息を飲むほどに圧倒的なグラフィックをひっさげて、PS3に“バーチャ”見参!:「バーチャファイター5」レビュー(2/4 ページ)
プレイステーション 3ソフトとして「バーチャファイター5」が登場した。アーケードの興奮をそのままにハイクオリティで迫る“バーチャ”最新作は、次世代機の力を存分に堪能できる作品に仕上がっている。
驚異のグラフィック、納得の移植度
まず本作を手にとり驚かされるのは、やはりそのグラフィックだ。初代「バーチャファイター」に感動をしたのがひと回りほど昔のことなのだが、当時はあのカクカクのポリゴンでも十分に鮮烈で十分に衝撃的だった。画面上に3D空間があることだけでも“凄い”ことだったのだ。
その後の続編で進化し続け、常に我々を驚かせてくれた「バーチャファイター」シリーズは、本作でもやはり確実に、そして格段に進化を遂げている。各キャラのデモ画面における表情の豊かさ、毛穴まで見えそうなほどに描き込まれたディテール、そしてプレイ画面における髪の動き、服の動き、肌の光沢や汗の表現などは、1世代前の「VF4」と比べても隔世の感があるほどだ。仮に続編が進んでいくとして「バーチャファイター10」くらいになると完全に架空の人間としてビジュアルが完成してしまうのではないかと思うほどに、そのリアルさは徹底的に追求されている。
また、そのリアルなビジュアルを支えているのがプレイステーション3という次世代機そのものだろう。本作をプレイしてみると「この描画クオリティはプレイステーション2なら確かに不可能だよなあ」と思うことが何度もあった。家の中でこれだけのクオリティのゲームが遊べることを素直に喜びたい。今後の格闘ゲームは本作よりも更に描画の細かいものが出てくるのかと思うとわくわくしてしまうくらいだ。
ファンなら気になるのが「アーケードからの移植度はどうか」という点だと思うが、筆者の感覚で言わせてもらえば「申し分ない移植度」だと言える。AC版「VF5」の腕前は中級者の毛が抜けた(“毛が生えた”の逆の表現としてご理解いただきたい)くらいではあるが、根っからのウルフ好きな筆者は、とにかくウルフで色々な技を検証してみた。結果としてはアーケードと同じ感覚で技が出せるしモーションの劣化らしきものもほとんど感じられなかった。プレイ感も全く損なわれていない。移植作としては及第点だと言って差し支えないだろう。
ただ、純正コントローラでの操作感覚がアーケードでの操作感覚と異なる点は、「VF」シリーズ共通の悩ましいところだ。特にアーケードにおけるスティックをグリッと半回転もしくは1回転近く回すような操作、パンチ、キック、ガードの3ボタンを同時に押すような操作などは、純正コントローラでは非常にやりにくい。コントローラ設定でLボタンやRボタンにパンチ+キック+ガードを割り振るなどして少しでもやりやすくする、という手はあるが、やはりアーケードの操作性を再現したいのならば「バーチャスティック ハイグレード」などの周辺機器を使用するべきだろう。
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