失踪しており、危機感を感じたマリアは再び悪魔城を訪れる。一方、ドラキュラ復活に呼応する形で、ドラキュラ伯爵の息子アルカードが、永い眠りから覚める。彼は、悪魔城復活に何かを感じ取り、再び忌まわしき城へと足を運ぶ。

この作品をきっかけに、ドラキュラシリーズにハマったという人も多い。次世代機を代表するシリーズタイトルだ

 スタートシーンが、「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」のラストシーンからとなっている「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」。プレイステーションやセガサターンといった次世代機で発売されたこともあり(PS版は1997年3月、SS版は98年6月)、CD-ROMの容量を活かしたフルボイスイベント、滑らかなアニメーション、奥行きのある背景、クラシック的なBGMなど、新要素が満載だった。

 さらに、主人公がヴァンパイアハンターではなくアルカードというのも、プレーヤーを驚かせる一要因だ。基本システムも2DアクションではなくアクションRPGであり、敵を倒して経験値を稼ぎつつ、良い装備品を入手して悪魔城内を探索していくものだった。この作品も「悪魔城ドラキュラクロニクル」に収録されている。なお、この物語の後に、ヴァンパイアハンターの称号とムチは、ベルモンド家の親族であるモリス家に譲渡される。


 1917年、300年前に処刑された吸血鬼エリザベート・バートリーが、ドラキュラ伯爵復活をもくろみ、第一次世界大戦を引き起こす。ヨーロッパ中の人間の魂を手に入れ、それでドラキュラ伯爵を復活させる計画を知ったヴァンパイアハンター、ジョニー・モリスと、ドラキュラに恋人を殺された青年エリック・リカードが、討伐の旅に出る。

ゲームスタート時に、主人公を選択できる珍しいタイトル。途中での変更は不可能だった。サブウェポンを使う際に消費されるのは、ハートではなくジェム

 メガドライブで1994年3月に発売された「バンパイアキラー」は、第一次世界大戦中のヨーロッパを舞台とした、シリーズの中でも異色の作品だ。ドラキュラ城ではなくヨーロッパ全土が舞台であったり、武器が4段階にパワーアップするなど、ユニークなシステムを採用している。当時のメガドライブ専門誌メガドライブFANとのタイアップ企画として、ゲーム中に登場する敵キャラとトラップを募集していた。それぞれ最優秀作品が、ゲーム内に登場している。


 1944年、第二次世界大戦による怨念の影響で、突如として悪魔城が出現する。それを察知したヴァンパイアハンターのジョナサン・モリスと、協会から派遣されてきた魔法使いの少女にしてジョナサンの幼馴染み、シャーロット・オーリンは、悪魔城へと向かう。だが、そこの城主は、あのドラキュラ伯爵ではなかった……。

アイテム取引を利用して、足りないものを集められるのは便利だった

 「悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架」に続くニンテンドーDS向けシリーズ第2弾は2006年11月に発売された、月下の夜想曲から続くマップ探索型アクションを採った「悪魔城ドラキュラ ギャラリー・オブ・ラビリンス」。ジョナサンとシャーロット、2人の主人公を時には切り替えながら、時には同時に登場させて、悪魔城内部を探索していく。ボスラッシュモードでは、Wi-Fiを利用して共同プレイが出来るなど、DSらしい仕様も盛り込まれていた。


 1999年、世紀末が声高に叫ばれていた頃、ヴァンパイアハンターたちとドラキュラ伯爵との、最後の戦いが始まっていた。激闘の末にドラキュラ伯爵は敗れ、この世から消滅した。だが、2017年には、ドラキュラの生まれ変わりである来須蒼真が誕生してしまう。

 2035年、日本では21世紀最大の天文イベントである、皆既日食が起きていた。高校生になっていた来須蒼真は、幼馴染みの白馬弥那とともに、皆既日食を見ようと神社へと向かっていた。だが、鳥居をくぐったとたんに意識が薄れ、気づけば悪魔城へと迷い込んでいた。元の世界へ2人で帰るため悪魔城を探索するも、来須蒼真は自分がドラキュラ伯爵の生まれ変わりであることを知ってしまう……。

グッドエンディングを見るとボスラッシュモードが遊べたり、特定の名前を入力することで隠しモードでのプレイも可能

 2003年5月に発売されたゲームボーイアドバンス用タイトル「Castlevania 暁月の円舞曲」では、武器がムチではなく刀剣であり、さらには敵を倒して獲得できるソウルを活用してゲームを進める“タクティカルソウルシステム”が採用されていた。友人が集めたソウルを、通信ケーブルを使いやりとりすることも出来たため、遊び方の幅が広かったといえる。


 2036年、来須蒼真は白馬弥那とともに平穏な生活を送っていたが、宗教団体ウィズライトの教祖であるセリア・フォルトゥナの襲撃を受ける。言いようのない危機感を感じた彼は、教壇本部である悪魔城へと乗り込むことを決意する。

ニンテンドーDSのタッチパネルを使い、ボスを倒した後に魔法陣を描いて封印するシステムや、攻撃したい敵を指定するなど、新たな試みも盛り込まれている

 ニンテンドーDSというプラットフォームに移って初の悪魔城ドラキュラシリーズは、2005年8月に発売された「悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架」。ゲームボーイアドバンスからニンテンドーDSになったことで、グラフィックはプレイステーション並に向上した。また、DSならではの2画面を利用して、マップを常に表示しながら城内を探索できるため、非常にプレイしやすくなっている。なお、クリア後に遊べるもう1つのモード「ユリウス編」では、来須蒼真がドラキュラとして覚醒。彼を倒すべく、ユリウス・ベルモンドとアルカード、ヨーコ・ヴェルナンデスの3人は、来須蒼真と戦うことを決意する。1476年の、あの戦いを彷彿とさせるバトルが待っているのだ。


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提供:コナミ株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年11月18日