充実したサポートツールでプレイステーション 3タイトルの開発は万全:PlayStation Meeting 2005(2/2 ページ)
「PlayStation Meeting 2005」では、久夛良木社長によるPS3関連のプレゼンテーションも。今後は開発者向けのツールが多数用意されることを紹介し、PS3のアドバンテージについて語った。
膨大なツールを用意して開発環境をバックアップ
しかし、こうした高度なプログラミングは、簡単にできるものではない。そこでコーポレートエクゼクティブ&CEOの茶谷公之氏から、HavokおよびAGEIAと提携し、「Havok Complete」および「NovodeX」といった物理演算シミュレーションツールを、PS3開発ツール向けに提供すると発表された。
同様にシェーダープログラムツールとしては、NVIDIAと共同開発した「Cg Compiler」や「FX Composer」といったツールが提供される。また、グラフィックスについてはOpenGL/ESがPS3のスタンダードAPIとして採用されたことが発表されたほか、Epicとも提携し、Unreal Engine 3を開発キットに含め、11月下旬からはエンジンの提供も開始するという。
また、CellによるSPE(Synergistic Processor Element)を最大限に引き出すため、トランスメタとも戦略的な提携を実現し、SPEの最適化ツールを作成。こちらも提供される。このほか、「ProDG」を持つSNシステムズを買収することも発表された。
こうした大規模なツールの提供により、PS3の基本的なライブラリとして、これまで2000の関数が提供されているが、これは各社から提供されるライブラリは含んでいない数字。今後は約2万の関数を提供できる予定であるという。ちなみに、PS2のライブラリ数は2561だ。また、先ほどのアヒルデモは8月からソースコード、ドキュメント、グラフィックデータをライセンシーに提供される。「チュートリアルとして使ってもらえると確信している」と茶谷氏。
最後に登壇した久夛良木氏は、「これまでPS3のために最大限の努力をしてきた。もちろんこれからも日々、ライブラリの進化やエンジンの追加を行っていく。本日の発表はライセンシーにも極秘裏に準備を進めてきたが、単にライブラリを組み入れるだけでなく、戦略的な提携など、大きな一歩を踏み出したため。PS、PS2を遙かに超えるサポートで、PS3を立ち上げていきたい」と語った。
なお、今後のPS3ローンチスケジュールとしては、9月16日〜18日に行われる「東京ゲームショウ」での展示のほか、2006年2月に「PLAYSTATION Conference(仮)」が行われることも発表された。「PS3発売直前なので、スペシャルイベントをやりたい」(久夛良木氏)とのことだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.