生まれ変わったリバティーシティで暮らす幸せ――「グランド・セフト・オートIV」(2/2 ページ)
発売初週で販売本数が600万本を突破した「グランド・セフト・オート」シリーズ最新作が日本へ上陸しようとしている。約7年ぶりのナンバリングタイトルは少し従来のものとは違う。
リバティーシティでの足としては、やはり車が重宝する。シリーズの代名詞ともいえるカージャックは本作でも健在だが、そう簡単に車をちょうだいできるとは限らない。車を奪っても執念深く追いかけてくる者もいれば、反対にボコボコにされる場合もある。最近では防犯意識が高まっているらしく、セキュリティが施された車も増えてきているらしい。車を拝借している現場を通行人に目撃されたら最後、ケータイで通報されてしまうとのこと。
人に個性があるように、車も多種多様登場する。本物と見違えるほどの車やヘリ、ボートや電車など、見た目だけでなく、操作感や挙動、エンジン音、ボディの強度から内部の構造に至るまで、今作の作り込みに妥協はない。ぶつけた部分は当然ヘコむなど、車のダメージ表現もリアルだ。
また、同じ乗り物ならばタクシーも便利になっている。タクシーに客として乗れるようになり、目的地が設定できるようになったのだ。プレイヤーが希望する場所まで運んでくれるので、観光気分で街を探索できるし、割増料金次第では目的地まで一気にスキップもできるとか。すっかり便利になったこのタクシーは、リバティーシティのいたるところで見つけることができるのだが、ケータイで呼び出すことも可能とのこと。
先述している新規要素のケータイは、本作でも需要なアイテム。ケータイを使えば他の人物にいつでも電話をかけることが可能だし、電話をかけたり受けることでミッションが始まったり、トラブルに巻き込まれたり、遊びやデートのアポイントをとったりと、用途は広い。さらにケータイでは、メールも受信できるほか、カメラが搭載されている。壁紙や着信音が変えられたりと、現実のケータイと同様の機能を有することになる。
ちなみに、「IV」において目撃者がいる限り、犯罪行為は即手配につながる。これは、人ごみの中で銃を構えただけでも大騒動に繋がる可能性があることを意味する。前作までの警察官は主人公の居場所を察知して追跡してきたが、本作では彼らも主人公を“目”で捜すことになる。追跡をかわすには、彼らの視界からいかに外れるかが重要となる。犯罪はより現実的な概念となり、現実と同様のリスクを背負うことになったのは大きな進化といえる。自由への代償は大きい……。だからこそ自由の価値は大きいと言いたいのか。
「GTA IV」とは、次なる革新への決意表明である
GTAシリーズは、かつて「III」で1つの転換点を迎えました。表現は2Dから3Dへと革新を遂げ、徹底的に作り込まれた世界観と自由度の高さが、世界中のゲームファンを熱狂させたのです。シリーズは以降「バイスシティ」、「サンアンドレアス」と正当進化を続け、ファンの数を確実に増やしてきました。しかし今作「IV」は、これまでと同じ開発手法はとられていません。プラットフォームを新世代機に移し、表現力は格段に向上しました。しかし開発元であるロックスターゲームスは、単にグラフィックを綺麗にし、世界を広くし、選択肢を増やしただけのGTAを世に送り出そうとはしませんでした。
なぜGTAにはこれまで「IV」が出なかったのか? そしてなぜ今作が「IV」なのか? その意味を考えれば、自ずと答えが見えてきます。それは、進化から“革新”へと踏み出した彼らの決意の現れ。プラットフォームを新世代にするなら、映像表現だけでなく、プレイヤーのゲーム体験そのものを新たなる次元へ引き上げよう。彼らはそう考えたのでしょう。
このナンバリングは、ロックスターゲームスがこのシリーズを再び“革新”することの決意表明なのです。かつて「III」が登場した時に巻き起こった一大センセーションは、このシリーズのみならずゲームシーンそのものに大きな変革をもたらしました。そして今「IV」が、次なる変革を我々に示そうとしています。
初日の販売本数360万本。売り上げのギネス記録更新。現在海外から届くわずかな情報ですら、このタイトルがただのゲームではないことを証明しています。私も「III」以来ずっとこのシリーズの日本語化に携わってきた者として、かつてないほどの期待感を抱いています。一ゲームファンとして、これほどワクワクしているのは久しぶりです。それはきっと、みなさんが抱いている予感めいた期待と同じなのでしょう。「IV」はきっと、何かが違う……。
日本語版の開発はまだまだ始まったばかりですが、ファンの皆さんの前になるべく早く、なるべくそのままの形でお届けできるように頑張っています。是非ご期待ください!!
「Grand Theft Auto IV」(グランド・セフト・オートIV) | |
対応機種 | プレイステーション 3/Xbox 360 |
ジャンル | ボーダレスアクション |
発売予定日 | 2008年予定 |
価格 | 未定 |
CERO | Z(18歳以上対象) |
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