圧倒的なグラフィックとボリュームにクラクラしちゃいます:「鉄拳 ダーク・リザレクション」レビュー(3/3 ページ)
7月6日にバンダイナムコゲームスから発売された「鉄拳 ダーク・リザレクション」は、アーケードで稼動中の「鉄拳5 ダーク・リザレクション」の移植作。キャラクターもモードも充実した鉄拳最新作をご紹介しよう。
近くの友人と、遠くの誰かのゴーストと、そして自分自身と……
1人用だけでもかなりのボリュームなのだが、対戦格闘ゲームなのだからもちろん対戦モードも充実している。PSPと「鉄拳DR」を複数持ち寄れば、アドホックモードを利用した「BATTLE LOBBY」で対戦が可能。ロビーには複数人が入れるが、対戦は1対1のガチンコバトル。秒間60フレームを再現している「鉄拳DR」だが、アドホックモードでのタイムラグなどは特に感じられなかった。プレイ中の動きはさくさくだ。
また、「鉄拳DR」が1本しかなくても、PSPが2台あれば「GAME SHARING」で対戦が可能。ステージは限定されるが、友人がみんな「鉄拳DR」を持っているとは限らないので、嬉しい機能だ。「DATA EXCHANGE」では「鉄拳DR」を持っている同士でランキングやゴーストの交換ができる。ちなみにゴーストの交換をしたうえで、TEKKEN DOJOをある程度進めていると、オマケの道場が遊べるので、ぜひ試してほしい。
そしてPSPといえば、やはりインフラストラクチャーモードによるオンライン機能だ。「鉄拳DR」もしっかりちゃっかりこのオンラインを利用した遊びを盛り込んでいる。無線LANへのPSPの接続ができる環境があるなら、迷わずつなげてみよう。何ができるかといえば「RANKING UPDATE」、「GHOSTS DOWNLOAD」、「DOWNLOAD CONTENTS」の3つだ。
RANKING UPDATEでは常に更新されるランキングに自分のデータを登録し、トップランカーたちのランキングを閲覧できる。実際につなげたところサバイバルで何100人と敵を倒している猛者たちがトップに名を連ね、そのほかタイムアタックなど各モードの強者たちも確認できる。筆者のデータなど、はしにも棒にもひっかからないひよっこで、世界の層の厚さを思い知ったのだった。
GHOSTS DOWNLOADではゴーストパック(複数のゴーストが入ったデータ)をダウンロードできる。現在は7月上旬までの最新ゴーストを収録したスペシャルパックが配信されている。おそらく今後も新しいゴーストパックが提供されるはずなので、要チェックだ。
ちなみにプレイ時にスタートボタンを押して「GHOST UPDATE」という項目をONにしておくと、そのキャラのゴーストデータが更新されていく。このデータがオンラインにつなげたときにアップされることがあり、自分のデータがアップされると次回以降のゴーストパックに収録される可能性がある、という仕様がある。これはなかなか面白い機能だと言えるだろう。もしかしたらダウンロードしたゴーストパックのなかに、かつての自分が収められているのかもしれないのだ。オンラインならではのわくわくする遊びが展開していきそうだ。
DOWNLOAD CONTENTSでは壁紙が配信された。今はまだ選択できるファイルが少ないが、今後のコンテンツの充実に期待したいところだ。
このクオリティのゲームが持ち歩ける幸福
そのほかに「BONUS GAMES」というオマケモードも用意されている。ここでは「TEKKEN BOWLING」、「COMMAND ATTACK」などが遊べる。
TEKKEN BOWLINGは、2000年発売のプレイステーション 2タイトル「鉄拳タッグトーナメント」に収録されていた「鉄拳ボウル」以来のボウリングゲーム。なぜだか派手な水着のおねえさんたちに囲まれて富豪気分で優雅にボウリングに興じることができる。手軽に遊べるモードだが、ボウリングゲームとしてのつくりはしっかりしていて好感触。懐かしさもあいまって、何度もプレイしてしまった。
COMMAND ATTACKは、次々と出題される技コマンドをなるべく早く入力するミニゲーム。技コマンドはランダムなので、苦手なコマンドが現われるとそこで詰まってしまうという難点はあるが、技コマンドを完全に把握している上級者ならハマってしまうであろうゲームである。
とまあ、これでもまだ書ききれていないというくらいに、例えばプラクティスの充実っぷりも毎度ながら目を見張るものがあるし、ストーリーや世界観、新キャラや新ステージ、カスタマイズ用アイテムの魅力にも触れていきたいのだが、語り出せばきりがないので、このへんにしておく。
なお、PSPタイトルで気になる要素のひとつにロード時間があると思うが、「鉄拳DR」のロードは比較的短い、と言っておこう。たまに若干待つときがあるし、オートセーブをオンにしているとリーグ戦の後にしばらく操作を受け付けなかったりするが、PSPとしては短い部類に入ると思われる。ただ、据え置き機で出た今までの「鉄拳」シリーズのサクサクさと比べると、多少もっさりしている感は否めない。このあたりがPSPのロードの早さの限界かな、とも思ってしまった。
ともあれ、これだけのクオリティのゲームが持ち歩ける時代に生きていることを幸福に思えるほどに、「鉄拳DR」というタイトルは驚きと感動と面白さを秘めている。圧倒的なグラフィックと圧倒的なボリュームで迫る「鉄拳DR」の魅力の片鱗だけでも伝えることができていれば幸いである。ファンならずとも、とにかく見てほしい、そして触れてほしいと心から思える会心の作品だ。
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