金のブロックに泣かされた「アルカノイド」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)
連載第55回は、「アルカノイド」(タイトー)。もともとブロックくずしのリメイクという形で作られたゲームですが、個性的なアレンジで好評を博しました。そして現在に至るまで、このゲーム自体が何度もリメイクされているのです。
手ごわいラウンドにはニューディスラプション
1988年、ファミコン版「アルカノイドII」発売。前年にアーケードに登場した「アルカノイド リベンジオブDOH」に加え、ブロックをレイアウトできる「エディットモード」や、人対人、または人対コンピューターで対戦のできる「VSゲーム」が収録されている。
VSゲームでダイヤルコントローラーを使って2人対戦ができるよう、「アルカノイドII」の付属コントローラーに、「アルカノイド」のコントローラーをつなげることが可能となっている。
「リベンジオブDOH」には、新たなアイテムがいくつか登場する。バウスが2つになる「ツイン」や、バウスが動く際に残像がつき、その残像でもボールを打ち返せる「イリュージョン」など。
中でも特に強力だったのが「ニューディスラプション」。ボールが3個に分裂するのは「ディスラプション」と同じだが、1個ボールを落とすと、別のボールが2個に分裂し、フィールド上のボールは常に3個に保たれる。3個同時に落とさない限り、ミスにはならないのだ。
あと、ボールがブロックを貫通する「メガボール」もすごかった。イモータリティウォールまで破壊できるので、ラウンドによってはたいへん重宝した。
その一方、バウスの長さが半分になる「リダクション」というアイテムもあった。一応、得点が2倍になるという利点もあったが、半分のバウスが苦にならない上級者以外にとっては、マイナスアイテムでしかなかった。
全35ラウンドだが、ボスキャラ戦とラウンド1以外は、それぞれ2種類の配列が用意されている。ラウンドをクリアしたときに左右2カ所の出口が開き、どちらに進んだかによって、次のラウンドの配列が決まる。
動くウォールや、時間がたつと復活するウォールも登場。面数が多いことも相まって、多彩な展開が楽しめる。難度は高いが、コンティニュー(下B右左AA上Bスタート)や、次の面へ進む(前作と同じく、Aとスタート同時押し。やはり16面まで)の裏技も駆使して、存分に味わいたいゲームだ。
1997年には、スーパーファミコン版「アルカノイド Doh It Again」が登場。全99ラウンド。専用コントローラーはないが、マウスに対応している。アンバランス社からPC版も発売されている。
また同年、アーケードに「アルカノイドR(リターンズ)」が登場。画面がそれまでの縦長から、家庭用ゲーム機への移植などを考え、横長に変更されている。同年プレイステーションに移植された。
さらに同じ1997年、「プチカラット」というゲームがアーケードに登場した。ボールを打ち返して宝石をちぎって落とすゲームだが、これが開発当初は「アルカノイドR II」だったらしい(「タイトーステーション」内の「アルカノイドDS」特設サイトによる)。プレイステーション 2の「タイトーメモリーズ」シリーズには、なぜか「アルカノイド」シリーズが収録されていないが、唯一この「プチカラット」だけが、「タイトーメモリーズ 上巻」に収録されている。
「アルカノイド」は携帯電話にも移植されていて、携帯電話版オリジナルの面も豊富にある。また、ドコモの“直感ゲーム”に対応し、携帯電話を傾けてプレイする「直感アルカノイド」もある。
わたしはなぜ豊島区南長崎まで行ったのか?
2007年、ニンテンドーDS用ソフト「アルカノイドDS」が発売された。
ラウンド数は140。「ダライアス」や「ナイトストライカー」のように分岐したルートを選んで、35ラウンドをクリアするのが目的。7つある最終ラウンドに、7つの星の宇宙人が捕らえられていて、彼らを救い出すというシナリオになっている。
また、ラウンドごとに特定の条件をクリアしていく「QUEST GAME」や、ワイヤレス対戦、Wi-Fi対戦モードもある。操作はタッチペン、十字キーのほか、別売の「パドルコントローラ DS」を使うこともできる。
さて「アルカノイド」といえば、最近では“大山のぶ代さんが得意なゲーム”として話題になった。
「トリビアの泉」でも取り上げられたし、「アルカノイドDS」の発売記念イベントでも語られたが、ワンコインで全面クリアできるほどの腕前。しかも、アイテムをできるだけ取るプレイスタイルのせいか、クリア時の得点がかなり高い。
大山のぶ代さんといえばドラえもん、ドラえもんといえば藤子・F・不二雄先生、藤子・F・不二雄先生といえばトキワ荘、という理由で今回は、豊島区南長崎のトキワ荘跡地にやってきたのだ。
……毎回、取り上げるゲームにゆかりのある土地へ行って写真を撮ってるはずなのだが、ここ最近、行く場所とゲームとのつながりが強引すぎる。まあ、実在の土地にゆかりのあるゲームなんて、そうそうないから仕方ないんだけど。
次回は久々に、実在の場所を舞台にしたゲームを取り上げ、その場所へ実際に赴いて、ゲームの世界の雰囲気を実感しようと思う。
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