“現在最安値のHD DVDプレーヤー”についてアレコレ聞いてきた:東京ゲームショウ2006
東京ゲームショウのマイクロソフトブースで、Xbox 360+HD DVDプレーヤーという、「現在最安値のHD DVDプレーヤー」についてアレコレ聞いてきた
東京ゲームショウ2006のマクロソフトブースはXbox 360で埋め尽くされている。当然のごとく展示のメインは新作ケームだが、先日発表されたばかりの外付けHD DVDプレーヤー「Xbox 360 HD DVD プレーヤー」のデモも行われている。コンパニオンのお姉さんには目もくれず(?)、HD DVDプレーヤーについてアレコレ聞いてきた。
このプレーヤーで再生可能なメディアはHD DVDビデオ(HD DVD-ROM)のみで、DVDビデオは再生できない。HD DVDビデオにインタラクティブコンテンツが含まれいても対応可能で、HD DVDプレーヤーとしての機能は「現在市販されているスタンドアロンのHD DVDプレーヤーと同等」(同社 Xbox事業部 プラットフォーム開発統括部 テクノロジ&エクスペリエンス グループ ハードウェアプログラムマネージャ 浅田真氏)だ。
単独での利用はできず、Xbox 360に接続した状態でHD DVDビデオソフトをセットすれば自動的に再生が開始される。メニュー画面から再生を選択してもよい。再生手順は市販のDVDプレーヤーとほぼ変わらない。本体サイズは公開されていないが、一般的な外付けDVDドライブと大差ないように見える。電源アダプターは内蔵されておらず、付属する電源アダプターを接続する。このアダプターのサイズは、ノートPC用の小型電源アダプターほどだ。
HD DVDビデオに関しては1層/2層のいずれでも問題なく、DVD/HD DVDビデオのハイブリッドディスクも再生できるが、現時点では-Rや-RW、-RAMといった書き込み/書き換えメディアの再生には対応していない。再生ソフトはプレーヤー内部のフラッシュメモリに書き換え可能なかたちで記録されており、将来的にはXbox Live!などを利用したアップデートによって現在再生できないメディアに対応できる可能性もある。
全体的な仕様としては「ほぼ一般的な外付けドライブ」(真田氏)だが、ドライバが存在していないためにPC用ドライブとしての利用は不可能。ドライバが公開されれば利用できる可能性はあるが、HD DVDビデオの映像・音声データは暗号化されてドライブからXbox 360へ送られるため、PC側で認識できるようになっても、(PC側で暗号解除の手だてが必要となるため)PC用のHD DVDビデオ再生ドライブとしての利用は難しそうだ。
ライバルの家庭用ゲーム機「プレイステーション 3」は標準構成で次世代DVD(Blu-ray Disc)の再生に対応するが、Xbox 360は外付けドライブを導入することで次世代DVD(HD DVD)に対応する。次世代DVD再生環境として両製品を価格面から比較すると、プレイステーション 3は4万9980円、Xbox 360は廉価版の「Xbox 360 コア システム」(2万9800円)とHD DVDプレーヤーを組み合わせると5万590円となり、ほぼ同等といえる。
プレイステーション 3については、異例の発売前価格改定によって価格が大幅に引き下げられたということもあるが、Xbox 360もHD DVDドライブを本体に内蔵すればまだコストを下げる余地があるように感じられる。Xbox 360も内蔵ドライブをHD DVD化する可能性はあるだろうか。
「HD DVDドライブのコストダウンとHD DVDビデオタイトルの充実が、今後どれだけ進むか次第だと考えている。ゲームしかしないユーザーへHD DVDビデオの再生環境を提供することでコストアップになってしまっては問題だ。まずは外付けドライブを提供することで、“選べる環境”を提供したい」(真田氏)
真田氏はXbox 360をあくまでもゲーム機として楽しんでもらいたいという考えを説明する。Xbox 360の出力インタフェースにHDMIがないのは残念だが(D5まで)、市販されているHD DVDプレーヤー、東芝「HD-XA1」の実売価格は8万円前後(ITmedia Shopping調べ)であり、Xbox 360&Xbox 360 HD DVD プレーヤーの組み合わせは、現時点で最も安価な「HD DVDプレーヤー」であることには変わりない。
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