簡単接続・低価格――ヘッドフォンで簡単サラウンド(2/2 ページ)
Xbox 360が発売され、PS2ゲームでもサラウンド対応タイトルが増えてきた。でも、サラウンド機器ってスピーカーがいっぱいあって接続が大変だし、そもそも家で大音量で鳴らせないし……、という人のための「ヘッドフォンでサラウンドを楽しむ」講座です。
携帯型ドルビーヘッドフォンユニットでサラウンド環境を持ち歩く
試したのは、「電池駆動・ポケットに入るドルビーヘッドフォンユニット」クリエイティブメディアの「HQ-2300D」だ。実売価格は1万2800円となっている。
付属のケーブルでPSPのヘッドフォン端子とデコーダの入力端子を接続し、ドルビープロロジックIIモードに設定すると……、ちゃんと後方から敵の動く音が聞こえてくる。これならばライバルに差をつけられるはずだ。
なお、2月16日発売予定の「モンスターハンター2(ドス)」でもドルビープロロジックIIによるサラウンドサウンドをサポートする。家でも外でも、狩りをするならサラウンド環境が必須になるかもしれない。ただ、サラウンドヘッドフォンを使うことで、ゲームに没頭しすぎる可能性がある。電車を乗り過ごしたりしないように、くれぐれも注意してほしい。
最新オススメサラウンドゲーム紹介
2005年の年末商戦でベスト10に入ったPS2ゲームでも、半数がプロロジックII対応になっており、期末(1〜3月)商戦ではいま分かっているだけでも「ダージュオブケルベロス FINAL FANTASY VII」「新・鬼武者」(DDPLII)、「アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女」(DDPLII)、「ツーリスト・トロフィー」(DDPLII)、「戦国無双2」(DDPLII)、「ソニックライダーズ」(DDPLII)、「ファイナルファンタジーXII」(DDPLII)などがサラウンド対応作品としてリリースされる予定だ。中でも特筆すべきなのは、メーカータイトルが並ぶのだが、特筆すべきは「新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド 特別編」がドルビーデジタルプロロジックII対応になったこと。ついに2Dアドベンチャーゲームにおいてのサラウンド利用が始まったわけで、この作品をきっかけにどのようなタイトルに使われていくかも興味深いところだ。
ここでは、12月に発売されたタイトルから、サラウンドで遊んでほしいタイトルを2つ紹介しておく。
龍が如く(PS2/セガ)
日本最強の裏社会アクションゲームとなる本作は、「ドルビーデジタル」に対応。ただし、ゲーム中のサウンドがリアルタイムのドルビーデジタルによるサラウンドになるわけではなく、プリレンダリングのムービーのみが、ドルビーデジタルによるサラウンドとなっている。派手なアクションシーンも多い本作だが、第2章の幹部会のシーンでの幹部のざわめきなどがサラウンド化されていて、リアル感を盛り上げてくれる。
ただ残念なのがゲーム中サウンドはサラウンドではないこと。雑踏の中で特に目立つ音声があるというサウンドデザインなだけに、これらの音もプロロジックIIにしてくれれば臨場感のあるタイトルとなったのにと残念だ。ちなみに、同じセガタイトルでも「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」、「ソニックライダーズ」は、ドルビープロロジックII対応(PS2版はムービーのみドルビーデジタル対応)なので、開発部署によって、サラウンドに対する意識の違いがあるのかもしれない。
METAL GEAR SOLID 3 SUBSISTENCE(PS2/コナミ)
前作でもドルビープロロジックII対応だった「METAL GEAR SOLID 3 SUBSISTENCE」だが、本作ではサードパーソンビューの追加やメタルギアオンラインなどにより、サラウンドの必要性がぐっと増した。基本的にFPSとなったメタルギアオンラインでは、敵の攻撃がどこから来るかというのがサラウンドでわかる、というのは大きい。
また、初回限定版に収録されているDISC 3はサウンドがリマスターされ、さらに臨場感のあるサラウンドサウンドとなっている。ゲームを映画のように通しで鑑賞できる貴重なディスクなので、購入はお早めに。
“今は”あまりミドルクラスのシステムを勧めたくない理由
現在ドルビーではドルビーデジタルプラス(7.1〜13.1chをサポート)やドルビー TrueHD(MLPロスレスベースのマルチチャンネルサラウンド。スタジオ品質の音声再生を実現する)、DTSではDTS-HDという次世代DVD向けサラウンドが発表されていて、2006年末ごろには対応アンプが出てくると予測される。それから2年くらいすると一般ユーザー層でも買いやすい価格帯に下りてくると思われる。
これらのフォーマットの伝送方法はHDMIが基本となるために、現在のホームシアターセットでの対応は不可能(5.1chでの運用の場合音質が少し良くなる)となるため、アンプだけ買い直しとなってしまうのだ。このため、筆者としてはミドルクラスのシステムを、そう焦って買う必要はないと思っている。
ドルビー日本支社代表の伏木氏のブログには、「我々が次世代光ディスクのコンテンツはHD映像と非圧縮音声という究極の選択で提供されると考えている」と書かれている。ゲームだけに使うならともかく、次世代DVDを踏まえて映画等も見る、という場合は将来的なアップグレードを考えたシステムを購入することをオススメ、ということなのだ。
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