よみがえれ美しい思い出! 「タイトーメモリーズ下巻」で記憶の旅に出る(1/4 ページ)
懐かしいゲームが25本収録されている“タイトーメモリーズ”。先月の上巻に引き続き、今月は下巻が発売となる。今回は、この25本からいくつかをピックアップして、そのレビューを書いていこう。
スクウェア・エニックスのタイトー買収発表に驚き
オールドゲーム・懐ゲー・なつゲーなどなど。今や、1980年代までのゲームを呼ぶための単語が、数多く存在する。それだけ、その時代のタイトルは光り輝いていたと言うことだろう。当時は、アーケードゲームといえどもハードの制約は厳しく、今から考えるとチープなグラフィックだったと言える。とはいえ、ゲームはアーケードでリリースされ、それが遅れて家庭に入り込むという図式だった。
しかし、完全移植されるタイトルはほとんどなく、アーケード野郎はコンシューマゲーム機を軽蔑しつつも、裏では完全移植が可能になるハードの出現を、今か今かと待っていたものだ。つまり、パソコンやファミコンでは味わえない興奮を体験させてくれるゲームセンターというのは、まさに夢を売っている場所だったのだ。
そんな昔からアーケードゲームをリリースしてきたタイトーといえば、ゲーム業界の中でも老舗であり、名前が変わる前は太東貿易という会社だった……という話を書いていたら、突然のスクウェア・エニックスによる買収発表が行われ、本当に驚いた。
ゲーム業界の再編が進んでいるとはいえ、歴史あるタイトーが、昔はPCゲーム会社だったスクウェアとエニックスが合体した会社に買収されてしまうとは、世の中も大きく変わってしまったものだ。ちなみに、そんなスクウェアといえば、ゲームアーツの名作THEXDERの、ファミコン移植作品を出していたり(当時NEC PC-8801mkIISRでプレイしていた人間から言わせると、散々な出来だと個人的には思っている)するわけだが……。この辺りは、Google先生にすべてを任すとして、早速本題に入っていこう。
インタフェースなどにいくつか不満はあるものの、お買い得タイトルなのは間違いなし!
今回発売となる下巻には、上巻と同じく25本のタイトルが収録されている。ゲーム選択方法は簡単で、一覧表示されているメニュー画面からカーソルを移動して、タイトルを選ぶだけ。簡単な説明が表示されるが、一部のタイトルを除けば詳しい説明も見られるようになっている。「インストカード」(ゲームセンターの筐体上に飾ってある、操作説明などが書かれた紙)が付いてこないので、この説明文は意外に重要だ。またボタン設定も、ある程度は自由に設定できるので、プレイしやすいスタイルに変更しておこう。
このカスタマイズ、ボタン配置は変更できるのに、画面の配置を変更できないのだ。縦画面のアクションやシューティングゲームでも、横画面固定になっているという何とも残念な仕様には、正直落胆した。ここは、無理をしてでも実装すべきだったのではないだろうか? 特に、最近は液晶テレビが多いのだから、縦に配置するのも苦労しないはず。もうひと手間かけて、縦シューなどはすべて画面回転に対応させてくれれば……。
もう1つ気になったのが、連射機能のオンオフがない点。連射装置付きのジョイスティックを用意すればいいという話だが、せめてそのぐらいのサービスはしてほしかったところ。当時のゲームを連射でプレイできたら……という夢も、一緒にかなえてほしかった。
そんな感じで各ゲームを軽くチェックしていた時に気づいたのだが、今回も最初は選べないタイトルが5つ存在している。「エレベーターアクション」と「ガンフロンティア」、「ニュージーランドストーリー」に「フロントライン」、そして「クイックス」だ。
これらを選べるようにするには、ゲームの総プレイ時間が一定数を超えるなどの、特定条件を満たさなければならない。上巻で不評を買ったハズのシステムを、そのまま下巻にも導入するというのは非常に疑問を感じる。恐らくは、すべてのゲームを遊んで欲しいとの配慮からなのだろうけれど、それなら20タイトル収録と発表しておけばいいだけの話では? せめて、納得のいく説明をしてほしかったが……。
一応、発売日にはロックを解除するコマンドが公開されたものの、タイトーのWebサイトを見なければ分からないため、インターネットへアクセスできない人はお手上げ状態。何らかのユーザーフレンドリーな解決方法を入れてほしかった。
上巻でも不評だったのに、なぜか下巻にもあるロックシステム。タイトーのWebサイトを見れば解決するが、一応ここでもフォローを。ロック解除方法は「タイトル画面でカーソルがSTARTにあっている状態で、L2→R2→R1→L1→セレクト→スタート」の順に入力する
それでも、1本のソフトの中に25タイトルが入り、しかも税込5040円という価格は、間違いなくお買い得だ。単純計算すると1本あたりの単価は、たったの200円。当時で考えれば、各ゲームを2回プレイしただけで元が取れる勘定になる。これこそが、本当の破格値だろう。今まで、この手のゲームは収録されているタイトルが10本未満だったため、欲求不満を感じることも多かった。しかし、本作のようなスタイルであれば、満足度120%となること間違いなしだ。
タイトルを選択して○ボタンを押せば、各ゲームがスタートする。当然ながら、収録されているのはアーケードゲームなので、最初にL2ボタンでクレジットを入れなければならない。次にスタートボタンを押すと、初めてゲームが遊べるようになる。
なお、ゲーム中にセレクトボタンを押せば、いつでも各ゲームまたはメインのタイトル画面に戻れる。便利なのは、ゲーム中にもボタン配置を変更できる点。設定してみたものの合わないと思ったら、すかさず変更しよう。また、どのタイトルもハイスコアを出すと、ゲーム選択画面でハイスコアをチェックできる。点数の低いタイトルを集中的にプレイしよう、と思ったときの指針になるだろう。
なお、初期設定ではメモリーカードにデータが保存されるようにはなっていない。最初にオプション画面で、オートセーブの設定をオンにしておくといいだろう。
収録作品を、当時を振り返りつつレビューしてみる
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.