興行やるなら参考に「SUPERレッスルエンジェルス」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)
今回は、プロレスの試合をうまく再現したシステムで好評を博した、「レッスルエンジェルス」シリーズを取り上げてみましょう。スーパーファミコン版「SUPERレッスルエンジェルス」を中心に。終盤ちょっと妄想も入ります。
インディー団体をメジャーにしよう!
「レッスルエンジェルス3」は、「1」、「2」と違って、特定の主人公が存在しない、プロレス団体経営シミュレーションになった。スーパーファミコン版の「SUPERレッスルエンジェルス」は、この「3」が移植されたものだ。
プレイヤーは、新団体の社長となって、選手を集めて育成し、日本各地で興行を行なって、稼いだお金で団体の規模を大きくしていく。
「3」が発売された1993年、実際のプロレス界ではパンクラスとSPWFが旗揚げした。さらに翌年以降、IWAジャパン、東京、西日本、夢ファクトリー、剛軍団、大日本、ガイアなど、団体は一気に増える。
SWSやUWFの分裂、女子ではジャパン女子の崩壊が重なったことに加え、「5万円で旗揚げした」大仁田厚選手のFMWが成功したことで、小さな団体でもやっていけるという機運が高まったようだ。
そんな機運に乗っかって、プレイヤーの団体も旗揚げするわけだが、旗揚げ当初は資金も少なく、いきなりビッグマッチを組むわけにもいかない。
どれだけのお客さんを呼べるか予想し、身の丈にあった会場を選ぶ必要がある。
同じ県で、あまり間を空けずに興行を行なうと、客の入りが悪くなる。だから、今月は関東、来月は近畿、……と、巡業する場所を散らす必要が出てくるのだ。
また、いかにも女子プロレスらしいことに、所属選手の地元では、団体の人気が高くなる。
かつての全日本女子プロレスでは、“ご当地レスラー”をかなり重視していて、選手の地元で興行をする場合は、その地域限定のポスターが作られることもあった(府川由美(後の府川唯未)選手が1人で写っている、横須賀限定のポスターを、全女が経営していた歌舞伎町のカルビ丼屋で見たことがある)。
実際、興行というのは、ただ広告をうてば客が集まるというものではない。地道な営業活動でチケットを売ることも重要で、その際に「地縁血縁」というのは、大きな力を発揮する。
「レッスルエンジェルス」にも、この論理が取り入れられているのだ。
こうしてこのゲームのシステムを見ていくと、興行の仕組みが実にリアルに再現されていることがわかる。現実の興行にも、ゲームの攻略法のかなりの部分が、生かせるのではないだろうか。
(ホントにこのゲームを参考にして興行をやって、失敗しても責任は取らないけど)
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