マニュアルも見ず,基本操作の知識無しの状態でプレイして最初に感じたのは“球を打ち返せる”ということだった。何を当たり前なことを,と思わないで欲しい。
重要なのはSCPT2では“球を打ち返しただけでは勝つことはできない”ということなのだ。
本物のプロテニスプレイヤーだったら,自分のリーチ範囲に来た球は意識せずとも確実に打ち返せるだろう。
ではどうやって勝つのか? それは相手が打ち返せない状況を作ればよいのだ。
向かって右へダッシュしようとする相手の左,つまり背後へ球を打ち返して体勢を崩す。長期戦をしかけ,相手を左右に走り回らせて揺さぶってスタミナを削ぐ。
強力なサーブを打ち込み,相手が打ち返すコースを選ぶ余裕の無いところを見計らって前に出て,返ってきた球を思いっきり相手と逆側のコートへボレーで送る。
■ネット際で相手を威嚇するフェレロ(オレの分身)。不適に相手を指さすポーズがきまってるぞフェレロ(オレの分身)!
実際のテニスで勝負を決めるのはそういった戦略的な組み立ての積み重ねなのだ。しかもそれを瞬時に判断して行わなければならないのだ!
──などと偉そうに書いてはいるが,この知識はテニスなんぞな〜んにも知らない自分がSCPT2で得たものだったりする。
テニス経験者&プロテニス現役観戦者である編集部K嬢によれば,テニスに対するその考え方は正しいとのお墨付きをいただいた(重み無いけど)。つまり,それだけSCPT2はリアルな戦略的ゲームなのだ。
さて,そういった戦略が見えてくると人間やはり欲がでるもの。きわどいコースの球を打ちたいとか,緩急使い分けたいとか,強烈な一撃を打ちたいとか,そんな欲求が出てくるわけ。
で,「Lesson」なんてモードが用意されてることにおもむろに気がつくわけである。
■行き詰まったら“レッスン”や“チャレンジ”だ。そのおかげでサーブもオン・ザ・ラインを狙えるようになった。画面の外でもガッツポーズをとる自分がいるのである。
この「Lesson」は最初に「Arcade」をプレイしてちょっと実戦で揉まれてから選ぶといい感じだ。どうしても相手に勝てないとき,初めて自分に何が足りないかわかるからだ。
打球コースの甘さ,打撃力の弱さ,単調な返球,そんな自分の弱いポイントを知ったうえでレッスンすることで,その弱点を補い克服する技法が見えてくるからだ。
なんだかんだと小難しいことを語ってしまったが,結局何が言いたいかというと「これ,普通に面白いじゃねーか!」なわけである。
そして同時に「テニスって駆け引きが格闘技みたいだなぁ」とSCPT2は実感させてくれたわけで,自分にとっては目から鱗だったのだ。
簡単な操作だからプレイそのものに熱中できる。やがて頭の中がアクションゲームモードから戦略ゲームモードに切り替わる。
すると駆け引きが楽しくなる。こうなるともう詰め将棋じゃないけど,プレイしてないときもあれこれと戦略を考えてしまい,何か思いつくとそれを試したくなる。
■ダニエラちゃんカワイー! でも彼女は強烈なリターンを容赦なく繰り出すプレイヤーで身長180cmだ。でもカワイー!!
SCPT2は大作タイトルにちょっと疲れた時なんかに,息抜きのつもりでプレイしたはずがドップリはまるってタイプだ。いやぁ,まんまと罠にかかってしまいましたよKさん。
あなたが言う“リアル”な部分が,見た目とかじゃなくゲームそのものにあったとは予想もしてませんでしたよ。で,タイムリーにも深夜に放送してるウィンブルドン2004なんて観ちゃいましたよ。
「ついでに本物のテニスも始めてみちゃどうですか?」
「いや,腰に響くんでスマッシュコートで十分っス」
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