カードを置くとモンスターが浮かび上がる――PS3のプレイアブルソフトを触ってきました(その2):E3 2006「SCEブース」(2/2 ページ)
PS3タイトルの中で一風変わった2作品を紹介しよう。既存のゲームの枠に捕らわれないこうした発想で、ハードと同様にソフト側も次世代に向けたさまざまなチャレンジが行われている。開発者へインタビュー。
バトルするだけじゃない、カードプロフィールモード
―― VSモード以外に用意されているゲームモードはありますか。
渡辺 自分が集めたカードをカメラにかざしてクリーチャーのステータスを見る、カードプロフィールモードというのがあります。こちらのモードは、見た目のインパクトもあるし、カードビューでコレクティブな要素もある。それとゲームが難しいという低年齢の子供達のために、ジャンケンモードみたいなのを用意しています。これはカードを出し合うとPS3があるパラメータを参照して勝敗をつける、という遊びですね。
―― 先ほどカードのゲームデザインに2年近くかけていると言われましたが、もともとカードゲームはかなりやってらしたのですか?
渡辺 いえ、この企画をやるまでは、カードゲームは知らなかったんです。むしろ知っていたら、このゲームを作ろうなんて思ってなかったかも知れませんね。カードゲームって、1枚のカードパラメータをいじると全部のカードに対して調整を取らなければならないので、ものすごくバランスの調整が大変なんです。リサーチもかなりしているのですが、例えばあまり凝ったギミックを入れるとコアなカードゲーマーは嫌うんですね――「そんなのいらないから、ちゃんと遊べるものにしてよって」。ですから、まずは純粋なカードゲームの部分に時間をかけて、しっかり遊べるものを作る必要があったわけです。
―― カードのゲームデザインが出来ているということは、発売時期については?
渡辺 本体のロンチと同時発売を目指しています。ただカードの部分はもうできているのですが、カードを出した時のエラーチェックや判定は現在制作中です。ゲームとしてはまだまだこれからです。
―― それでは最後にユーザーの皆さんに一言お願いします。
渡辺 ルールを聞いて難しく感じる人もいるかもしれませんが、本当に誰でも簡単遊べるゲームですし、やっていくとどんどんその奥深さに気付いていただけると思います。カードを集める楽しみだけでなく、まずはやってみてどんどん覚えて奥の深さに漬かってください。
ネットワークとカメラを積極的に活用したパーティソフトがPS3に――「Sing Star」
「Sing Star」は、EyeToyカメラ人気が根強い欧州で制作されたオンライン接続前提のPS2版パーティソフト。日本での導入は今のところ未定(PS2版の発売予定もない)だが、ゲーム機をより積極的に楽しむツールの代表としてここに紹介しておこう。Sing Starのユーザーは、常時300曲以上の歌が収録されている専用のサーバから好きな曲をダウンロードし、曲をマイク(USB接続されている)で歌い切った時に得られる得点をSing Starの仲間達と競うことができる。曲の採点はピッチ(曲の韻を踏みながら歌う)で判定されるため、高得点を出せるようになるまで練習すれば自然と「歌が上手くなる」という夢のような(?)カラオケ練習ソフトなのである。
このソフトの面白いところは楽曲をダウンロードするだけでなく、自分のプロフィールをアップロードすることで他のSing Starユーザー達を結ぶ“コミュニケーションツール”になるところだ。PS3版「Sing Star」は内蔵されたハードディスク(メモリースティックにも記録可能)にデータを取りだめできるため、よりコミュニケーションツールとしての機能が高められたものだと言えるだろう。
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