声優陣が語る英雄たち――「戦国BASARA2」ドラマCD収録現場に行ってきました
カプコンから2006年7月27日に発売予定のプレイステーション 2用ソフト「戦国BASARA2」。このたび、そのドラマCD第2弾の収録現場へとお邪魔する機会を得たので、キャスト陣に聞きどころなどを語ってもらった。
カプコンから2006年7月27日に発売予定のプレイステーション 2用ソフト「戦国BASARA2」。そのドラマCD第2弾として「戦国BASARA2〜百花繚乱!小田原の役〜ドラマCD」が登場する。発売日は2006年8月23日、価格は3150円(税込)を予定。
戦国BASARA2は、プレーヤーが戦国時代を生きる武将となり、おのれの体ひとつで幾千の敵を相手どり、戦乱の世を駆け抜けるスタイリッシュ英雄(HERO)アクションゲーム。ドラマCDでは、伊達政宗と片倉小十郎VS豊臣秀吉と竹中半兵衛の熱い対決に、前田慶次や真田幸村が巻き込まれ、壮大な合戦へと発展していくという。ジャケットデザインは前回同様、土林誠氏の書き下ろしとなっている。
この日の収録に参加していたのは、豊臣秀吉役の置鮎龍太郎さん、真田幸村役の保志総一朗さん、前田慶次役の森田成一さん、伊達政宗役の中井和哉さん、片倉小十郎役の森川智之さんの5名。自らが演じたキャラクターの印象やドラマCDの聞きどころ、好きなセリフなどを語っていただいた。
●置鮎龍太郎さん(豊臣秀吉役)
よくある秀吉像は、小男でせわしないイメージがあると思います。ですが、戦国BASARA2での秀吉は山のような大男で、別人だと考えていただいて間違いないです。付き従う(竹中)半兵衛と一緒にいるシチュエーションが多く、そのシーンが面白い。戦闘ではほかのキャラクターと違い、武器を持たずに敵キャラクターをつかんでブン回すという変わった戦闘を行います。
身体が大きくて、いつも僕が演じている役とはまったく正反対のキャラクターですね。その大きさを出すために、たっぷりゆっくりと演じるようにしました。収録中に気を使ったのは“いかにのどを持たせるか”ということです。負担を掛けないように、大男を表現するのが大変でした。
みんなと絡んで台詞を言うのは初めてで、その兼ね合いから改めて役作りをしてみようというチャレンジもありました。ドラマCDで聞いてほしいのは、出会いのシーンなどが語られる半兵衛とのくだり。それと戦闘シーンになります。好きなセリフは「媚びぬ、退かぬ」と、何かあるたびに言う「半兵衛!」です。
●保志総一朗さん(真田幸村役)
知将で静かなイメージですが、戦国BASARAの幸村は180度違います。かなりの熱血漢で、お館様(武田信玄)をこよなく慕っており、お館様のためにすべてを投げ打ち戦う。とにかく熱いキャラクターです。戦国BASARAのキャラクターはみんなそうですが、実際には無理だろうなと思われる二槍(2つの槍)を使っています。
ゲームでは全編通してとにかく暑苦しいんです(笑)。お館様との定番のやり取りがあるんですが、本人同士はいたって真面目にやっていても、端から見たら“この2人おかしいんじゃないか”というシーンがあり、ほほえましいというか、コミカルな感じに見えてしまいます。オモシロおかしくというか、前作からプレイしている人はそういう部分を期待していると思うので、そこには特に気を使っています。後はのどがどれくらい持つかと、とにかく勢い負けしないように、最後まで突っ走るように演じました。
残念だったのが、今回のCDドラマにお館様がいなかったことですね。今回は新しいキャラクターたちの物語なのかなと感じました。ただ幸村は幸村で、ライバルである政宗と協力するシーンもあり、さらに世界が広がっています。慶次との絡みもあり、普段の幸村とはちょっと違う一面も見られると思います。好きなセリフは「お、お館様ぁ〜」の一点張りで(笑)。
●森田成一さん(前田慶次役)
皆さんの頭の中にある前田慶次像とほぼ近似値だと思います。豪放磊落(らいらく)で、飄々とした感じを持った武士です。慶次を語るキーワードには「恋」があります。戦国乱世に恋はどうなのか? と、ちょっとミスマッチなような気もしますが、実はそれが非常に大事な要素であり、慶次が闘う上でとても大切な言葉になっています。キャラクターとしては、戦国BASARAに出てくるキャラクターの誰もが個性的ではありますが、その中にあって慶次は現代人に近いと感じています。
