PS3の機能を使い切る「リッジレーサー7」の凄さ:「リッジレーサー7」発売直前インタビュー(3/3 ページ)
いよいよ発売されるプレイステーション3。そのスタートになくてはならないタイトルが「リッジレーサー」シリーズだ。今回は、最新作「リッジレーサー7」のディレクターである小林賢也氏と、アソシエイトプロデューサーの寺本秀雄氏の両名にその魅力を聞いてみた。
――初心者でも簡単に対戦ルームに入れる仕組みというのはあるのでしょうか。
小林 そうですね。「どこでもOK」という選択肢がありまして、これを選ぶと現在開催されている対戦ルームのうちのどこかに自動で入ることになります。
寺本 対戦ルームを検索することもできまして、そのときにレースレベルという指標が表示されます。そこで自分に合わせた対戦ルームを選んで入っていくということもできますね。
小林 対戦ルームを立てるときは、最初に「ワイワイやろう」や「真剣勝負」といったプレイスタイルというものを選ぶのですが、「ワイヤイやろう」の部屋に入ると初心者でも楽しめると思いますね。
――「リッジレーサー7」で初めてオンラインゲームをプレイするという人も多いと思いますが、どのように楽しんでもらいたいですか?
寺本 とにかく走ってもらうのがいちばんいいかなと思いますね。実際にオンラインバトルにつなげると、ライバルが予想外の動きをしたりということもありますし、やはり生の人間と戦っているんだなというところを感じてほしいです。世界中のみんなが集まってワイワイ楽しんでいる感じ、というのをまず体験してください。オンラインバトルポイントを賭けないということもできますので、そうすると何も失うことなく楽しめると思いますよ。負けても名声が下がったり、お金が減ったりすることはありませんので。
小林 ゲームとしてはそれほど敷居の高い物ではないですし、ただ走るだけでも十分に楽しいので、気軽に参加して頂きたいと思います。
寺本 今までのリッジをプレイしていても、基本的に自分の走りしか分かりませんでしたよね。でもオンラインにつなげることで、世界にはこんなに速く走る人がいるんだというような、驚きも感じてほしいですね。タイムアタックのランキングでゴーストをダウンロードしてきたときなどは、開発している僕たちもビックリすることが多いです。
――対戦を無料で遊ぶことが出来るのも大きいですね。
寺本 今回、PS3というハードが世の中に出て、かなり多くの人がオンラインにつなぐというときに、とにかく気軽に遊んでほしかったんです。「リッジレーサー7」はローンチタイトルということもありまして、初めてオンラインゲームをプレイする人にも遊んで欲しいということで無料にしています。こうやって新しいハードが出て、ローンチタイトルで遊ぶというのは、ある意味お祭りじゃないですか。そういう意味では「ご祝儀だ!」という気持ちもあります(笑)。
――「リッジレーサー7」は世界初の1080P、60FPS対応のゲームということになります。
寺本 なぜ1080P、60FPSに対応したかといえば、やはりPS3の能力を最大限に引き出すという目標がありますから、今PS3が出せる最高の信号で作りたかったというのがありますね。結構ギリギリまでできるかどうか分からず、プログラムやデータを調節して、東京ゲームショウの直前くらいに、これで行けるという確信が得られました。ゲームショウのときに「1080P、60FPS」というプレートがあったと思うのですが、あれは前日に作りましたから(笑)。
小林 これに関しては、プログラマーとデザイナーにすごく感謝しています。本当にみんな日々徹夜で取り組んでくれた結果です。
――PS3のコントローラに搭載されているモーションセンサー(傾き、加速度検知)にも対応しています。
小林 提供される仕組みは全部使う、というのが我々のモットーですから(笑)。モーションセンサーがあるなら、当然それを使おうと。モーションセンサーは、まずステアリングとして設定できます。また、ステアリングを方向キーやスティックに割り当てているときは、コントローラを傾けることでカメラを動かして周囲を見ることができます。あと、コントローラを前後に振ると、シフトチェンジをすることができます。これはちょっと実験的な趣が強いのですが(笑)。とにかく、傾きと加速度検知の機能を全部使ってお客様に体験していただこうということです。
