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スペシャルな進化(アドバンス)を遂げたマリオテニス――「マリオテニスアドバンス」レビュー(2/3 ページ)

マリオ20歳の誕生日に「ゲームボーイミクロ」とともに発売された「マリオテニスアドバンス」。シリーズ4作目である本作は、ゲームボーイアドバンスというプラットフォームでいかなる進化、変化を遂げたのだろうか。

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白熱のストーリーモード

 キャメロットが開発してきたマリオゴルフ、マリオテニスなどのスポーツものには、ある共通点がある。据え置き機で発売されたタイトルは、おなじみのマリオたちが活躍する内容であるのに対して、携帯ゲーム機で出たタイトルはなぜか人間が主人公。そして彼らが住む世界では、マリオたちがゴルフなりテニスなりの憧れのスーパープレイヤーという設定で、彼らに会うために主人公たちはスポーツに励み成長をしていく、というものだ。

 本作においてもそれは例外でなく、人間の主人公を成長させていく「育成ゲーム」としての側面がある。しかもファンにとってうれしいのは、本作がマリオテニスGBの世界を継承している、という点だ。

 マリオテニスGBではハードの特性上かなりの制約があり、どちらかというとグラフィックが弱かったのだが、本作はさすがにゲームボーイアドバンス円熟期の逸品といった感じで、グラフィックのクオリティは相当高い。

 そんな隔世の感ある2タイトルだが、内容はしっかりと続編なのである。というのも、マリオテニスGBで主人公キャラだった「アレックス」、「ハリー」、「ニーナ」、「ケイト」らが、本作ではコーチとして新主人公の「ノーティ」と「タビー」を指導する立場にいるのだ。

 そのほかマリオテニスGBに登場した「マーク」、「エミリー」、「ケビン」や「コステロ兄弟」までもが、本作で再登場しているし、各建物などの配置もマリオテニスGBを継承したレイアウトになっている。マリオテニス64からシリーズを通してやり込んでいる筆者としては、思わずニヤリとしてしまう、うれしい演出であった。

 ストーリーモードはまずプレイヤーキャラクターを選ぶところから始まる。ノーティ(男)とタビー(女)から選んで(自キャラの名前は変更可能)いざスタート。難易度がイージーとノーマルから選べるのは初心者にはうれしい配慮だ。

 主人公の当面の目的は「アイランドオープン」に優勝して、謎のマスクをかぶったスーパープレイヤーに会うことなのだが、最初はジュニアクラスのランク外からのスタートだ。アイランドオープンに出場するためにはジュニアからシニアへ、シニアからレギュラーへと昇進していき、レギュラークラスでも上位のランクに入らなければならない。

 レギュラーで上位に入れば、いよいよアイランドオープン開幕。ここで優勝することがひとつの目的なのだが、さて優勝したあとはどういった展開が待っているのか……。それはぜひ自分の目で確かめてほしい。ノーマルでプレイしてみたのだが、個人的にはレギュラーあたりから「敵が強い」と感じた。油断するとすぐに負けてしまう、そんな熱い攻防をコンピュータ相手に楽しめるのだ。

 ちなみにシングルスとダブルスをその都度自由に選択して勝ち進めていくことができる。シングルスでレギュラーに入れたから今度はダブルスでジュニアから…と言った具合に自分のペースでどちらもプレイできるわけだ。ダブルスでのパートナーは自キャラが男ならタビー、女ならノーティ。パートナーの名前は変更できない。

 試合に勝ったりティーチングコートでの教習に成功した場合に経験値がもらえるのだが、これを自キャラとパートナーに自由に割り振ることで各自のレベルをあげることができる。レベルがあがると各ステータスにポイントを振り分けて自分好みのキャラクターを作れる、という点は「マリオテニスGB」同様だ。試合に勝ち進むことによって少しずつ自分が成長する、しかも自分が伸ばしたいステータスを好きなだけ伸ばせる、というのは育成ゲームとしてのツボをしっかり押さえていると言えよう。

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トレーニングセンターでSSをゲット!

 本作のストーリーモードには、マリオテニスGBにはなかった新要素も追加されている。それが「トレーニングセンター」内の「SSトレーニング」。SSトレーニングとは、いくつかの要素に別れたSSパラメーターを上げるために、さまざまなミニゲームにチャレンジするというものだ。

 最初は遊べるミニゲームも少ないのだが、ストーリーが進むと段階的に増えていく。ミニゲームをクリアしたり、ある程度進めることで各SSパラメーターに応じた経験値が加算され、一定量に達するとパラメーターに則した新SSがもらえるという流れ。ミニゲームはそれぞれ単純ながらも歯ごたえのあるものばかりで、レベル1レベル2あたりは割と楽にクリアできるのだが、レベル3になるとかなりひぃひぃ言いながらがんばらないとクリアできない難易度になっている。

 途中で投げ出したくなるくらいに難しいミニゲームもあるが、これをやり込むことで、まだ見ぬ派手なSSがもらえるとあらば、ついつい夢中にプレイしてしまうというもの。本当にトレーニングをしているような気になって、軽く息が切れるくらいにハマってしまう人もいるのではないだろうか。

 SSトレーニングで得たさまざまなSSは、自キャラとパートナーに2つずつ自由にセットできる。このため「新しいSSを手に入れたら、ひとまず試してみる。そのなかで自分が気に入ったSSを装備して大会に臨む」といった楽しみ方が可能だ。もちろんストーリーが進めば進むほど強力な敵がアクの強いSSをひっさげてくるので「このSSに対してはこれが有効かも」と相手によってSSを変えてみるのも面白い。

 SSの種類は相当数用意されているようなのだが、筆者もまだまだSSパラメーターをあげきれていないので、全ては確認できていない。今後やり込んでぜひともコンプリートしたいと思う。このSS収集だけでもかなりのボリューム感があるし、今回のストーリーモードはかなりやり込み甲斐のあるものに仕上がっている。ハマれば長く付き合えるソフトになるだろう。

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