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PSP「鬼嫁日記」――見た目はかわいいけど、中身は虎です(3/3 ページ)

2月23日にAQインタラクティブから発売されるPSP「実録鬼嫁日記 〜仕打ちに耐える夫の理不尽体験アドベンチャー〜」。そのプロデューサーと開発者にインタビューを試みた。結果として浮き彫りになったのは、細部までこだわりを持って作られた職人技と、データのアップロードによる新しい遊びだった。

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なぜPSPなのか――見た目はかわいいけど、中身は虎

――据え置き機ではなく携帯ゲーム機であるというところで、気軽に少しずつエピソードを遊ぶというスタイルに合っていると思ったのですが、このあたりは意識されましたか?

原田 元々がブログで、長くても5分くらいで読めるものなので、携帯コンテンツには向いているのかなと。据え置き機というイメージではなかったですね。通勤の合間や、人を待っている合間に本を読む感覚でプレイできます。エディットモードで話を作ってもいいですし、それを無線LANスポットでアップロードしてもいいわけです。

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――PSPというプラットフォームを選択されたのはなぜですか?

原田 PSPはゲーム機としてだけでなく、いろいろな用途に使えますよね。映像や音楽といったコンテンツも楽しむことができます。この、さまざまな用途に使えるPSPというハードで、「ちょっとゲームでも試してみませんか?」という提案でもあったんです。

――PSPがインターネットにつながるというのも大きいのではないでしょうか。

原田 そうですね。実録鬼嫁日記は、元々インターネットから始まったコンテンツですから、インターネットをからめないというのはあり得ないでしょうね。PSPは元々アップロードを想定されていないハードなんですが、今回は特殊な形をとって実現しました。

板野 ただ、ネットワークに関してはチャレンジでした。PSPからデータをアップロードするということ自体が、本作でしか実装されていないものなんです。ほかのゲームで実現されていません。追加データをダウンロードするゲームはありますが、ユーザーがデータをアップロードして、それをまた別のユーザーがダウンロードして交換できるモードは、今までありませんでした。その点について、ソニー・コンピュータエンタテインメントさんには相当協力していただきまして、かなりフロンティアな作品になりました。見た目はかわいいですけど、中身は虎なんですよ。

オリジナルエピソードが産み出す新たな遊びの可能性

――オリジナルエピソードをインターネットにアップロードできるというアイデアは面白いのですが、どうしてこの機能を入れようと思ったのですか。

原田 先ほども言いましたが、当初から社内で体験談を語りたいという人が多かったからというのはあります。あと、新しいコミュニティを作れるような場を提供したかったというのもありますね。メールの絵文字がはやっていますが、そのようにビジュアルで言いたいことを伝えれば、文章表現では伝えきれない部分をより具体的に見せることができます。本作では文字と絵で言いたいことが伝えられる、という価値が「このゲームを買ってよかったな」というところにつながればいいと思っています。

板野 オリジナルエピソードが作成できる「エディットモード」は、先ほども述べたようにこだわって作っていますので、かなりドラマ性のある作品も作れますよ。

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――オリジナルエピソードをアップして自由に交換できることから、どういった展開が生まれると思いますか。またどういった展開が生まれてほしいと思いますか?

原田 ユーザーの間で「あの人の書くブログは面白いよね」、「あのストーリーは面白いよね」というリアクションが生まれて、コミュニティサイト内での有名人とか、“第二のカズマさん”が登場したら面白いですね。

 コミュニティサイトにはリアルタイムで集計されるダウンロードランキングがあります。ハンドルネームなので、自分のエピソードがランキングで上位に来れば、自分1人でニヤニヤできる。友人に「あれ書いたの俺なんだよ」と教えたり、「あのエピソード見た?」「見た見た!」という話題のもとになったり、というのはいいですよね。インターネットの匿名性が、いい感じで面白さにつながると思います。

 また、ユーザー向けのちょっとしたプレゼントも考えています。ダウンロードできる画面で「スペシャル」という項目があるんですが、著名な方のオリジナルエピソードや、カズマさんのレアエピソードをダウンロードできるようになる予定です。

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――本作について盛り込みたいけど盛り込めなかったという要素はありますか。

原田 いえ。こういっては何ですが、これまでのタイトルには「ああこれをやり残した」と思うこともあったんです。でも今回に関しては「やるだけのことはやった」という感じですね。

板野 わたしも十分ですね。かなり自由にやらせていただきました。実は、ドラマファンがニヤリとする小ネタもあるんです。プロデューサーには内緒で盛り込んだ機能もありますし。マスターアップしてから教えた仕掛けもありましたよね(笑)。作り出すと、徹底的に作らないと気が済まないんです。

原田 板野さんのこだわりや作り込みは至るところにあります。ぜひチェックしていただきたいですね。とにかく楽しんでプレイしてほしいです。別に鬼嫁、鬼彼女の話でなくてもいいので、どんどんエピソードを作ってアップロードしてほしいですね。

(C) AQ INTERACTIVE 2006
(C) 2005 KAZUMA


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