テニスとは格闘技であり詰め将棋である,という結論へと私を導いてくれたのが「スマッシュコート プロトーナメント2」。
テニスなど興味の無かった自分を一気に惹き込んでしまったスマッシュコートだが,その経緯をお伝えしよう。
SBG編集部をうろついていたとき,編集部のK嬢が声をかけてきたところから話は始まる。
K嬢「テニスってわかります?」
私「高原でお嬢様がパッコンポッコンってやつね?」
「なんか歪んでる……じゃなくて,プロテニスですよ」
「あー,ボルグとかマッケンローとかキング婦人でウィンブルドンってやつね?」
「ふっるぅ……」
「どうせオッサンだよっ」
「まあそれを知ってただけでもいいや。凄くリアルなテニスのゲームあるんですよ。やってみません?」
「あー,俺ダメ。体育会系って苦手だし,特に球技は興味無し。ゴメンね」
「でもほら,テニスを知らずとも純粋にゲームとしてやってみてよ。ねね?」
「え〜? ダリぃなあ……」
■世界のトップを走るプロテニスプレイヤー達がそのままメニュー画面に。と言っても,今のプロテニス界を知らない自分には有難味がなかったわけでして……。
てなわけで手渡されたのがナムコの「スマッシュコート プロトーナメント2」だった。編集部の椅子にだらしなく座り,まあとりあえずやってみっか風のやや投げやりなスタンスでおもむろにゲームを起動する。
1時間後──
「なんかぁ,めちゃいい動きしてません…?」いつの間にか肩越しに覗き込んでいたK嬢が耳元で呆れたように言った。
「うお! 急に話しかけるなよぉ,ってああああ,サービスエース取られたじゃないかよっ! アドバンテージ取ってたのにっ」
「夢中になってやってるじゃないですかぁ……(ニヤリ)」
■サービスエースを取られてトホホな自分を映す鏡のように画面の中でもトホホ。キャラクターの感情表現も豊富でついつい感情移入してしまう。
日本には“食わず嫌い”という表現がある。自分にとってこの「スマッシュコート プロトーナメント2(SCPT2)」がまさにそれだった。
正直言えば「テニスなんてチャラチャラしたものなんか俺はキョーミ無いね」なんてうそぶいてたわけだが,SCPT2は純粋にゲームとして楽しんでしまったのだ。
そもそも,学生時代にテニス部に所属していたという編集部のK嬢が,実在の選手が出るんです,グラフィックがリアルなんです,○ボタンだけでも楽しめるんです,なんてことをレクチャーしてくれてたわけだが,これが自分にネガティブな先入観念を与えていたのである。
実在の選手なんていうのは言い換えれば客寄せパンダだ。グラフィックがいくらリアルでも,ゲームとしてキチンとしてなければ意味がない。そこへ操作が簡単とくれば,これはプロテニスが好きな連中をターゲットにしたタイトルなんじゃなかろうかと。
プレイして間もなく,その自分の勝手な思いこみは全て間違いだったと気づいたのであった。 次のページへ
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