「いまから5年後にはすごいことが起きそう」――久夛良木氏:PS Business Briefing 2006 March(3/5 ページ)
「PS Business Briefing 2006 March」では久夛良木健氏より、PS2、PSPそしてPS3についての数多くの発表が行われた。進化するPSP、そしてPS3プラットフォームの方向性とは?
RSS Channelとカメラ、GPSレシーバー
ここで久夛良木氏は、PSPの新しい展開について言及。現在iTunesなどで活用されている、ポッドキャスティングやインターネットラジオといったジャンルをカバーするために用意された「RSS Channel」について紹介した。「バンド幅やクライアントの能力といった問題などもまだ存在するが、ほどなく放送と同じようになることはだれもが予感していることであり、まったく新しい大きな技術が起ころうとしている」と述べるとともに、PSPのRSSサポートを表明した。
また久夛良木氏は、「VoIPを利用したSkypeなどのように、インターネットを使って通話するのが、家庭の中でもふつうになってきた。これからは音声だけでなくビデオを含めたコミュニケーションも可能になってきている」と語り、画像を含めたコミュニケーションをPSPの基本機能として2006年10月に提供することを発表。USB接続で利用するカメラ「PSP-300」も発売すると述べた。
次に発表されたのは、PSP向けのGPSレシーバー「PSP-290」。これに対応した「みんなのGOLF」も2006年10月に発売されると発表されたが、久夛良木氏がGPSを思いついたのはゴルフ場だったという。「思ったところに球が飛ばないのであちこち走り回るため、ゴルフ場でカートに付いているGPSには重宝している。このことについて、『なんでPSPの“みんごる”でできないの?』という話をチームにしたら、『GPSがありません』と。それなら付けようということで始めた」(久夛良木氏)。
メモリースティックからブートしてPSソフトをプレイ可能に
久夛良木氏はPSPとPS3の連携について、「PSPとPS3は、物理的にはUSBケーブルやWi-Fiでつながる。PS3がインターネットに接続していれば、PSPも接続することができる。シームレスなIPネットワーク上のコミュニケーションが可能」と語る。
そこで、PSPがメモリースティックからダイレクトに起動可能になることが紹介されたのだが、久夛良木氏は「PS2を発表したときから“e-Distribution”をやりたいと思っていた。ただしビット配信でコンテンツが家庭に届くようになるまでには、バンド幅や料金など、ネットワーク環境の問題があって時間がかかった。しかしいまとなればブロードバンドは普及している。メモリースティックで起動可能にすれば、コンテンツを丸ごと配信して、PSPで利用できるとも思う」と語ったあと……、
「しかしこれだけではおもしろくない。PSPでPSのソフトを、ほぼ元のコードに近い形でエミュレーションさせる。これまでの開発コードをアーカイブサーバもしくは開発側のサーバに置けば、ほとんどオリジナルに近い形のPSソフトをプレイすることが可能だ」と話し、PSPの可能性がより広がることを示した。
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