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人とドラキュラとの壮絶な戦いのクロニクル――リメイク作品の進むべき方向を示す「悪魔城ドラキュラ Xクロニクル」レビュー(3/4 ページ)

» 2007年11月02日 00時10分 公開
[PR/ITmedia]
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今作でも、小島氏が嘆美で美しいイラストを手がけている

 以上、駆け足で歴史時間軸に沿ってドラキュラシリーズを見てきたが、全作品をプレイしている人にとっては物足りないものだったかもしれない。とはいえ、プレイステーションやセガサターン版から始めたユーザも多いと思われるので、そのような人たちには新しい発見があったことだろう。

 数多くリリースされているシリーズだが、主な舞台は中世ヨーロッパ。ゴシックホラーをテーマにした見た目と、プレイを繰り返すことで少しずつ先に進める達成感、それらが見事にマッチしたからこそ、現在まで長く続くヒットシリーズ作品になったことは確かだ。

 そんなシリーズの中でも、とりわけ人気があるのが、PCエンジンで発売されていた「悪魔城ドラキュラX 血の輪舞曲」と、プレイステーションとセガサターンの「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」。もちろん、これ以外にも初代ディスクシステム版「悪魔城ドラキュラ」や「悪魔城伝説」など、語り出すとキリがないほどの名作があるわけだが、中でもこの2作品の人気は今でも高い。そんなタイトルをまとめて収録し、さらにPSPというハードに合わせてリメイクしたのが本作だ。それに合わせ、イラストはシリーズお馴染みの小島文美氏が担当している。

2人のキャラをたてることで、アクション初心者〜上級者まで対応した“血の輪廻”

 こうして長々と歴代シリーズの紹介をしたのも、本作をより楽しんでもらうため。そしてシリーズ作品を遊んだことがあるプレーヤーの記憶を呼び覚ますためともいえる。これまで、さまざまな機種で登場してきた「悪魔城ドラキュラ」シリーズだが、2Dスタイルが一番似合っていると思うのは、自分だけではないはずだ。3Dには豊かな表現力というスキルがあるが、1作目が2Dだったこともあるからなのだろう。どうしても「悪魔城ドラキュラ」=2Dという図式ができあがっている。本作は、2Dという表現方法を採りながらも、3Dでしか表現できない奥行き感を前面に出し、2Dと3Dの中間を非常に上手く表現している。

 基本的なシステムや内容は「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」と同じだが、もう一度詳しく見ていこう。

 主人公は、最強のヴァンパイアハンターであるシモン・ベルモンドの子孫、リヒター・ベルモンド。さらわれた恋人のアネットとマリアを助け出すために悪魔城へ向かうわけだが、マリアを助けると彼女でのプレイも可能になる。

リヒター(左)とマリア(右)も、小島テイストが前面に出たイラストになっている

お馴染みの武器で攻略するか、飛び道具で攻めるか。まずは扱いやすいと感じたキャラでプレイ

 リヒターはヴァンパイアハンターなので、従来通りヴァンパイアキラーを使い敵を倒していくが、マリアは鳩を飛ばして敵にダメージを与える。鳩は一度に2羽出せるので、射程距離のあるシューティングゲーム感覚だ。それ故、ムチのリヒターとは操作性がまったく異なる。人にもよるが、マリアの方がプレイは簡単だろう。

 どちらのキャラも、方向キーで移動し、階段は上下キーで移動可能。上+攻撃ボタンでアイテム攻撃となり、さらにハートが大量にあるときに△を押すと、強力なダメージを与えられるアイテムクラッシュが使用できる。リヒターはジャンプボタンを素早く2回押すとジャンプ中にバク転し、通常ジャンプよりもわずかながら高いところへ移動可能。マリアはジャンプ中にもう一度ジャンプボタンを押すと二段ジャンプとなり、ほとんどの場所への移動が容易だ。しゃがんでジャンプボタンを押せばスライディングし、しゃがみ+左右どちらかのキーを押しながらジャンプでは、転がりながらの移動となる。

 この操作感だが、オリジナルのPCエンジン版と比べると、明らかに操作しやすくなっていると感じた。もちろん、オリジナル版と同じく、ジャンプ中の制御も可能なので、床にあるスイッチを踏まないように飛ぶ場面などでは、ギリギリの調節もできる。いずれにしても、以前にプレイしてクリアできなかった人でも、今回ならばエンディングを見ることができると思われた。

 なお、オプション画面でキーコンフィグを変更すれば、各ユーザごとのプレイスタイルに合わせたキーで遊べるため、快適な操作が約束されている。標準の上+攻撃ボタンでは、階段の昇降中にアイテム攻撃が暴発することがあるが、それをLやRボタンに割り当てれば、そんな危険も回避可能だ。

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提供:コナミ株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年11月18日