とりあえず4台のDSを持ち寄ろう そこがパーティ会場でありスターを巡る戦場だ!:「マリオパーティDS」レビュー(3/3 ページ)
「マリオパーティ」シリーズ最新作のプラットフォームはニンテンドーDS。複数の本体が簡単につながるワイヤレス環境、多彩なミニゲーム向きのインタフェース、これらを考えれば「マリオパーティ」とニンテンドーDSは非常に相性がいいように思える。そして実際に相性がよかったね、ってのが、まさにこの「マリオパーティDS」なのです。
“マリパ”的で“DS”的な珠玉のミニゲームがギッシリ
モードの充実、手軽な通信プレイも好印象だが、シンプルでありながら熱くなれる各ミニゲームの面白さも評価したい。
ハードメーカーでありソフトメーカーである任天堂は、ニンテンドーDSの特殊なインタフェースをうまく使いこなしたソフトをいくつもリリースしてきているが、本作においても実にさりげなく実にうまくさまざまなアイデアが盛り込まれている。十字ボタンとAボタンで操作するゲーム、タッチペンを駆使するゲーム、マイクに息を吹きかけてプレイするゲームなどのバランスが絶妙で、60種類以上ものミニゲームがあるため、とにかく最初のうちは操作を覚えてプレイするだけでも楽しいだろう。やり込んで各ミニゲームの操作を把握しても、60以上もあればなかなか同じミニゲームを連続プレイすることはないだろうし、苦手なものがあればミニゲームモードで集中練習できるし、遊びの選択肢は幅広い。
ここでは、そんな個性豊かなミニゲームのいくつかを紹介しよう。
4人対戦のミニゲーム。自キャラ以外の3人の写真をより早く撮ったプレーヤーが勝利する。フラッシュの充電に時間がかかるので、シャッターを切るタイミングは慎重に。3D空間を駆けずり回る感覚が楽しいゲームだ
せっけんに乗っかり、ただただぶつかり合うというシンプルなミニゲーム。最後まで洗面台の中で生き残れば勝利する。使うのは十字ボタンのみだ。単純であるが故に負けると妙に悔しいという典型的な例。他の3人の動きをうまくかわして、突き飛ばしちゃおう
2対2できゅうりをスライスする、ただそれだけだ。もちろん早くスライスできた方が勝つ。とにかくタッチペンでタッチスクリーンを左右にこすろう。こすればこするほどシャキシャキときゅうりが切れていくさまが、何だか不思議と気持ちいい
1対3のミニゲーム。1人側はボートを操縦しフェイントをかけて後方の3人を振り落としたい。3人側は十字ボタンを駆使してどうにかフェイントについていかなくてはならない。3人側のプレーヤーが1人でも生き残れば勝利する。十字ボタンのみによるシンプルな操作ながら「うおおっ」と思わず声が出てしまう熱いミニゲームだ
こちらも1対3。1人の方はマイクに息を吹きかけて3人を雪ダルマにすべし。3人の方は雪ダルマにならないように、必死に自キャラの体をこすってあげよう。息を吹きかけすぎて本体を唾で濡らさないようにご注意を
その他のミニゲームも基本的には「一度やれば誰でもルールは把握できる。だからこそ負けたらとっても悔しい!」という従来のシリーズ同様のクオリティで作られている。ニンテンドーDSならではの操作が採用された新しいミニゲームが満載だという点で、シリーズファンにはぜひプレイしてほしいし、初心者でもバッチリついていける内容になっているので、ぜひぜひ周りのDSユーザーに声をかけて、わいわいと盛り上がってほしいところだ。
DSを持ち寄れば手軽にできる、パーティゲームの真打ち
プレイ以外の要素としては「ギャラリー」というモードが存在する。本作では1人プレイをやり込むとマリパポイントがたまっていく。マリパポイントがある程度たまるとフィギュアなどが手に入るのだが、これらを確認できるのがギャラリーだ。ギャラリーでは、フィギュアなどのコレクションの他にも、ストーリーモードで進めたストーリーデモを再生したり、ミニゲームのさまざまな記録を閲覧することが可能。やり込んだ結果がそのまま反映されるので、プレイのモチベーションアップに貢献していると言っていいだろう。
NINTENDO64の頃から「マリオパーティ」に親しんでいるファンなら、本作は間違いなく買いだ。そして、そんなコアなファンでなくても、気軽に多人数プレイができるニンテンドーDSタイトルを探しているなら、本作は十分その候補に挙げてもいい。ニンテンドーDSの普及台数を考えると、DSカード1つで「マリオパーティ」シリーズをがっつり4人で遊べる環境を作ることは容易いように思える。時間があるなら何ターンもかけて回ってもいいし、ちょっとした空き時間ならミニゲーム5つに絞って勝負するのもいい。
また本作の真に良きところは、ミニゲームがいくらうまくても負けてしまう時は負けてしまうし、ミニゲームで負けまくっても最終的に勝つこともある、という点だ。要は他のサイコロを使ったボードゲームがそうであるように、多分に運の要素をはらんでいるシステムが間口を広くしているように思う。根っからのゲーム好きな孫と、脳トレ系しかやったことがないおじいちゃんが勝負しても、実際にどっちが最終的な勝利を得るか分からないのだ。その運と実力のさじ加減がほどほどによく、だからこそやはり「負けると悔しい」という感情を喚起する。今日もどこかで「もう1回! もう1回だけやろう!」と勝者にお願いしている敗者がいるに違いない。
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