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パタ・パタ・パタ・ポンと渋谷に進行――「パタポン2 ドンチャカ♪」発表会&体験イベント

11月27日、渋谷においてSCEより発売されたPSP用ソフト「パタポン2 ドンチャカ♪」の発売記念イベントを催され、トークセッションなどが行われた。パタポンの「目入れ式」も!?

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まさに画竜点睛? 仕上げにパタポンの目玉を墨入れ

小谷氏(左)、足立氏(右)

 ソニー・コンピュータエンタテインメントは、PSP用ソフト「パタポン2 ドンチャカ♪」の11月27日発売を記念して同日、発表会&体験イベントを渋谷パルコPart1 イベントスペースにて開催した。

 すでにPlayStation Storeにて配信されていた体験版で遊んだ方も多いと思うが、「パタポン2 ドンチャカ♪」は“世界の果て”を目指して仲間とともに大海原へとこぎ出したパタポンたちの船が沈没し、見知らぬ砂浜へと漂着したところから始まる。パタポンたちは、再びタイコのリズムに合わせて、“パタ・パタ・パタ・ポン」と歩み出す。

 小雨が続くあいにくの天気の中、発表会&体験イベントに登場したのは、我が子を送り出す気持ちでドキドキしているともらす本作ゲームデザイナーの小谷浩之氏と、やっと発売できたかという心境と語るサウンドデザイナーの足立賢明氏。発表会では小谷氏と足立氏に「パタポン」に関する10の質問をぶつけるといった内容となった。

ゲームが完成するまでの周囲の反応は?

小谷氏 当初、タイコをたたいてパタポンとセッションするといった内容を説明しても、頭の上に「?」が浮かぶのが目に見えていたので、ちゃんと伝えるためにも完成させて触ってもらわないとと考えていました。とはいえ、そもそも面白いのかという声もあり、開発中止に追い込まれる事態にもなりました。

足立氏 本当に世の中に出るのかと心配しました。

「パタポン」を作ろうと思ったきっかけは?

小谷氏 構想を練っている時、フランスで「Rolitoland(オリートランド)」というWebサイトを運営しているFlashクリエイターのRolito氏の描く、独特のイラストがすごく印象的だったんです。それを見た際、荒野を進む彼らの姿と、タイコの音が聞こえてきたんです。このイメージをなんとかゲームにできないかと足立さんに相談しに行ったんです。

足立氏 うれしそうな顔で説明するんですよ(笑)。自分としてはこのタイコのイメージをなんとか形にできないかと考慮しました。

「パタポン」を実際発売した際の反響は?

小谷氏 日本での発売の後、2月には欧米で発売することもできたのですが、やはり一番多かったのはあの「パタ・パタ・パタ・ポン」のフレーズが耳から離れなくて困るという意見ですね。これはうれしかったですね。

足立氏 世界の人々が楽しんでくれていることが幸せです。こうして耳に残るということは、パタポンの言葉が広がったという証しですから。

「パタポン」の名付け親はどなたですか?

小谷氏 当初、Rolitoさんのイラストのキャラクターには名前がありませんでした。そこでRolitoさんが来日された際、命名してほしい旨を伝えたんです。Rolitoさんは日本にも造詣が深くて、中野ブロードウェイなどが大好きなんですが、ある日フランスからメールが届きまして、10数個の候補が送られてきたんです。当然、すべてフランス語で書かれていたんですが、その中に「PATAPON」というのは目に入ったんです。実際にはフランス語が読めないので、唯一読めたのがそれだったのですが、Rolitoさんにどういう意味か聞いたらラテン語で「子供」や「いたずらっ子」とのことで、ぴったりじゃないかと。こうしてパタポンと決まったその日には、あのパタ・パタ・パタ・ポンで進むというゲームデザインが一気に決まったんです。

足立氏 全員が納得できる命名だったと思います。決まってみると、タイコの音もパタポンに聞こえてくるもので。

「パタポン語」の意味をいくつか教えてください。

小谷氏 まずは「ぽんべらぼー」です。これはうれしい時に使うのですが、パタポンの「ぽん」に、べらぼーにすごいとかの「べらぼー」と、ブラボーをかけています。次に「とん・ちん・かん・はい!」ですが、こちらは最新作で初登場した言葉です。マルチプレイの際、かけ声として使用するのですが、「とん・ちん・かん」はパタポンの中では「1・2・3」に当たるんです。ちなみに、ゲーム序盤に登場する「やりポン」3兄弟の名前も「とん・ちん・かん」です。

「パタポン」の歌を歌っているのは1人なの?

足立氏 何人かで歌っているように聞こえますが、実は1人の小学生の男の子です。BLICO君というのですが、たまたま近所のゲーム好きの子に歌ってもらったら、まさにパタポンって感じでよかったんです。収録には時間がかかりますが、BLICO君なりに表現してくれるんです。

「パタポン」の音作りはどのように行われているの?

足立氏 小谷さんのイメージを引き出すために、よくお互いの趣味のサーフィンに誘って、波待ちの間なんかで聞き出したりしてました。そこで聞き出したものを家に持ち帰って、夜通し製作し、朝方小谷さんに歌詞を投げるといった感じでした。

小谷氏 朝起きると不思議とできて送ってきてくれるんです。あとはBLICO君の学校が終わるのを待って一度聞いてもらい、それを自分のものにしてもらい、収録となります。

実は「マルチプレイ」は作りたくなかった?

小谷氏 2作目は作りたかったのですが、果たしてマルチプレイは必要なのかと考えていたのは確かです。すでに前作でゲームの面白さは完成してましたので、その方向に深めていこうとしていたんです。そんなあり得ないと思っていたマルチプレイですが、某巨大掲示板で同じように「あり得ない」としている声を聞いて発奮。見返す気持ちで開発に取りかかったわけです。本作は、みんなで遊ぶというスタイルを入れることで、ゲーム性を深めるのではなく広げたと言えるかもしれません。

今回、新登場する「パタポン」たちを紹介してください。

「とりポン」:当初から構想されていたものが、ようやく登場。やたら強いらしい
「ろぼポン」:巨大な腕で敵を殴る。別々の腕を装着することができる
「まほポン」:後半にならないと作れない、回復や攻撃魔法が使える

オススメのプレイスタイルを教えてください。

足立氏 やはりマルチプレイでしょうか。最後のみんなでセッションできます。

小谷氏 前作のデータも引き継いで最強の部隊でスタートしてもいいですし、最初から作っていってもいいと思いますよ。

足立氏 リズムの音もいいですし、ひと工夫しています。試行錯誤して音そのものもよくなっていますし、キャラもかわいいので手に取って遊んでみてください。

渋谷パルコPart1の壁面に巨大な「パタポン2 ドンチャカ♪」の広告が。小谷氏がパタポンに命を吹き込むべく、「目入れ式」に挑む
アドホック通信を使用して本作のマルチプレイに挑戦。多少もたつくアクシデントもあったが、メディアそっちのけで遊ぶ開発者たちの氏型が……

 なお、本日は東京FM「Wonderful World」において、小谷氏と足立氏が出演し、「パタポン2 ドンチャカ♪」をアピールする放送も行われた。渋谷パルコPart1のイベントスペースでの体験会の模様をリポートするコーナーもあった。

(C)Sony Computer Entertainment Inc. (C)Rolito/Interlink


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