1998年5月21日
セガ・エンタープライゼスは5月21日,都内のホテルにおいて,新しいTVゲーム機「Dreamcast」(ドリームキャスト)を11月20日発売すると発表した。気になるソフトウェアラインアップの発表は9月までお預けとなった。サターンとのソフト互換は一切ない。 セガの代表取締役の入交昭一郎氏によれば,「Dreamcast」は「Dream」(夢)+「Broadcast」(広く知らしめる)との造語だという。「高いグラフィック&サウンド性能を実現」し,「開発が行いやすく」,そして「未来につながる」という3つのコンセプトをベースに開発されているという。 1つ目の「高いグラフィック&サウンド性能を実現」のため,CPUには日立製作所のSH4を採用。このCPUは200MHzで動作し,360MIPS/1.4GFLOPSを実現している。グラフィックエンジンには予想通り,NECのPowerVR2となり300万ポリゴン/秒以上の描画が可能となっている。最大同時発色数は1,677万色。サウンドエンジンにはヤマハのXGに対応した64チャンネルADPCMの32ビットRISCチップが内蔵される。
最後の「未来につながる」という点においてはV42対応のモデムを標準で内蔵。周辺機器の追加なく,電話回線を利用した通信対戦やチャットを可能とする。 さらに注目されるのは,「ビジュアルメモリ」と紹介された液晶付きのPDAだ(ジョイパッドに装着)。これは単なるバックアップ用メモリではなく,これ単体として携帯ゲーム機として遊ぶことができる。「ビジュアルメモリ」同士を接続してデータのやり取りも可能だ。デモから推測するに,同社のアーケードマシンとのデータ互換もとれるかも。 メインメモリは16Mバイト,CD-ROMドライブは最高12倍速となっている。 価格は未定だが,2〜3万円台になることを臭わせるコメントもあった。 デモ映像も流された。入交社長の顔を模した顔が,軽快に動いたりするさまは高性能ワークステーションの発表会のよう。また,CGムービーと思われた中世風の街のグラフィック(写真)は,実はインタラクティブ映像で,アングルや色階調などを入交社長が,自ら発表の場で変化させて高性能をアピールしていた。 これだけの高スペックのマシンとなると,ライバルたちの出方も注目される。だが,それ以上に本体と同時に発売されるという5本のタイトルが気になる。果たしてこのスペックを生かしたビッグタイトルは登場するのか? 9月にソフトのラインアップが発表され,10月の東京ゲームショウではユーザーも触ることができるようになるという。その後,11月初旬に発売前夜祭が,11月7日からはキャンペーンなども計画されている。
[ITmedia]
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