MSXから夢と希望を届けます「パロディウス」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)
「パロディウス」(コナミ)は、アーケードやスーファミで有名になりましたが、発祥はMSX。「メタルギア」や「ぷよぷよ」も最初はMSX2ですし、MSXってすごいんだなあと、今あらためて感じます。
今また復活するMSX
西和彦氏が中心となって提唱された、パソコンの統一規格、MSX。“安価で誰にでも扱いやすいパソコン”を目指して作られた。
1983年に登場。パソコンでありながら、ROMカートリッジ用のスロットがあったり、スプライト(背景を書き換えずに動かせるキャラクター)が使えたり、家庭用のテレビにつなぐことができたりと、ゲーム機的な性質も持ち合わせている。
一方で、キーボードも標準装備。BASICインタプリタを使って、手軽にプログラムを作ることができるなど、パソコン入門機としての役割も果たした。
1985年に登場したMSX2規格では、主にグラフィック機能が強化される。MSX1の16色固定から、256色固定、または512色中16色が選べるようになり、画面の見た目が大幅に変わった。
さらに、縦スクロール機能が追加された。ファミコンを意識したものと思われるが、横スクロール機能はついていなかった。
後にMSX2+で横スクロール機能などが追加されるが、パソコンとしてはPC-8801やPC-9801、家庭用ゲーム機としてはファミコンという、巨大勢力に押されてしまう。
結局、1991年のA1-GT(MSXturboR仕様)を最後に、姿を消してしまうのだが、その後もユーザーが“MSXの火”を守ってきた(「2005 CESAゲーム白書」や、CESAの小冊子「テレビゲームのちょっといいおはなし・2」に、その経緯が詳しく書かれている)。
現在、「1チップMSX」の商品化が検討されている。1チップ化によって価格を下げ、パソコン入門機としてのMSXを復活させようというものだ。
ネット上での注文数は目標の5000個に達せず、アスキーからの発売は見送りとなったものの、MSXアソシエーションはなお商品化への道を探っている。先日行なわれた「PLD WORLD 2005」というイベントで西和彦氏が、「MSX2仕様、2スロット装備で発売決定」と発表したらしい。
“安価で誰にでも扱いやすいパソコン”というコンセプトは、現代でも十分通用するだろうし、1チップMSXの、今後の動向に注目したい。
さて、MSXの初期から末期まで、良質のソフトを作り続け、ユーザーから人気を集めていたメーカーが、ほかならぬコナミであった。
もちろんMSXでは、日本ファルコムやコーエーのソフトも人気があった。だがコナミの場合、PC-8801などでは遊べない、MSXオリジナルのソフトが多かったことが特筆される。
コナミのおもしろいところは、MSX2の時代になってもなお、MSX1用のゲームを作り続けた点だ。
「メタルギア」「悪魔城ドラキュラ」「激突ペナントレース」などのMSX2専用ゲームもあったが、「グラディウス」シリーズは最後までMSX1用だった(横スクロールシューティングとしては、後に「スペースマンボウ」というMSX2専用のゲームも出されたが)。
「パロディウス」も、MSX2が普及していた1988年の作品だが、MSX1でもプレイできるようになっている。
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