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ランバ・ラル曰く「この風、この肌触りこそ雀荘よ」「機動劇団はろ一座 ガンダム麻雀DS 親父にもアガられたことなにのに!」レビュー(3/3 ページ)

麻雀ゲームは数多くあるが、中でもキャラクターをたてたシリーズというのは、市場でも一定の人気を得ている。そんなタイトルの中から今回は、バンダイから発売されるガンダム麻雀をピックアップしてみよう。

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思考ルーチンに関しては、納得いかない部分が多数アリ

 ただし、楽しむことができる反面、麻雀の思考ルーチンに関しては首を傾げざるを得ない部分が多々見られた。例えば、自分で捨てている牌で待つフリテンリーチをかけてくることはあるし、カンした牌で待つこともあった。また、なぜかテンパると必ず立直をかけ、絶対にダマテンでは待たないのも謎と言える。さらに、立直時の待ちも両面よりはシャボが多いなど、どうにも納得いかない場面が多い。


コンピュータはテンパイすると、必ず立直をかけてくる。ダマテンで和がってこないので、わかりやすいという話もあるが、ちょっと……。

 とはいえ、これに関しては思考ルーチン以前の問題として、対子場に流れやすいのが原因ではないかと感じた。牌配から対子がやたらと多かったりするため、必然的に七対子つや対々和などといった対子系の和がり役が多くなってしまうのだろう。


牌配時に対子が多いのが気になった。イカサマ麻雀だからといえばそれまでだが、とはいえ偏りすぎだと感じた

 だが、それを差し引いても、捨て牌を見ればもっと高い手へ移行できるにもかかわらず、安めのままで立直をかけてくることも多い。ここまでくると、棒テン即リーという思考ルーチンに基づいて動いているのでは、と考えるしかないだろう。コンピュータはトップを狙った打ち方をしてくるのではなく、ただひたすら牌配から最短距離で和がりだけを目指している、としか感じ取れなかった。もちろん、プレーヤがトップを目指した手作りをしていても、安めで軽く和がってくる。コンピュータの操作するキャラが皆グルになっていると考えれば、少しは腹の虫も収まらないではないが……。

 キャラの特性としても、面前で手を進めるか鳴きまくるかという2種類しかなく、バリエーションに欠けると感じた。これだけキャラがいるのだから、もう少し性格付けに凝って欲しかったというのは贅沢な意見?

 もう一点として、ドラ表示配が現物であるにもかかわらず、それは全体の牌の数にはカウントされていないという点がある。つまり、場合によっては同じ牌が8枚ある事態も起きるのだ。これに関しては、ドラ表示配は別の卓から麻雀牌を持ってきて使っている、と考えれば何となく納得いくので、まあいいかなどという気にはなるが。


鳴くキャラは徹底的に鳴くが、面前でいくキャラは絶対に鳴かない。面白いほど二極化している

ローカルルールの収録は、感心すべき部分

 本作にはストーリーモード以外にも、ストーリーモードで倒した敵キャラたちを相手に対局できるフリー対戦や、和がり役や至言ワザを解説してくれる麻雀ガイドなども用意されている。さらに、通常の麻雀牌だけでなく、雰囲気が俄然盛り上がるガンダム牌も選択可能なのだ。実際にプレイしてみたところ、ソーズ以外はどの牌を指しているのかが全くわからず、非常に厳しい対局となった。あくまでもコアなファン向けと感じ取ったのだが……。


ガンダム牌は、東南西北などがどれなのか、まったくわからず挫折

 また、今ではなかなか見られなくなった百万石や大車輪などのローカルルールを取り込んであるのも、注目すべきポイントだろう。他にも、十三不塔や大七星などのマイナーなものまでフォローしてあるので、解説をじっくり読んで友人に自慢すれば、麻雀ツウっぷりを発揮できるかもしれない(笑)。


これだけマイナーな役が揃っているのも珍しい。十三不塔を見られる麻雀ゲームなど、メッタにないだけに貴重だ

 オプション設定もしっかりしていて、セリフの有無やワザの有効無効など、各種設定が変更可能。セリフを無しにするとサクサク進むので快適だが、面白さが欠けてしまうためあまりお勧めできない。やはり、ガンダム麻雀は喋ってこそ、だろう。


細かな設定が可能だが、セリフだけはオフにしないでプレイすることを勧めたい

まさにファンのためのアイテムといえる一本

 最終的には、プレーヤーがどのようなプレイスタイルを望むかで、本作の価値はハッキリと分かれるだろう。ファーストガンダムが好きで、麻雀はオマケ程度でいいという人には、間違いなくマストアイテムとなるに違いない。ここまで細部にわたり、ファーストガンダムをしっかりパロっている作品はそうそうないだろうから、絶対に楽しめるはず。反対に、麻雀が出来るのが前提で、そのうえでファーストガンダムのキャラだからということであれば、ちょっと厳しいかもしれない。自分でも麻雀を打つ手前、この思考ルーチンには納得いかない部分を数多く感じたからだ。

 ただし、あくまでもフィギュアを集めて眺めたり、ミニシアターや対局中のセリフを見て楽しむのが目的であれば、まったく何の問題もない。あくまでも麻雀はオマケ、そのように吹っ切れれば、こんなに楽しいタイトルはなかなかないだろう。

機動劇団はろ一座 ガンダム麻雀DS 親父にもアガられたことなにのに!
対応機種ニンテンドーDS
メーカーバンダイ
ジャンルバトルトーク麻雀
発売日2005年12月29日
価格5040(税込)
プレイ人数1〜4人(DSワイヤレスプレイ対応)
(C)創通エージェンシー・サンライズ


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