ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
レビュー

必要なのは勇気と戦略と、たまにリセット? ニンテンドーDSで元祖ロールプレイングシミュレーションを「ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣」レビュー(3/3 ページ)

18年前に発売された「ファイアーエムブレム」シリーズ第1作が、ニンテンドーDSで復活! ファミコン世代には懐かしく、若いユーザーには新鮮なロールプレイングシミュレーションは、通信対戦も兼ね備えている。新世代のマルス王子よ、仲間を失くさないように気を配りながら、アカネイア大陸を突き進むのだ。

PC用表示 関連情報
advertisement
前のページへ |       

通信で切り拓く、新しい「ファイアーエムブレム」の面白さ

まずは部隊の編成をしよう

 ファミリーコンピュータからニンテンドーDSへのリニューアルなので、もちろんグラフィックやサウンドなどが強化されていることは当然なのだが、ニンテンドーDSならではの特筆すべき要素としては、通信対戦が挙げられる。

 本作ではなんと、ワイヤレス通信とWi-Fi通信に対応しており、それぞれ通信対戦やレンタルユニットなどができるのだ。通信対戦は、自分が育てたユニットでチームを組み、相手のユニットと対戦できる。Wi-Fiの場合はワールド対戦(どこかの誰かと対戦できる)とフレンド対戦(フレンド登録したプレイヤーと対戦できる)が用意されているので、本作をプレイしている友人がいない……という人でも安心だ。フレンド対戦ではボイスチャットができる点も面白い。

 実際につなげてみたところ、ワールド対戦の接続に関しては特に遅延や切断らしいものは体験しなかった。また、友人とのボイスチャットは、以前に別のタイトルでも試したことがあったが、今回もけしてよい音質だとは言えないまでも、まずまず機能していて、楽しくプレイすることができた。やはりプレイしながら声のコミュニケーションがとれるというのは大きい。

部隊は名前をつけて、複数登録しておくことができる

 レンタルユニットというのは、自軍にいる同名ユニットの代わりに友人から借り受けたユニットを出撃させられる、という面白いシステム。ワイヤレスもしくはWi-Fiで自分の持っているユニットと同名でレベルが高いユニットを借りれば、1人プレイ時のマップ攻略が楽になる、育成が楽になるなどの恩恵がある。友人にユニットを貸しても自分のユニットがなくなるわけではないので、攻略に困っている友人がいたらユニットを貸してあげるといいだろう。レンタルされた側は、レンタルユニットがロストした場合も、自分の同名ユニットがロストしたことになるので、扱いとしては自分のユニットと同じように慎重にプレイを進めてほしい。

なお、Wi-Fi通信ではオンラインショップという面白い機能もある。ここでは武器の売買が可能で、自分の持っている武器を高値で売ったり、欲しい武器を安価で見つけたりすることができるのだ。念のために言っておくと、実際のお金のやりとりはなく、ゲーム内の通貨での売買を行うことになる。うまく利用してお金を稼いだり良質な武器を手に入れよう。


5人1組でゴー。限られたターンと時間の中で、互いのユニットを攻撃しあう
自分の鍛えたユニットが勝利するのはうれしいものだ
ボイスチャットを快適にできるようにマイクテストの機能もついている

懐かしむもよし、入門するもよし、手軽だけどハードな逸品

 初代「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」はプレイ経験ありだったのだが、いかんせんプレイしたのが大昔のことなので、細かいところを覚えているわけではなく、ほぼ新作の気分でプレイできた。おそらくファミコン時代に「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」をプレイした人たちのほとんどがそうなのではないだろうか。

 改めてプレイしてみて感じるのは、そのみずみずしい魅力だ。グラフィック、サウンドが格段に強化され、ボタンも増えたので色々やりやすくなっていると言っても、内容としてはファミコンで出たタイトルのリニューアルである。だが、そんな古臭さは感じさせない、しっかりとしたゲームに仕上がっている。最初から「ファイアーエムブレム」というシステムそのものはほぼ完成していたのであって、その後スーパーファミコンを経てさまざまなハードでリリースされ進化を遂げていったけども、根幹の部分は変わらないのだな、ということに気付かされた。

 加えて本作では通信対戦などの新要素もあるので、シリーズファンならプレイしてみる価値は十分にある。本作の主人公マルス王子と言えば、「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズへの参戦も記憶に新しく、その他のキャラも参戦していることから、「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズで初めてマルス王子に出会った、という人も少なからずいることと思う。そんな人たちがマルス王子の原点を体験するという意味でも本作はちょうどいい。ファミコン本体とカセットを用意せずとも、ニンテンドーDSでどこでもマルス王子の活躍を楽しめるのだ。

 本作をプレイしてさらにシリーズに興味が湧いたなら、ゲームボーイアドバンス作品に手を出すのもありだし、Wiiのバーチャルコンソールで「ファイアーエムブレム 紋章の謎」、「ファイアーエムブレム 聖戦の系譜」、「ファイアーエムブレム トラキア776」などのスーパーファミコン作品に触れるというのもいいかもしれない。きっと何度もリセットすることになるだろうが、少しずつユニットが育っていく楽しさや、誰をどこに配置してどう攻めるかという戦略の面白さは、いずれのタイトルでも味わえるはずだ。

 初代のリニューアルだというのもあるし、奥深い「ファイアーエムブレム」の世界への入り口として、またロールプレイングシミュレーションの入門タイトルとして、本作は現時点でベストなように思う。友人との対戦や見知らぬ人との対戦が気軽にできるというところも加味して、歯応えのあるゲームを求めている人に広くオススメできるタイトルだ。

「ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣」
対応機種ニンテンドーDS
ジャンルロールプレイングシミュレーション
発売日2008年8月7日
価格(税込)4800円
(C)2008 Nintendo/INTELLIGENT SYSTEMS


前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る