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“非情な戦争の中の人間ドラマ”を描くチャレンジタイトル「戦場のヴァルキュリア」インタビュー(4/4 ページ)

セガから4月24日に発売されるプレイステーション 3「戦場のヴァルキュリア」は、戦場でくり広げられる人間ドラマを描いている作品だ。いわゆる“シリーズもの”とは異なり、1からチャレンジした作品だが、本作の魅力について、プロデューサーを務めた野中竜太郎氏と、チーフプロデューサーの西野陽氏に話を聞いた。

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ウェルキンとアリシアはボケとツッコミ

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―― 一番思い入れの強いキャラクターってありますか?

西野 わたしはラルゴが好きなんです。分かりやすいキャラクターですよね。最初は「若造の言うことなんて聞けるか!」という態度だったのが、段々と副隊長のようなポジションになってきたりして。ラルゴの心の動き・変化が物語を象徴しているところもあります。ラルゴはいなくてはならないキャラクターですね。彼のエピソードはいろいろとおもしろいのでぜひ見てください。あんな見た目ですが、繊細な心を持っていますので。

野中 わたしはファルディオが好きなキャラクターなんです。彼は彼なりにまじめにいろいろと考えているんですよ。その上で、親友であるウェルキンとすれ違うところも出てきます。同じ隊長でもポリシーが違うこともあるでしょうし。

西野 目標というか、目指すところは同じでも、たどり着くためにはいろいろな方法があるんだよ、ということを、ウェルキンとファルディオの2人が示しているんです。

野中 わたしが彼の立場だったら、同じような考え方をする場合もあると思うんですよ。彼も本来は民族考古学を学ぶ大学生なんですが、その見地から考えると、彼のような考え方もあるのかなと。それはウェルキンと異なる部分も多いんですが、どちらがいい、悪いということは分からないですよね。そのあたりはプレイした方にも考えていただきたいところです。

 ロージーも好きなキャラクターですが、彼女は彼女でいろいろな心の動きがあるんだと思うんですよ。でも、一度言ったことは引っ込められないという性格もありますし。そこには彼女なりの考えもあるでしょう。酒場で歌を歌っていたという、ある意味あけすけな環境で生きてきたので、自分と違う人間に対してどう接したらいいのか分からないところもあるんだと思うんですよね。そういうところも含めて好きですね。

 あとは誰かなあ……。

西野 ウェルキンとアリシアの話がまったく出てこない(笑)。

野中 あ、そうですね(笑)。

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西野 ウェルキンは一見、まじめなしっかりとした人に見えるかもしれないけど、奇人変人ですから(笑)。相当おかしなやつなんで。

 ウェルキンとアリシアってボケとツッコミなんですよ(笑)。アリシアがツッコミで。この関係がおいしいですね。

野中 ウェルキンが「カブトムシみたいでかっこいいよー」と言ったりして。ただ、ほめられてるんだか、けなされてるんだか分からない(笑)。

西野 あの生き物好きはどうかと思いますよね(笑)。でもそれを転じていいことも言ったりするんで、侮れないですよ。アリシアはムードメーカーですよね。一番ギスギスしていないというか。

野中 ウェルキンは見てるポイントが普通の人と違うというか……。アリシアが一番常識人ですよね。故郷を守らなきゃならないとか、目的がはっきりしているところもあって。ただしストーリーを追うに従って、ウェルキンも変わってくる部分もあると思うんですよ。そのところの心の機微を見てほしいですね。ただし、とりあえずは“変わってる人”です(笑)。そのあたりは「こういうやつなんだなあ」と温かく見守っていただければありがたいです。

 ウェルキンはある意味、大局を見ている所ってあると思うんですよ。常識的じゃないところを含めて。アリシアは常識派なので、そのかみ合わせが、なかなかいいコンビとして出ていますよね。

――イサラの人気はないんでしょうか?

野中 本庄さんはイサラ派ですね。あとは上官のバーロットが好きだと言っていました。

西野 わたしもイサラ派ですね(笑)。イサラはああ見えてなかなか頑固なんですよ。「あれ? そうなの?」と思う人もいるかもしれませんが、わたしはあの頑固さがいいです(笑)。すごく意志が強いじゃないですか。ロージーにからまれても一歩も引かないですし。気が弱そうに見えても、向こうを張ってガンガンやりますからね。それがすごくいいと思いますよ。ロージーがキレてしまうと、逆に子どもに見えますよね。そこをラルゴが「まあまあ」と止めるという(笑)。

野中 最初はウェルキンが止めてたんですけどね。

西野 わたしも見ていて「いい加減にしろよ」という気持ちになってる所に、ラルゴが止めてくれるという(笑)。その感じがいいですね。

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――「戦場のヴァルキュリア」はシリーズ化してほしいと思っています。

西野 なってほしいですね。何にしても1作目はチャレンジなので、どれだけ受け入れていただけるかによりますが……。

野中 本作は、ちょっと変わったゲームになってるとは思うんですよ。そういうところを分かっていただけるように努力はしてるんですが、プレイして初めて分かる部分もありますし。テンポが悪いんじゃないかとか、アクションがうまい人はクリアできちゃうんじゃないかとか、いろいろ危惧されている所もあると思うんですが、そこは遊んでいただければ、「なるほど」と言ってもらえるようなゲームバランスになっています。ぜひプレイしていただいて、「2」も遊んでみたいなと……。

西野 声を大にして言っていただければと思いますね。セガへのお便りでもいいんで、ガンガン言っていただきたいですね(笑)。

野中 本作は東京ゲームショウ2007で発表したわけですが、その直後から多くの皆さんに応援のメッセージをいただきました。それをプリントアウトして開発部屋の入り口に張っておいたりして……。開発最後のころに忙しくなり、疲れて心が弱くなった時にはそれを見て「頑張ろう!」と思っていました(笑)。

西野 新規タイトルにもかかわらず、非常に多くの応援をいただいているのはありがたいことです。ぜひこれを今後につなげていきたいと思っていますが、何にしてもこれからなので、なおいっそうの応援をお願いできればと思っています。

 本作はあらゆる意味で“チャレンジタイトル”なんです。プラットフォームは次世代機のプレイステーション 3ですし、映像表現も新しいですし、ゲームデザインも新しい。ドラマの視点としても新しいですし。あらゆるチャレンジが詰まったソフトですが、最終的にはユーザーの皆さんにSTARTボタンを押していただかないと、それをご覧に入れることができません。ぜひ手にとってプレイしてください。まずはそこからよろしくお願いいたします!

野中 まずは、応援してくださっている皆さんに「本当にありがとうございます」と感謝したいですね。皆さんの期待を裏切らない内容になっていると思っています。キャラクターがいいなとか、雰囲気がいいな、といったいろいろな切り口で興味を持ってくださる人もいると思いますが、どこか1カ所が刺さったら、ぜひ手にとってください。よろしくお願いいいたします。

戦場のヴァルキュリア
対応機種 プレイステーション 3
ジャンル アクティブ・シミュレーションRPG
発売予定日 4月24日
価格(税込) 通常版:7980円、リミテッドボックス(限定版)9980円
プレイ人数 1人
CERO B区分(12才以上対象)
(C)SEGA


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