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オヤジに訪れた三度目の“なつやすみ”は、懐かしくて、やさしくて、ちょっぴり切ない「ぼくのなつやすみ3 -北国篇- 小さなボクの大草原」レビュー(2/3 ページ)

待ち焦がれていた、あの“なつやすみ”がやってきた。少年時代に過ごした夏休みを情感豊かに再現した「ぼくのなつやすみ」のシリーズ最新作が、実に5年ぶりに登場。PS3によって映像とサウンドの表現力が一段と高まり、遊びの幅も広がった今作をプレイすれば、子供の頃の思い出が鮮やかによみがえってくる。

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昆虫採集、魚釣り、王冠集め、ゴム跳び……遊びきれないほど“遊び”がいっぱい

 “ぼくなつ”シリーズでは、昭和50年頃の子供の遊びが当時そのままに再現されているが、今回の「ぼくのなつやすみ3」はゲームの中でできることがとにかく豊富。何といっても、虫取り網でさまざまな種類のチョウやトンボを捕まえて昆虫標本を作ったり、クワガタなどの甲虫で虫相撲をしたり、川や湖で魚釣りをするなど、豊かな自然を肌で感じられるような遊びがいっぱい詰まっているのがいい。

画像 昆虫採集は“ぼくなつ”定番の遊びのひとつ。ゲーム中で捕獲できる虫の種類は全部で128種もあり、中には北海道にのみ分布する珍しい虫もいる。また「2」と同様に、虫を生きたままでも標本箱に入れておける
画像 甲虫が集まる木を調べてみると、クワガタやカミキリムシなどを見つけることがある。これらの虫を虫かごにキープしておいて、地元の子供たちと虫相撲で遊ぶことができる
画像 虫相撲で10勝した虫には、2つの言葉を組み合わせて“通り名”を付けられるようになる

画像 水辺では、おじいちゃんから借りた釣り竿を取り出して魚釣りができる。場所によって釣れる魚が違うので、どのような仕掛けや餌が最適かを試行錯誤するのもまた楽しい
画像 大きな魚を釣ってくれば、おばちゃんが料理してくれると言うのだが…?

 さらに「2」にもあったサイダーの王冠集めや水泳に加え、今回新たに草すべり、ゴム跳び、アルプス一万尺の手合わせ遊び、そして俳句まで取り入れられた。遊びのほかにも、ツバメのヒナたちが無事に巣立つまで見守ったり、おじいちゃんが趣味でやっている家庭菜園の水やりを手伝ったり、地元の子供たちと肝試しや七夕に参加するなど、さまざまな体験や行事が用意されている。やることが尽きないくらいにあるので、夏休みの間じゅうひたすら遊び回ることができそうで、なんだか子供のようにわくわくする。

画像 各所を調べると、サイダーの王冠が見つかることがある。王冠の種類は全50種で、それぞれに世界各国の国旗が描かれている。また、王冠を多く集めるほどボクくんのライフゲージが上がっていき、水泳や素潜りの際に息継ぎをしなくても長く潜っていられるようになる
画像 タンバリンの音に合わせてタイミングよく○ボタンを押す「ゴム跳び」。子供の頃、女の子の遊びに混じるのが何となく気恥ずかしかったのを思い起こさせる
画像 牛乳の集荷で吉本牧場に毎日やってくる“裕美”おじさんは、俳句を教えてくれる。おじさんが詠んだ句を並べ替えてボクくんが俳句を作ると、評価と採点をしてくれるのだが、その観点がいろんな意味ですごい……

画像 どこへ行こうと何をしようと、ボクくんの自由。夕方6時になると、どこにいてもおじちゃんが迎えに来てくれる

 これだけたくさんの要素が詰め込まれた世界で、プレーヤーであるボクくんは一日中、どこに出かけても何をしてもかまわない。朝ご飯を食べてから日が暮れるまでの間と、夕食後から就寝まで、特定のイベントがない限りは制約を受けることなく気ままに過ごすことができる。虫が好きならひたすら野山を駆け回って虫を追ってもいいし、大物を釣り上げるべく川や湖を回って釣りに徹するのもいい。遊びの幅が広がったことで、今回の「3」は過去のシリーズ作以上に自由度が高く感じられる。また、日が経つにつれてボクくんの行動範囲が少しずつ広がるようになっているところにも工夫が見られる。

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