新型「PSP-2000」徹底検証――機能編(2/2 ページ)
前回は新型PSP「PSP-2000」のハード面を中心にチェックしたが、今回は映像出力やワンセグ受信機能など、PSP-2000で追加された新機能を中心にチェックしていこう。
ワンセグチューナー
次にワンセグについて見ていこう。PSP-2000用の周辺機器として用意されるワンセグチューナー「PSP-S310」をUSB端子に取り付けることで、ワンセグ放送の視聴が可能となる。
PSP-310は、サイズが幅55ミリ×奥行き31.8ミリ×高さ14.2ミリで、重量が約17グラム。本体にはロッドアンテナと、外部アンテナへの接続端子が用意されている。ロッドアンテナは3段階に伸縮可能。また、外部アンテナ端子に接続する外部アンテナの用意は現時点では予定されていない。
PSP-2000への取り付けは、USBコネクタに差してネジで固定するという、これまでに発売されているGPSレシーバーやカメラなど、各種USB周辺機器と同じだ。PSP-310の本体サイズは十分コンパクトかつ軽量だが、PSP-2000に取り付けると若干かさばる印象を受ける。また、USBコネクタとネジ1本のみでの固定となるため、取り付けたままでカバンに入れると、外からの力でUSBコネクタが損傷する危険性が考えられる。ワンセグチューナーは取り付けたまま持ち歩くのではなく、使うときに取り付け、見終わったら外すようにしたほうがいいだろう。
ワンセグ放送の視聴は、クロスメディアバーに用意される「テレビ」メニューから行う。別途視聴用ソフトをインストールするといった作業は必要なく、システムソフトウェアにワンセグ機能が盛り込まれている。ただし、チャンネル情報などを保存する必要があるため、ワンセグ機能を利用するにはメモリースティックDuoが必須となる。
一方、PSP-1000のシステムソフトウェアにはワンセグ視聴機能が盛り込まれる予定はなく、PSP-1000にワンセグチューナーを取り付けたとしてもワンセグ放送の視聴はできない。これは、グラフィックまわりの仕様変更(詳細は不明だが、著作権保護関連の仕様変更か)が原因のようだが、従来のPSPを持っているユーザーにとっては残念な部分だ。
ワンセグ機能で可能なことは、ワンセグ放送の視聴と字幕の表示、多重音声切り替え、番組表や番組情報の表示など。録画機能やタイムシフト機能、データ放送の表示などには未対応。つまり、基本的なワンセグ方法の視聴のみが可能というわけだ。携帯電話のワンセグ機能では、録画やデータ放送の表示に対応しているものも多く、機能的にやや見劣りする。とはいえ、録画を実現するには大容量のメモリースティックDuoが必要になることや、著作権保護に関しての調整などがあるために、現時点での対応を見送っているだけだろう。特に録画の実現はそれほど難しくないと思われるし、大容量のメモリースティックDuoも安価に購入できるようになっているため、将来のシステムソフトウェアのアップデートによってサポートされていくことを期待したい。
ワンセグ放送の受信感度は、比較的良好だ。ITmediaが入居するオフィスビル内で試した限りでは、窓から10メートルほど中に入った場所でも問題なく受信可能だった。もちろん、環境によって受信できるかどうかは大きく変わってくるため、どこでも同じような結果になるとは言えないものの、携帯電話に搭載されているワンセグ機能と比較すると、同等もしくは若干良好な感度が実現されているように思う。
また、表示品質も特に問題ない。全画面表示にしても特に荒さが目立つこともなかった。画面サイズが大きいこともあり、画面の見やすさは携帯電話のワンセグ機能よりも明らかに上だ。
ちなみに、チャンネル設定は、地域メニューからの選択か、全チャンネルサーチのどちらかで行う。ただ、全チャンネルサーチには4分ほどの時間がかかったため、基本的には地域メニューから自分の視聴する地域を選択した方がいいだろう。
ソフトの起動時間
最後に、UMDで提供されているPSP向けゲームソフトの起動時間をチェックしてみた。PSP-2000では、UMDの読み込み速度が高速化され、ゲームソフトによっては読み込み時間がかなり短縮されると発表されている。そこで、PSP-2000とPSP-1000でゲームソフトの起動時間に差が出るのか、実際に試してみた。
利用したソフトは、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「ワイルドアームズ クロスファイア」と、カプコンの「モンスターハンター ポータブル 2nd」。それぞれPSP-1000とPSP-2000を利用し、クロスメディアバーから「○」ボタンを押して起動した瞬間からスタートし、「ワイルドアームズ クロスファイア」では「Sony Computer Entertainment」ロゴが表示される瞬間までの時間、「モンスターハンター ポータブル 2nd」はメモリースティックDuoのセーブデータの読み込みが終了する瞬間までの時間をそれぞれ計測した。結果としてはいずれも約30秒程度のタイムとなり、どちらの機種を利用しても、ほぼ同じ起動時間となってしまった。つまり、今回試した2本に関しては、PSP-2000を利用したとしても、ロード時間に劇的な差は生じなかったわけだ。
もちろん、この結果が他のソフト全てに当てはまるわけではない。中には、かなり高速になるソフトも存在していると思われるし、シーンによっては読み込み時間が早いのかもしれない。また今後登場してくるタイトルでは、PSP-2000のUMDドライブに最適化されロード時間が高速化されるものも出てくるだろう。しかし、今回試した限りでは、PSP-2000で実現されたUMDの読み込み速度の高速化に関して、あまり大きな期待はしないほうがいいように感じた。このあたりは、今後の検証によって徐々に解明していきたい。
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