寺本 スタート前にカメラを動かして周囲を見ると、他の車がどんなカスタマイズをしているのかが分かるので面白いですよ。ゆっくり走ってもらって、カメラを動かしてコースがこんなところまで作り込まれているんだというのも見てほしいですね。シフトチェンジの操作はちょっと無理があるかもしれませんが、PS3の全機能を使い切ろうという気持ちを買って頂きたいですね(笑)。
――アジアをモチーフにした新コース(2つのロケーション、全6コース)についても教えて下さい。
小林 初めに、PS3のグラフィックパワーを活かせて、かつ過去シリーズにはないロケーションにするという目標を立てました。その中でベストのロケーションはどこか、企画とビジュアルスタッフを含めた話し合いを行い、巨大瀑布をランドマークに据えた大自然のロケーションと、新旧様々な建物と工場などが渾然一体となったアジア風の雑多な都市、という2つのロケーションに絞り込まれました。
寺本 それはテクスチャの解像度を高くすることができるということや、解像度を高くしても奥の方まで表示できるというPS3のパワーが分かってきたので、こういうモチーフも出来るのではないかということがありました。木や竹の質感、看板の汚れ具合など、今までできなかったことがPS3で出来るようになりました。
――最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。
寺本 「7」は本当に自信作です。ローンチでリッジというのをここ数年やってきたので、正直「また?」って思っていらっしゃるプレイヤーの方もいるかもしれません。でも、今回PS3に向けて作ってきた「リッジレーサー7」は、新しく・今までになかった世界を表現できたソフトだと思っています。カスタマイズやオンラインは本当に面白いですし、PS3ならではという要素も多いので、去年「6」をプレイした方にもぜひ遊んでいただければと思います。
小林 ここ数年の集大成と言えますね。ボリュームもありますし、PS3ならではのオンラインバトルもあります。ハードのベンチマークになるようなゲームが出来たと思っていますので、ぜひ買って頂いてPS3のすごさを体感して頂ければと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「エクストリームバトル」と「オンラインバトル」に見る新たな世界――「リッジレーサー7」
発売がいよいよ目前に迫ったプレイステーション 3「リッジレーサー7」。今回は「エクストリームバトル」と、世界中と戦える「オンラインバトル」について解説するとともに、新しい“リッジサウンド”についてもご紹介しよう。 - 新たなモード、新たな試み、新たなリッジ――「リッジレーサー7」
5月に行われたE3で発表されたプレイステーション 3のための「リッジレーサー」シリーズ最新作にはハードと同様、さまざまな“新しい”が詰まっている。 - E3 2006「リッジレーサー」開発者インタビュー:「ありえるありえなさ」を追求する「リッジレーサー」の未来
ハードの機能をフルに使用するさまざまなトライアルを責務とする「リッジレーサー」最新作がPS3での発売を明らかにした。「やっぱり来た」リッジの今を、プロデューサーである寺本秀雄氏へ聞いてみた。 - 東京ゲームショウ2006:ガンダム、リッジ、アイドルマスター、そしてケータイゲームまでてんこ盛り――バンダイナムコゲームスブース
発足後初の東京ゲームショウを迎えたバンダイナムコゲームスブースでは、PS3のローンチタイトルでもある「リッジレーサー7」、「機動戦士ガンダム Target in Sight」をはじめ、PS2、PSP、ケータイゲームと幅広いジャンルに渡り数多くのゲームが展示されていた。 - 「リッジレーサーズ2」レビュー:PS3版の事前予習は全部入りで! 大ボリュームアップして登場した「リッジレーサーズ2」
斬新なニトロシステムを搭載し、新たな「リッジ」として誕生した「リッジレーサーズ」。あれから1年9カ月後に登場した「リッジレーサーズ2」は、新コースと新モードが追加され、「リッジレーサーズ大増量版」とも言える内容に仕上がっている。 - PS3「リッジ」と「ガンダム」を購入すると……?