最近ゲームに時間を割けないあなたへ――お手軽だからこそ布教にも最適：「タイトーメモリーズ ポケット」レビュー（3/4 ページ）

以前、PS2用タイトルとして発売された「タイトーメモリーズ」が、PSP用となり新たに登場した。PSP購入層とも重なると思われるゲームだけに、収録作品や出来映えが気になるところだ。今回はアレンジ版も入っていると言うことで、オリジナル版とともに細かく見ていこう。

[篠崎薫，ITmedia]

　残念なのは、収録されているタイトルがどれもこれも、PS2版タイトーメモリーズでも遊べるものばかりな点。唯一、「レインボーアイランド・エクストラ」のみが新規収録ということで、これには落胆してしまった。開発費などの裏事情があるのはわかるものの、タイトーのゲームはまだまだ大量にあるので、できればそれらを登場させてほしかった。PSPの縦長画面を利用した「ワイバーンF-0」や「イグジーザス」（これらはハーフミラーを使っていたので、厳密な意味では縦長画面とは言い難いが……）、横長でプレイする「ダライアス」シリーズや「ニンジャウォーリアーズ」、「ウォリアーブレード」など、PSPだからこそ再現できるゲームを収録するだけでも、印象はがらりと変わったはず。アーケードゲーマーとしても、そのようなタイトルを期待しているはずなので、ぜひとも今後に期待したいところだ。

　なお、基板を買うと付いてくるポップなどだが、残念ながら本作には付属しない。インストラクションカードも、画面モードをコンパクトやミドルに設定したときに若干見える程度。UMDの容量が少なくて入らなかったのか、それとも最初から収録する予定がなかったのか。いずれにせよ、残念なことではある。この当時のインストラクションカードには、さりげなくゲーム攻略のヒントが描かれていたりするだけに、プレイ中に参照できるような仕掛けがあれば面白かったと思うのだが……。ただし、初回限定特典でPS2の時と同様に「タイトーメモリーズブックポケット」が付属している。全ゲームのインストも入っているので、初回限定を購入することをオススメする。

画面の端に、ちらりと見えるインストカードがたまらない!?　これだけ見られるモードがあれば、資料的価値も上がっただけに惜しい

画面が綺麗になったアレンジモードだが、難易度は作品によりけり

　本作には、これまでのタイトーメモリーズにはない試みとして、アレンジモードが収録されている。遊べるのは、「クレイジーバルーン2005」「バルーンボンバー2005」「影の伝説2005」「キャメルトライ2005」の4本。オリジナル版と同じなのは操作性ぐらいで、見た目やゲーム性が新しくなっている。

　大きく変わった印象を受けるのは、元が80年にリリースされている「クレイジーバルーン2005」だろう。25年振りのアレンジということで、見た目が大幅にグレードアップしている。しかし、基本的なルールは同じ。壁は綺麗になったものの、当たれば風船が割れるのも一緒だ。1画面に収まりきらないコースが登場したり、制限時間が設けられているのが、オリジナル版との大きな違いとなっている。制限時間があることで、難易度は飛躍的に上昇したように感じた。事実、タイムオーバーでゴールまでたどり着けないことが多かったので、オリジナル版よりも素早く大胆な操作が要求されるという印象が強い。いずれにせよ、かなり手強くなっていることは間違いない。

1画面に入りきらないため、最初はどこへ行けばいいのか分からないこともある。が、プレイしながら覚えていくので、特に問題なし

制限時間に気をつけないと、せっかく調子よく進んでいてもタイムオーバーでアウト、なんてことにもなりかねない

　反対に「バルーンボンバー2005」は、4本の中でも一番遊びやすいタイトルに仕上がっていると感じた。オリジナル版は面クリアしても地面が修復されることはないが、アレンジ版では2ステージごとに綺麗になるため、非常に簡単になっている。しかも、本来は絶対に打ち落とせないハズの飛行機も、破壊することができてしまうのだ。これがなかなか気分壮快で、当時悔しい思いをした人には、大受けすること間違いない。飛行機からばらまかれる3発の爆弾で涙を呑んだ人は、今こそ鬱憤を晴らそう。また、地面の回復アイテムなども登場するので、疲れたときの気分転換に遊ぶには最適だ。

2ステージさえ耐えれば、地面がきれいになるので自由に動ける。また、爆弾と自機の距離も近いため、狙いをつけやすい

上空を飛んでいる飛行機を撃ち落とせるのが、メチャクチャ嬉しい。オリジナル版は、飛行機の場所まで弾が届かないようになっていたが、アレンジ版ではダメージを与えられるので、ここぞとばかりに破壊しよう