今年のゲーム業界を独断と偏見で振り返るつもりになる(3/3 ページ)
2004年もあとわずか。後半しばらくぶりの盛り上がりを見せたゲーム業界は、ソフトの充実ぶりを見るまでもなく円熟期を迎えている。12月にはニンテンドーDS、PSPと相次いで発売されるなど、ハード面でも次世代家庭用ゲーム機の尻尾を見据えての熾烈な戦いも見られた。そんな2004年を振り返る。クリスマスも会社で寂しくトロに癒され、ピクトチャットで会話する記者Sと記者Kによる忘年会ついでの回想録。
2005年はどうですか?
記者S 心配もしてるんだよ?
記者K 心配ですか?
記者S うん。ゲーム業界、そんなにいいことばかりではないってこと。
記者K DSとPSP、それに各ハードともに品数豊富で至れり尽くせるじゃないですか。おまけに来年には次世代機がお目見えするかもしれないんですよ?
記者S 確かにドラクエなんかは「V」も「VIII」も売れたけど、実際のところ売れるタイトルと、売れないタイトルの差が開く一方で、しかも出荷数は落ちてきている。
記者K そういえば今年の春にコンピュータエンターテインメント協会(CESA)からそんなニュース届いてましたね。
記者S 「2004CESA一般生活者調査報告書 〜日本・韓国ゲームユーザー&非ユーザー調査〜」によると、日本ではゲーム人口が増えているにも関わらず、ソフトとハードの総出荷額が下がってきてるって。
記者K 後半けっこう取り戻したんじゃないですか?
記者S そこは期待したいところだよね。いい起爆剤になればいいんだけど。
記者K 情報媒体にも変化が求められていますよね。
記者S 手前味噌な感じはするが、ソフトバンク・パブリッシング発行の「ザ プレイステーション」の休刊決定がそれを象徴している気がするね。
記者K タイトル依存度の高い情報誌では厳しいということですか?
記者S なにかと閉塞感漂う業界だからさ。
記者K そうですか?
記者S オンラインゲームや携帯電話ゲームなんかの新しい形が求められているのは変わらないし、オンラインできるなら大多数はネットで情報探すよね? ニュースにしても、ネットの速報性にどうしても負けてしまう紙媒体は、紙だからこそ伝えられる“なにか”を求められているんじゃないかと。他ゲーム情報誌もひとつなくなったからと喜んでいるようじゃあ先がないってこと。そんなことは百も承知だと思いますけどね。
記者K 珍しく真面目ですね。
記者S そりゃクリスマスもひとりトロとしか会話してなきゃ真面目にもなる。
記者K 楽しそうですね。
記者S そうそれ。楽しい、と思えるものが提供できればいいわけ。みんな目も肥え、ある程度ことじゃあ驚かないし、すぐ飽きる。我々もうかうかしてられないのよ。2005年は確かに次世代機の話題でもちきりの1年になることは確実。今後も我々はそこに注目しながらも、流れを見極めて、楽しいものを提供しなくてはならない。
記者K なんか強引にまとめようとしてますね。
記者S うん。これからオフ会で「みんゴル」大会あるから。
記者K あ、いってらっしゃい。友達、できるといいですね。
記者S ありがとう!
なんともいい加減なまとまり方ではあるが、2004年が終始携帯ゲーム機の情報で彩られていたことは確かだ。そしてそれは家庭用次世代ゲーム機の前哨戦との見方もわかる。これが火種となり、再び大きな炎となってゲーム業界を包む盛り上がりを期待する。
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