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3Dオンラインコミュニティ「Home」で実現する「GAME 3.0」――WWS社長フィル・ハリソン氏基調講演(3/3 ページ)

北米サンフランシスコで開催しているGame Developers Conference 2007の基調講演に立ったWWS社長フィル・ハリソン氏は、新たなビジョンを体現したユーザーコミュニティ「Home」を、2007年秋から順次PS3の販売地域に向けて展開していくと発表した。

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コミュニティベースの新タイトル「LittleBigPlanet」

 また、GAME 3.0のコンセプトをベースに開発されたプレイステーション 3向け新タイトル「LittleBigPlanet」も発表された。フィールド内に仕掛けられた様々な謎を解きつつ、ゴールまでたどり着くという内容のパズル系ゲームだ。

 ただ、LittleBigPlanetは、与えられたフィールドを淡々とクリアしていくだけのゲームではない。ゲーム中のフィールドは、プレーヤーが自由にカスタマイズできるようになっている。例えば、ゲーム内に新しい物体を置いたり、壁面や床に好きな画像を貼り付けたりできる。それだけでなく、フィールド内に新たな障害物を設置するなどして、当初とはまったく異なる内容のフィールドに作り替えることも可能となっている。しかもそのカスタマイズは、専用のカスタマイズツールを利用して行うのではなく、ゲームをプレイしている状態でいつでも行える。ゲームプレイとカスタマイズの垣根が取り払われ、いつでもカスタマイズが可能になっているのだ。

 プレーヤーは、ゲームをプレイしながら、物理法則による物体の動作を学んでいき、その中で思い立った謎をその場で作りつつ試していける。それによって、ゲームの内容もどんどん変化していく。これによって、ゲームプレイだけでなく、ゲーム製作の体験もできることになる。自分でカスタマイズしたフィールドは、プレイステーションネットワークに用意されるLittleBigPlanetのコミュニティスペースにアップロードし、他のプレーヤーに公開できる。もちろん、他のプレーヤーが公開しているフィールドをダウンロードしてプレイすることも可能。LittleBigPlanetコミュニティでは、公開されているフィールドがダウンロードプレイ数に応じてランキングされるため、カスタマイズの意欲も高まるだろう。

 また、LittleBigPlanetのもう1つの特徴となるのが、複数のプレーヤーとの協力プレイが基本スタイルと考えられているという点だ。ゲーム自体は1人でも楽しめるが、複数ユーザーで協力することで、より楽しみが増えるパズルも多数用意されている。必然的にオンラインでの協力プレイでなければLittleBigPlanetの本質的な楽しみが味わえないことになる。カスタマイズしたフィールドを他のプレーヤーにプレイしてもらうという楽しみも含め、コミュニティがどんどん拡がっていく。そのため、LittleBigPlanetはコミュニティベースのタイトルと位置づけられている。

 このようにLittleBigPlanetは、与えられたものをプレイするだけでなく、プレーヤーがゲーム内容自体を自由にカスタマイズし、それをネットワークを通して世界中のユーザーと共有できるという、まさしくハリソン氏が語るGAME 3.0のコンセプトを具現化したタイトルである。2007年秋にデモ版がプレイステーションネットワークで配信され、2008年に正式版が登場するそうだ。これまでにないまったく新しいゲームの体験ができるという意味でも、非常に楽しみなタイトルと言っていいだろう。

LittleBigPlanetのキャラクターは、クマのようなぬいぐるみ。ゲームの中の世界はほとんどが布でできている
このように、プレーヤーがゲーム内を自由にカスタマイズできる。基調講演では4人での協力プレイも実演してみせた
カスタマイズしたコースのアップロードやダウンロード、多人数による協力プレイなどでコミュニティが拡がっていく



 これら新サービスや新タイトルに加え、ヨーロッパを中心に人気のミュージックゲーム「singstar」のプレイステーション 3版で加えられる楽曲ダウンロードサービスやムービー共有サービスなどが、GAME 3.0世代の具体例として紹介された。

 最後にハリソン氏は、「GAME 3.0世代は、創造性、カスタマイズ性、ネットワーク、コミュニティ、コマースなど様々な要素が組み合わさることで、全く新しい経験が提供される世代になる」と改めて語りつつ、会場に集まったゲーム開発者に対し、新たな視点でゲーム開発に取り組むようエールを送って基調講演は終了した。

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