荒んだ心を詩で癒す――大作RPGを押しのけてでも遊ぶ価値あり:「アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女」レビュー(5/5 ページ)
バンプレストとガストのコラボレーションとして発売される本作。積極的に展開されるプロモーション映像などを見て、気になっている人も多いようだ。そこで、一足先にゲームをプレイしてみたので、そのレビューをここに掲載しよう。
精神世界へは、物語を進めていき魔法がほしくなったらダイブするのも良いし、ダイブポイントが大量に溜まった頃合いを見計らって一気にクリアするのもあり。プレイ時は後者でやってみたが、新しく覚える魔法は強いので、発動させるのが楽しいし気持ちが良い。なので、ダイブポイントが溜まったら早めにダイブするほうが、爽快なプレイを堪能できるだろう。ダイブできる相手はレーヴァテイルだけなので、オリカとミシャのみだ。
なおアドベンチャーといっても、最終的にはダイブポイントがあれば問題が解決するので、十分に溜めてから精神世界へ行けば、何の苦労もなくクリア可能。レーヴァテイルの精神世界は全部で10階層あり、下に行くほど強力な魔法を習得できる。それに加え、新しいコスチュームが手に入ることもあるのだ。同時に、プレーヤーもレーヴァテイルが背負っている深い心の傷を共有するようになるため、キャラへの愛着がわいていくのだ。1観客として物語を楽しむRPGが多い中、主人公と同じ気持ちを共有してストーリーに入り込めるというのは、このところあまり見かけなかったように思うだけに、貴重かもしれない。
コスチュームはレーヴァテイルごとに何着か用意されている。見た目が変わるだけでなく、魔法の溜まる度合いなども変化するので、そのあたりまで考慮して選びたい。もちろん、見た目だけで決めたいという人がいれば、それはそれで止めないが
3DのRPGでは味わえない暖かみを求める人は、ぜひ
実際にプレイしていて行き詰まることはまったくなく、むしろ一本道のストーリーであるにもかかわらず、グラスメルクのためのレシピ集めで横道にそれたりなど、非常に自由度が高い仕上がりだと言える。
また、RPGをプレイしていて良くあることと言えば、しばらく時間が空いてしまい、何をやるべきなのか分からなくなってしまうこと。そんなことにならないよう、本作ではセーブポイントにて“次に何をすべきか”を調べることができるのだ。これならば、まとまった時間が連続で取れないという人でも、安心してプレイができるだろう。
現在のRPGでは、すべてにおいて3Dポリゴン表示が全盛時代となっている。その中にあって、本作の2Dは古くさく見えるかもしれないが、実際にプレイしてみれば、そんな心配は杞憂だったことが分かるだろう。そもそも、RPGは見た目ではない。ストーリーやシステムなど、プレーヤーの心をいかに引きつけるか、なのではないだろうか。そのような観点から考えたとき、本作は大作RPGを押しのけて買うだけの、十分な価値があると個人的には感じ取れた。
ありきたりなRPGで心がすさんだとき、または日常に疲れたとき、本作内で展開される物語とBGMがきっと、プレーヤーの心を気持ちよく和ませてくれることだろう。
アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女 | |
対応機種 | プレイステーション 2 |
メーカー | バンプレスト |
ジャンル | ムスメ調合RPG |
発売日 | 2005年1月26日予定 |
価格 | 7140円(税込) |
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