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高見典宏氏プロフィール
株式会社モノリスソフト
開発本部 グラフィック統括部
「Xenosaga」3Dモデリング担当
スクウェアCG室にてファイナルファンタジー「VIII」のムービー制作に参加。クロノクロスでムービーディレクターを務める。本作でもムービーのディレクションを務めキャラクターのモデリングからCG開発環境に至るまでCGセクションを統括している。
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●田中キャラにCGの命を吹き込みます
--高見さんがモノリスソフトに入社された経緯を教えて下さい。それと,以前はどのような作品を手がけられていたのでしょうか?
高見 スクウェア時代にアートディレクターの本根さんと出会ったのがきっかけです。以前からいつか一緒に仕事をしようという話をしていて,今回「Xenosaga」という作品を一緒に作ろうと誘っていただいたんです。今までに手がけた作品は,FF7でイベントのモーション,FF8ではムービーシーンのキャラクターなどを,クロノクロスの時にはムービーディレクターを任されていました。
--では「Xenosaga」ではどのような仕事をされているのでしょうか?
高見 キャラクターのモデリングからCG関係全般を担当しています。大規模なプロジェクトなうえに,PS2作品ということで細かいところまでこだわらないといけないので,なかなか大変ですね。
--キャラクターデザインの田中久仁彦さんの絵をCGで表現するうえで、大変だったことなどはありましたか?
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田中先生のイラストをCGに起こす作業が中心。先生の絵のテイストを殺さずに顔の表情を作り,顔と体のバランスをうまく取るのが非常に難しかったらしい。 |
高見 どちらかというと田中さんのキャラクターって目が大きいじゃないですか。目が大きいキャラクターっていうのは,モデリングをしていくと、バランスの取り方が難しいんです。特に今回は,キャラクターの目も動くようになっているんですけど,目が大きくなると眼球が大きくなってしまって(笑)。眼球と顔のバランスを取るのがすごく大変でした。そのかわり,かなり表情豊かに出来ていると思いますので,期待していて下さい(笑)。
--顔の表情がかなりリアルに表現されているとのことですが,制作していてどのようなことが大変でしたか?
高見 そうですね,田中さんのイラストで、キャラクターのクセ付けという意味で,ほっぺたがぷっくりと描かれているキャラクターがいるんですが,それをポリゴンで表現しようとすると,すごく難しいんですよ。どうしても,原画をそのままポリゴンにすると,ボーンって感じにほっぺが膨らんじゃうんです。正直「どうしようかなぁ」って悩みましたよ(笑)。でも,その辺はもう割り切るしかないので,思い切ってぱっと見て違和感がない程度にバランス調整してしまいました。
--では最後に高橋監督からの依頼で,これは無茶だよっという仕事はありましたか?
高見 たくさんありますよ(笑)。シナリオがメインの作品なので,イベントシーンが予想以上に長くなっちゃったりして「あれっ?」て(笑)。それだけ多くカットを作らないといけないですから。モーションとかを作るのがとても大変でした。
--ありがとうございました。
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