「ゲーマーの心」を説いた任天堂・岩田氏の基調講演:ゲームデベロッパーズカンファレンス2005
3月7日から米国サンフランシスコで行われているGame Developers Conference。その基調講演で、任天堂の岩田聡社長が次世代ゲーム機「ゲーマーの心」を説いた。
だが、次世代機のビジョンはまだゲーム開発者には伝わっていない
3月10日(米国時間)、サンフランシスコで開催されているGame Developers Conferenceで任天堂・岩田聡社長によるキーノートスピーチ(基調講演)「ゲーマーの心」が行われた。
岩田氏は任天堂の社長という経営者であり、20年以上ゲーム業界に携わっているベテラン開発者でもあるが、それ以前に「ゲーマー」であると語り、彼の生い立ちから話が始まった。
その経験の中で、変わりつつあるものと不変のものがあることを説明。普遍なものの代表例といえば、「挑戦と報酬」「ソフトウェア」「アイデア」「フランチャイズ」というようなもの。逆に変わりつつあるものは「増大するコスト」「拡大する市場」「萎縮する嗜好の幅」など。
ここで、岩田氏は強いフランチャイズの例として、GC版「ゼルダの伝説」の最新画像と「マリオカートDS」の8人対戦プレイを公開した。また、新しいものに挑戦するという例として、「Nintendogs」「エレクトロプランクトン」のデモを行った。また、子供向けというイメージが強いゲームキューブにもメトロイドプライム2やガイスト、バイオハザード4といった大人向けのタイトルも多く発売されていることも強調している。
ニンテンドーDSはすでに400万台を出荷、ヨーロッパでも3月11日に出荷開始した。
マリオカートDSの8人対戦。岩田社長の順位は極秘
それに続き、ニンテンドーDSの無線LAN接続機能(第1弾は既報どおり「どうぶつの森DS」になる予定。ワールドワイドでの通信が可能になる)やRevolutionの下位互換機能・無線LAN機能などが発表された。これらに関しては別記事を参照していただきたい。
ただ、筆者から言わせていただければ、これでやっとXboxやPS2/PSPにオンライン機能が追いついた、という話であり、その先のビジョンは今回のキーノートでは提示されなかった。オンラインで何をするのか、それでゲームをどれだけ面白くするのか、という明確なビジョンという点ではマイクロソフトのJ・アラード氏の方がはるかに上手だった。E3ではタイトルよりも、そのビジョンを見せていただきたいと思う。
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