流れるような攻防,マップを自由自在に駆け巡る多彩なアクション……など,今までにないアクションゲームとなった「クラウチングタイガー・ヒドゥンドラゴン」。同ゲームを制作するのは,今までに数々の剣術アクションゲームなどを開発してきた株式会社ライトウェイトだ。
SOFTBANK GAMESでは,「クラウチングタイガー・ヒドゥンドラゴン」発売1カ月前を記念して,ゲームのプロデュースを担当する上田尚敬氏,企画・ディレクションを行う森田貴史氏に突撃インタビューを敢行!
ゲームに隠された秘話や,見どころなどを早速聴いてきたぞ。
Q:「クラウチングタイガー・ヒドゥンドラゴン(邦題:グリーン・デスティニー)」は,日本では映画館でというよりもビデオやDVDで人気となった作品でしたが,この作品をゲーム化するという声はどこから挙がったんですか?
上田:カルフォルニアのUBIの方から話を頂きました。北米で「グリーン・デスティニー」という映画が大ヒットした,ということは聴いていましたが,その当時はまだ見ていませんでした。お話を頂いてから,慌てて「グリーン・デスティニーってどんな映画だ!」って探しに行ったぐらい。
森田:私は,ジャッキー・チェンとかの映画が好きだったので,ちょうどDVDを買っていたときでした。お話を頂いて,「『グリーン・デスティニー』って知ってる?」「ああ,知ってます」それが幸か不幸か,ゲームを担当するきっかけになりました(笑)。
Q:発表は昨年のE3でしたよね? そのときの海外の反応はどうでしたか?
上田:E3ではかなり好評でした。当時は,屋根の上に飛び乗ってマップを一望できるというアクションがかなり注目されてましたね。
森田:移動に関する制限も好評でしたね。ジャンプが少ししかできなくて建物が越えられない,ということがなく,映画のような超人的な動きがそのままできることに反響があったし,映画とリンクして見てもらえたんだと思います。
Q:それからかなり時間が経ってからの発売になりますが,それはどうしてですか?
上田:E3の会場でUBIの社長様から「ぜひとも改良を加えてほしい,改良を加えればマーケティング的に絶対行ける!」と直々に強く言われて,開発を続行することになったんです。あらためて開発期間がもらえる,ということで,そこからやりたいことを全部詰め込んだんです。
森田:最初は時間もなかったですし,E3の時は剣での攻撃のみ,というシンプルなゲームだったんです。今のウリの一つである組み手ブロックとかも入っていなかったんですよ。言葉では言い表せないほどの改良をしたので,この時期になりました(笑)。
Q:組み手ブロックもなかったんですか。
森田:そうなんです。剣のみから素手攻撃を増やそう,それだったらより面白いシステムを入れよう……という風にアイデアが広がっていきました。
Q:組み手ブロックはかなりカンフーの面白さが取り入れられていると思うのですが,あのアイデアはどこから?
上田:カンフーで肝だと思ったのが,攻撃側と逆のアクションだったんです。プレイヤーの攻撃に対して相手がどう動くか,どう避けているか,という。今までのゲームだったら“当たり判定を見てからのけぞるだけ”が主なアクションだったと思うんですが,そこをうまく相手の攻撃を受けてかわす……と連続した動きにしたかったんですよ。
森田:普通のカンフーは今までのゲームの中でもあったし,カッコイイ技も存在していました。だけどいろんな映像を見ている中で,当たりそうで当たらない攻防を繰り返す,実はその点がカンフーらしさを出しているんじゃ? ということが意見にあがり,そのことを念頭にいれて開発を進めることになりました。
Q:見事に再現できていると思いますよ。攻撃の種類,コマンドの連携とかもバリエーションが豊富だし。あれはどのくらい種類があるんですか?
上田:素手で基本攻撃8つ,武器でも同じだけあって,武器は5〜6タイプありますから……。さらにザコ用,とユィ・イェン用……と必殺技もかなりの数がありますね。スケジュールが許すだけ,詰め込めるだけ詰め込んだような感じです。
Q:掴んでから必殺技,という流れも最初から入ってたんですか?
上田:あれはE3で“制作したい項目”に入ってきたものです。当初は寸止めのような,剣をびたっと当てて「止まれっ」的なノリだったんですが,それをもう少しアクティブにできるように,ということでああいう流れになりました。
森田:素手で寸止めしてもだれも止まらないだろう,という意見もありましたけど(笑)。
Q:映画の身軽な動きも軽々できますよね。ギミックも満載だし,自分でそういう動きが再現できるのも嬉しい。
上田:映画自体,ワイヤーアクションをバリバリ使っていることが特徴なので,ゲームでもあの無重力感を出していきたいな,と考えていました。それに加えて若干のパズル要素・謎解きを入れてみたり,アクロバットなアクションを加えたりとかして,今のシステムになっていった感じです。
森田:攻撃やアクションも含め,システムのバリエーション的にはスクラップアンドビルドの繰り返しでした。作っては壊して,また作っては壊して……かなり作ってますね。ほかの作品を何タイトルか作れるくらいですよ。ホントに。
上田:橋に掴まるシーンとか,開発中のものだと面白いシーンがあったりするんですよ。石橋で橋に掴まって行くシーンで,みんながズラ〜っと並んでたりとか。川に流されると死ぬまでちょっとだけ時間があったりとかいう残酷な場面も中には……(笑)。
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・販売元:株式会社マクザム
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