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インタビュー

まだまだ機能拡張は続く――PSPシステムソフトウェア開発者に、新機能の詳細や今後の展望を聞く(1/3 ページ)

PSPシステムソフトウェアの開発を担当されている川西氏にインタビュー。今後のブラウザ機能はどのように変わる? そしてまだ隠し球があるとか? PSPシステムソフトウェアの進化はさらに続く。

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 先日公開された、PSPの「システムソフトウェア バージョン2.00」。新規にブラウザ機能が搭載されたり、動画・音声の再生機能が強化されるなど、さまざまな機能強化が実現された(関連記事参照)。

 今回、PSPシステムソフトウェアの開発を担当されている、ソニー・コンピュータエンタテインメントの川西泉氏に、システムソフトウェア バージョン2.00に関して詳しいお話を聞ける機会を得た。そこで、新機能の詳細や今後の展望に加え、本誌読者のみなさんがPSPに求めている機能の実現が可能かどうか、いろいろとぶつけてみることにした。

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ソニー・コンピュータエンタテインメント ソフトウェア・プラットフォーム開発本部 本部長 川西泉氏

ブラウザ機能は、ユーザーの声をもとに今後も進化を続けていく

――まずはじめに、PSPにブラウザ機能を搭載しようと考えはじめたのはいつ頃だったのかお教えください。

川西氏 もともと、PSP発売前からネットワーク機能をどのように活用したらいいかいろいろと考えていました。PSPには、インターネットに接続するインフラストラクチャモードと、ゲームで対戦プレイを行う場合に利用するアドホックモードの2種類の接続モードがあります。このうちインフラストラクチャモードに関して、当然ゲームで使われるというのはあるのですが、いわゆるPCで使われるインターネットのブラウジング機能を入れてみてはどうか、というのは開発当初から考えていました。

 しかし(インターネットのホームページは)もともとPC向けのコンテンツですから、それを携帯機器の画面に表示させてきれいに見えるのかどうか、PSP発売前の段階では正直不安がありました。その後、ユーザーの声として「ブラウザが動いたらいいよね」というものがかなり聞こえてきましたので、やってみようということになりました。

――ブラウザ機能を搭載したのは、実験的な意味合いとかもあるのでしょうか。ユーザーに使ってもらっていろいろな意見を吸い上げて、今後の展開を考えていこうと考えていらっしゃるのでしょうか。

川西氏 ブラウザは、機能的にも十分に使えるものを搭載したつもりでいますが、それ以外にゲームとの融合という意味でも使い勝手はいいと考えています。ゲームの中で使うと、そのゲーム自体がネットを利用できるという付加価値が高まるというメリットがあります。

 また、ブラウザを単体機能として利用する場合には、ユーザーの声を十分反映させたものにしていく必要がありますので、今回の実装で終わりではなく、今後進化させていきたいと考えています。

――このブラウザ機能は、ゲームから呼び出して利用することも可能なのですか?

川西氏 はい、その通りです。たとえば、それによって(新マップなどの)データのダウンロードなども可能になります。UMDで提供されるゲームには、ブラウザ機能を呼び出してネットに接続、といったようなイメージで使われることになります。

 インターネット上にHTMLでメニューを作ることで、ローカルにあるUMDのゲームとネット上のコンテンツが近いところにあるというイメージをしています。

――Flash Playerを搭載するなど、機能面の強化は考えられていますか?

川西氏 そのあたりも、今後検討していきたいと考えています。

――では、意図的にFlash Playerなどを搭載しなかったわけではないのですね。

川西氏 そうですね。ネット関連機能に関しては基本的にオープンなスタンスですので、意図的に機能を省いているということはありません。ただ、メモリ容量やパフォーマンスを十分検討していかないと難しいとは考えています。

――PSPのブラウザ機能に搭載されているJava Scriptで、PSPの機能をどのあたりまでコントロールできますか?

川西氏 どのくらいというのは難しいのですが、部分的にサポートされていない機能もあります。例えば、UMDをコントロールしたりといった部分はセキュリティという観点もあって意図的に外しています。

――Java Scriptの仕様も含めて、今後ブラウザ機能の詳細な仕様を公開する予定はありますか?

川西氏 どういった形で出せるかは検討中ですが、コンテンツプロバイダの方からも、PSPの規格に合わせたページを作成したいという声もかなりいただいていますので、コンテンツ制作者に対するデザインガイドラインのような仕様書は出していきたいと思っています。

――個人向けとしてはどうでしょう?

川西氏 広く使っていただきたいと思っていますので、その点も検討していきたいと思います。

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