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2007年は爆発的なスタートを切りたい──ガンホー森下社長インタビュー(2/2 ページ)

ポータルサイト「ガンホーゲームズ」の始動、そしてポータル事業をになうガンホー・モードのサービス強化など、2006年は事業面ではあわただしかった1年。2007年の展開について、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの森下社長に話を聞いた。

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――ちょうど「ECO」の海外進出に関するお話が出ましたのでお伺いしたいのですが。「ECO」の海外市場でのサービス第1弾が韓国というのは、どいうった理由からなのでしょうか。グラビティから「ECO」をぜひという指名があったのでしょうか?

森下 それに関しては全く何のこだわりですとか、特別な理由はないです。パートナーであるグラビティとは非常に長い付き合いですので、その関係を生かしていきたいとは思いますが、あくまで偶然話が進んだというだけです。

――オンラインゲームだけで見ますと、欧米とアジア圏、アジア圏の中でも日本というのは、好まれるテイストが全く違います。それに合わせてどう展開されていくつもりなのでしょう。

森下 「グランディア」についてはすでに北米市場で実績がありますし、王道的RPGですので、欧米がターゲットになるでしょう。「ECO」はご覧のとおりアジアマーケットを中心に、「北斗の拳ONLINE」は原作のテイストを考えたら、中国を中心とした地域が期待できるでしょうね。

画像 エミル・クロニクル・オンライン

――「ECO」ですが、「暮らす」、「ハートフル」、「生きる」といった、いかにも日本人受けするものがテーマとなっています。2005年末のアップデートで実装された「モンスタースタンプ」なども、コレクター気質をくすぐる内容といいますか。一般的に韓国のプレーヤーはレベリングや競争を好むといわれている中で、「ECO」最大の特徴がそもそも受け入れられるのでしょうか?

森下 その点は我々も実は注目しています。確かに一般的に韓国プレーヤーは競争やPvPなどを好むと言われてはいますけれど、実際のところはどうなのかというのは、まだまだ分かりません。韓国のプレーヤーが全員“癒し”を必要としてないわけでもないでしょう。

 我々は「ECO」に関して言えばデベロッパーですが、ROを始め海外からのタイトルを抱えるパブリッシャーでもありますから、パブリッシャーの気持ちは非常に良く分かります。国ごとに好まれるゲームの傾向は確かにありますので、求められればローカライズ・カルチャライズは柔軟に対応していきます。今はその韓国市場の反応を知るためにも、とにかく無事にスタートさせていく方が大切だと考えています。

――クローズドβテストの時期が、注目度のより高い「World of Warcraft」(以下、WoW)のオープンβテスト、さらには「ラグナロクオンラインII」(以下、ROII)のクローズドβテストと時期が近くなっています。その中で国産タイトルの「ECO」が頭一つ目立つのは、大変難しいのではと個人的には感じていますけれど、そのあたりはいかがでしょう。

森下 それはほとんど気にならないですね。パッケージゲームの場合は、どちらか1本しか買えない……という金銭的な問題が出てきますから、発売時期は大変重要ですけれど、オンラインゲームはまず品定めしてもらえるものですよね。むしろ競合タイトルがたくさんあれば、オンラインゲームそのものに対して、「やってみようかな?」と間口が広がるきっかけになるはずです。「WoW」は世界的に人気の高いタイトルですけれど、「ROII」にもない「WoW」にもないECOらしさ、ECOの長所というのは必ずプレーヤーに伝わる自信があります。

――少し話を戻しまして、御社が「ラグナロクオンライン」(以下、RO)のサービスを始めた当初に比べて、MMORPGのタイトルは驚くほどにその数を増やしました。オンラインゲーム業界に参入してくるメーカーも国内外を問わずに増え続けているわけですが、その中でどのようにして差別化を図っていくつもりか教えて下さい。

森下 個々のタイトルではなくメーカーとしての差別化をお話させていただきます。まずサービス面で言いますとガンホーグループは家庭用ゲーム機も、モバイルゲームもオンラインゲームも提供できる。面白いと思うことをさまざまな形で提供できるメーカーであるということが一点。また、ユーザーさんに直接関わる点では、お客様がコンテンツに対してただお金を支払うのではなく、安心して遊んでいただくために、電話サポートを用意しているところですね。サービスとサポートの両方において、きめ細かな対応ができるよう心がけています。

――ビジネス面でいいますと、各社のタイトルが基本プレイ無料・アイテム課金にという形になりつつありますが、今後はこれが主流になっていくと思われますか。

画像

森下 アイテム課金については、ビジネスモデルとしては成立しているのかなと思います。おっしゃるように各メーカーがこぞってアイテム課金を最近は採用していますが、それがユーザーさんに受け入れられていて、コンテンツそのものを面白いと思って下さっているならば、何も問題はないと考えています。

 2006年末に始まったROのアイテム販売については賛否両論ありましたが、実際には好評をいただいています。初めての試みでしたので販売前にはユーザーの皆様の声を聞いて価格を検討しなおしたりもいたしました。特にROは2002年にサービスがスタートし、今年で5周年を迎えます。サービス期間が長くなればなるほど、古くからのプレーヤーと新規プレーヤーの間にレベル格差が広がっていると思いますので、その差を埋めるためにも、アイテム販売は必要だったのです。

――では最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

森下 2006年には新規タイトルを送り出すことができませんでしたが、今年は「グランディアオンライン」、そして「ラグナロクオンラインII」や「北斗の拳ONLINE」といった大型タイトル3本をリリースしていく予定です。2007年も新たなことに挑戦し続けていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。



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