“ヘッドフォン娘”に深い愛を注いだ幻の同人誌が書籍化!――「新・萌えるヘッドホン読本」:今日は何の日? 萌え曜日!
ゴテゴテした無骨な機械であるヘッドフォンが、少女のやわらかな耳をそっと覆い隠している姿にグッとくるものがあると思いませんか? 今回はそんな“ヘッドフォン娘”の魅力を描きつつ、オーディオライターによる本格的な製品レビューが楽しめる「新・萌えるヘッドホン読本」をご紹介。ヘッドフォン、そしてヘッドフォン娘にかける、作り手の深い愛がこもった要注目な作品だ。
無機質な機械・ヘッドフォンと少女の調和に萌える
どうも、雛見沢です。最近、アニメ「マクロスF」の歌をヘビーローテーションで聴いているせいか、音にこだわりたい欲求がふつふつと湧いてきて、性能のいいヘッドフォンを買おうと決意。しかしオーディオ機器には疎い筆者。どれがいいヘッドフォンなのか分からない! そんな筆者の困難に答えてくれるのが「新・萌えるヘッドホン読本」だ。
本書の前身となる同人誌「萌えるヘッドホン読本」は、挿絵に参加した有名イラストレーター陣や、ヘッドフォンに対する内容の深いレビューなど、あまりのクオリティーの高さに発売して即完売、ネットオークションや古本市場では値段が急騰し、幻のプレミア同人誌と称されるようになった。そして今回、ヘッドフォン娘に萌える人やオーディオ機器ファンなど、「萌えるヘッドホン読本」を手に入れられなかった人のために、商業版となって白夜書房から本書が発売されたのだ。
本書では、全41機種のヘッドフォン(+ヘッドフォンアンプ6機種)の製品レビューを、オーディオ機器に精通するライター・岩井喬氏が担当。ヘッドフォンを身に付ける少女たちのイラストは、アニメ「灰羽連盟」の原作者である安倍吉俊氏や、「初音ミク」のキャラクターデザインを手がけたKEI氏など、萌え業界でも有名なイラストレーターたちが手がけている。紹介しているヘッドフォンは、KENWOODやAKG、SONYなど、有名なメーカーや老舗メーカーからセレクト。お手ごろ価格な初心者向けのヘッドフォンから、プロ御用達の超高性能ヘッドフォンまで、幅広く紹介している。
萌えレビュアーとしては、やはりイラストレーターたちが描くヘッドフォン娘の紹介もしなくてはいけない。そこで、すぐ上に掲載されているヘッドフォン娘について紹介しよう。
作者・滝美梨香氏のコメントによると“帰宅後、着替える間も惜しんで音楽を楽しむ女子高生”とある。着替えるよりも早く音楽を聴きたい理由。それはカラオケで彼氏に歌ってやりたいがために、ラブソングに定評のある歌手の新譜を聴き覚えているのか。それとも、大好きな彼が貸してくれたロックバンドのアルバムを聴いて、あした「あの曲良かったよ!」と告げたいがために1秒でも早く聴きこんでいるのか。どっちにしろ、ニヤニヤしながらそんなシチュエーションを妄想する筆者は気持ち悪いと思います。
このように、ほかのヘッドフォン娘でも様々なシチュエーションを妄想させてくれるので、萌え分としてはバッチリ!
レビューやイラスト以外に、アニメ・映画音楽作曲家である川井憲次氏や、バンダイナムコゲームスのサウンドチームのインタビュー、オーディオブランド・STAXでのヘッドフォン製造過程レポートなども新たに追加。同人版から、さらに読み応えのある内容となっている。美少女ゲームブランド・AQUAPLUSの代表・下川直哉氏と歌姫・Suara氏たちが語る、音楽集「Pure-AQUAPLUS LEGEND OF ACOUSTICS-」の制作秘話が掲載されているのも貴重だ。
これまで、“萌える○○辞典”や“萌える○○入門”などの書籍が登場してきたが、レビューやインタビュー、工場見学レポートなどを盛り込んだ書籍は珍しく、読み応えがあった。しかし、“ヘッドフォンとはなんぞや?”のような導入部分が冒頭にあってもよかったのではと感じたり、専門用語や楽曲に対する独特な表現も出てくるので、オーディオ機器素人の筆者には、若干内容が分かりづらい部分があった。
しかし、筆者のように“玄鉄絢氏とえれっと氏が絵を描いてるから!”といったイラストレーター買いする人や、オーディオ機器の評論本として読むファンにとっては大いに楽しめる本書。きっかけはどうあれ、オーディオ機器業界の活力剤となる一冊になるのではないだろうか。
個人的には、楽器と萌えをコラボしたら面白いのではと思う。「萌えるギター読本」なんて発売されたら、喜んで筆者の脳内聖書一覧に加えるのに!
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