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手のひら世界で繰り広げられる、自らの領土を取り戻す戦い「エースコンバットX スカイズ・オブ・デセプション」レビュー(2/2 ページ)

プレイステーション時代から発売され続け、絶大な人気を誇るフライトシューティングゲーム「エースコンバット」シリーズ。PSPというハードで、主人公の駆る機体はどんな活躍を見せるのだろうか。

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迫力あるワイド画面で、自分だけのチューニングを施した機体で空を駆る快感

 これまでにない新要素が積極的に取り入れられている本作だが、その1つに架空機体のチューニングがある。従来であれば、機体を購入した後は特殊兵装を追加する程度で、それ以上のカスタマイズ要素はほとんどなかった。これが今回、架空機については各機体ごとにエンジンやウェポンなどを取り付けることが出来るため、より自分色を強く打ち出すことができる。

画像画像 チューニングしたい機体を選び、その後にパーツカテゴリを選択してパーツを装着することに。どんなチューニングを施すかで、その後の戦いが大きく変わってくる

画像 ハイパワーのエンジンを積むとスピードはアップするものの、代わりに旋回性能が落ちる。どの程度まで妥協して新パーツを搭載するかが、プレーヤーの腕の見せ所だ

 チューニング時には機体の特徴が棒グラフで表示され、装着するパーツにより各種能力が増減していく。高性能なエンジンを積めば、スピードが出るようになる代わりに、機体の重量が増して旋回性能などが落ちるといった具合だ。ここでは、各プレーヤーごとの判断が重要になってくると言えるだろう。どの能力値も平均になるようなチューニングの仕方では、あまり役に立たないと思う人もいるかもしれない。しかし、飛行機にとって一番大事なことはバランスなのだ。それを無視し、どこか1カ所だけ突出した能力にしてしまうと、厳しい戦いを強いられるかもしれない。

画像 多数の敵機に囲まれると“詰み”状態に。そうならないように操縦して、1対1の戦いに持ち込みたい

 ただし、全体の難易度としてはそれほど高くなく、これまでのシリーズをプレイしたことがある人ならば、中盤過ぎまでは苦労せずに到達できるだろう。正面から飛んでくる敵も高度さえ合わせておけば、射程距離内に入った瞬間にロックオンして撃つと、ほぼ100%の割合で撃破できる。とはいえ、シリーズ恒例のトンネルもあるので、終盤はかなり苦戦することは間違いない。特に、複数の敵機に囲まれると逃げるのに精一杯で、ロックオンしている暇もないほど。というか、中盤を過ぎたあたりから、敵の思考ルーチンが突然賢くなったように感じたのだが……。対処方法としては、良い機体を購入してチューニングを施し、敵を上回る華麗なテクニックで飛べば良いだけなのだが、実際に実行するとなると一筋縄ではいかないもの。

 こうして逃げ回っているうちに、気づけば体ごと敵弾を回避している自分に気づくかもしれない。PSPなので、ゲームをしていてつい体が動いてしまうわけだ。イスなどに座ってプレイしていると、アナログパッドを手前に倒して機体を上昇させながら、ついつい仰け反ってしまう人もいるかもしれない。しかも、本体を握りながらのプレイなので、PS2版で遊ぶよりも一体感を感じられる。電車の中で遊びながら帰ったのだが、夢中になりすぎて周りが見えなくなり、危うく乗り過ごしそうになったこともしばしば。

画像 リプレイ画面では、どのカメラアングルを選んでいるかが画面左下のアイコン位置で判別可能になった。ワイド画面で見ると、迫力が全然違う

 その液晶モニタもワイド画面なので、4:3のテレビ画面でプレイするよりも迫力がある。見える範囲も広く、一度に把握できる情報量も多いため、快適にプレイできるのもうれしい。ミッションをクリアしたあとのリプレイ画面も、毎回感心するようなアングルで映し出してくれるので、これもワイド画面でじっくり見られる。

「エースコンバット」ファンなら絶対長く遊べる1本に

 「エースコンバットX スカイズ・オブ・デセプション」は、「エースコンバット」シリーズが好きな人には文句なくオススメできる作品に仕上がっているが、いくつか惜しいところも見受けられた。中でも、メディアがUMDであることが影響しているのは分かるのだが、ブリーフィング前や出撃前のロード時間が長いのが残念だ。

 もう1つ気になったのが、機体があまり重厚に見えない点。PSPの性能がプレイステーションとプレイステーション 2の中間くらいだからなのだろうが、若干安っぽく見えてしまった。効果音もちょっと軽めに聞こえるような気がするため、敵機を落としたときに耳で楽しめないように感じられた。とはいえ、音に関しては個人差があるだろうし、プレイに熱中していれば見た目も気にならない。むしろ、「エースコンバット」シリーズの本質はそんなところにあるわけではなく、機体や動きのリアルさと、ゲームらしい爽快感が同居している部分だといえる。そこに関しては、本作もしっかりと受け継いでいるので、まったく問題ないと太鼓判を押そう。

 PSPを持っているけれども、遊ぶゲームがない……という言い訳は、もはや過去のモノ。これからは手のひらの中で大空を飛び回り、オーレリア連邦共和国に平和を取り戻す日々が始まるのだ!

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