アラスカ沖合いに浮かぶ小さな島，シャドー・モセス島。この島にある核兵器廃棄施設をテロリストが占拠した。彼らは核兵器の使用と引き換えに，刑務所に収監されている仲間の釈放を要求してきた。計画的ではあるが，一見すると単純なテロ事件にしか見えなかった。しかし，この事件の陰には，政府と陸軍の陰謀が隠されていた。

　シャドー・モセス島はその表向きの顔である核兵器廃棄施設などではなく，陸軍が極秘裏に開発を行ってきた核搭載二足歩行戦車“メタルギアREX”の極秘演習場だったのである。そしてシャドー・モセス事件として一般に語られる一連の出来事とは，このREXを奪わんと蜂起した合衆国の特殊部隊FOXHOUNDが引き起こしたものであった。

　この危機を回避せんがため，政府は元FOXHOUND隊員，伝説の潜入工作員，コードネーム“ソリッド・スネーク”を送り込んだ。スネークの前に次々と立ちふさがるFOXHOUND達。見え隠れするスネーク自身の出生の秘密。そして潜入を続ける内に幾重にも絡み合った陰謀が垣間見えてくる。

　シャドー・モセス島の最深部でメタルギアREXと対峙したスネークは，既に単なるクーデター阻止のためだけに戦っているのはなかった。そしてやがて，世界のためでもあり，己のためでもある戦いにスネークは勝利した。

　しかし，その勝利はこれから新たに始まる死闘の前哨戦でしかなかったのである……。