ただ、最初に台本を読んで想像したものと、スタジオに入ってから創ったものでは、随分と差が出ました。何パターンか試してみて、そのうちで一番近いものにしたのですが、キャラクター創りにはちょっと時間が掛かりましたね。とにかく全身で感情を表現する人間なので、セリフ自体が踊るというイメージだと思います。それとやはり僕ものどがつぶれました(笑)。大変な役です。
ドラマCDでの慶次は他のキャラクターとは違う位置に立っています。みんなは戦いに来ているのに、慶次は花見に来ているんですよ。ひょんなことから闘いに巻き込まれるわけですが、まだ他のキャラクターに知られていない存在なので、会うたびに“誰だお前は?”と言われて、何回も自己紹介をすることになります。派手なアクションはありませんが、人間としての慶次の魅力が伝わるものになっていると思います。好きなセリフは「命短し、人よ恋せよ」です。本当は「命短し、恋せよ乙女」なんですが、それを変えています。これが慶次の考えているものの中心になるんです。
●中井和哉さん(伊達政宗役)
前作に引き続き、政宗は小粋な英語を駆使するイカしたヤツです。刀もありえないぐらいたくさん持って振り回します。全身で「この世界は何でもありなんだ」と表現しているキャラクターですね。
自分の中に余力を残さず、とにかくやりきることに注力しました。迷いや照れ、疑問などは振り払って、最後まで押し通す意志を持ち続けること。これは前作から考えてますし、今回もそうでした。
ただ今回は、(片倉)小十郎がそばにいるようになったことで、戦国BASARA世界での政宗の本来の姿、肩に背負っていた責任という重いものを降ろした感じになっています。よりガキっぽくなっているという感じでしょうか。前作の立ち位置であった“大勢の配下を従えるもの”というところからは脱したような感じがあるので、その辺りを聞いてください。好きなセリフというか、政宗は終始一貫、台本にカタカナで「パーティー」と書かれているところを「パーリィッ!」と言っています。これは1作目からのこだわりです。
●森川智之さん(片倉小十郎役)
戦国BASARA2の台本を始めにもらった時、何で(政宗は)英語を話しているんだろう? といった戸惑いがありました。とても独特な世界観を持った作品だと思います。小十郎は政宗の参謀役、常に隣にいて背中を守っています。今回からの登場なので、キャストが固まっている中に入っていくことになります。どういう風に演じようかと考えていたのですが、スタッフから“あの作品の、あのキャラクターみたいに”という指示をいただきまして(笑)。それでうまく事が運びました。
人気作品には、ユーザーの皆さんが支持している色や方向性があります。そういう意味で、皆さんが気に入ってくれるようなキャラクターにしようと演じました。実は声優業界では戦国BASARAはとても有名な作品なんです。先ほどから何度か出てますが“のどが大変だよ”と言われる。ちょっと調子が悪いと、“どうしたの? 戦国BASARA?”みたいな感じで(一同爆笑)。本当に役者泣かせな作品ではありますが、やりがいのある作品だと感じました。
ドラマCDで聞いてほしいのは、やはり政宗との掛け合いですね。2人の関係みたいなものが明確に分かるようになっているので、その部分をストーリー的には楽しんでもらいたいです。もちろん小十郎も戦いますから、その辺りも新キャラクターということで、楽しんでください。好きなセリフは「政宗さま、政宗さま」です。これは声を張ると結構言いづらいんですよ。勉強します(笑)。
このほか、ゲームの発売前日となる2006年7月26日には「戦国BASARA2 オリジナルサウンドトラック」が発売することも明らかにされている。価格は2940円(税込)。
こちらには戦国乱世の合戦を彩る渾身のサウンド、全35曲を収録。ゲーム、ドラマCD、サウンドトラックと、ますます熱く盛り上がる戦国BASARAワールドから目が離せなそうだ。
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