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ボタン1発でなんでも立体化!? 最新の「3Dテレビ」を触ってきました日々是遊戯

ずいぶん前から話題にはのぼっているものの、現時点ではまだ対応コンテンツも少なく、なかなか普及の兆しが見えない「3Dテレビ」。そんな中、ボタン1発でどんなコンテンツでも立体化してくれるという、夢のような製品があるという。

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立体感はバツグン、正確さもなかなか

今回触らせていただいたモニタ。左が46インチ(1920×1080)モデル、右が32インチ(1280×720)モデル

 一時は「ゲームに不向き」などと言われたこともあったものの、最近では高速応答・高速表示などをうたったゲーマー向けモデルなども発売され、かなり“ゲーム向き”なイメージも定着してきた液晶ディスプレイ。そんな中、ちょっとユニークな機能を備えた製品があるということで、先日メーカーにお邪魔して触らせてもらってきた。

 今回訪れたのは、3D液晶テレビの販売、2Dコンテンツの3D映像化などを手がけるアスナ。実は昨年「DIGITAL CONTENT EXPO 2008」を取材した際、ここの方とお知り合いになっていたのだった。


リモコンの「バーチャル」ボタンを押すことで、どんな映像でも擬似的な3D映像に変換してくれる

 ここの液晶テレビの特徴は、専用の偏光メガネをかけることで、BS11などで放送中の3D対応コンテンツが楽しめるほか、また3D非対応のコンテンツでも、リモコンの「バーチャル」ボタンを押すことで、リアルタイムで映像を解析・変換し、擬似的に3Dコンテンツ化してくれるという点。従来の3Dモニタは、ごく一部の対応コンテンツでなければ楽しめなかったが、これなら買ったその日から、すべてのコンテンツが3Dで見られるようになるというわけだ。もちろん、画面に映し出せるものであれば、それこそゲームの映像などでも、その場ですぐに3D化できるという。

 となるとあとは気になるのが、どれくらいキチンと「3D化」してくれるのか――という点だが、実際にいくつかのソフトで試してみたところ、不思議とどのタイトルでも違和感のない立体映像を楽しむことができた。詳しい仕組みについては企業秘密とのことだったが、映像の明暗や動きなどを随時分析し、映像の奥行きを割り出しているのだとか。フォトショップなどで、静止画から奥行きなどの立体情報を割り出してくれる機能があるが、それの応用版のようなものと考えてもいいかもしれない。

 特にレースゲームやFPSなど「主観視点」で遊ぶタイトルには強く、これらのタイトルではかなり自然な立体映像が楽しめた。たぶん細かなオブジェクトまでチェックしていけば多少はいいかげんな部分もあるのだろうが、実際のゲーム中では、ほとんどのモノはすぐに画面から消えていってしまうためほとんど気にならない。また横スクロールタイプのゲームでも、「リトルビッグプラネット」のようにちゃんと3Dで描画されているものであれば、きちんと立体的に見えるのには驚いた。

 一方で、正確な3D化にはある程度の解像度が必要なようで、初代プレイステーションのタイトルなど、解像度の低いものはややニガテな模様。またムービーシーンなどでカメラワークが頻繁に切り替わるようなゲームだと、一部で「あれ、ココちょっと違うんじゃね?」と不自然に感じたりもした。さすがの“疑似3D”化にも、やはり限界はあるということだろう。また当然ながら、最初から2Dのゲームも×。この場合、画面全体が1枚のパネルのように認識されてしまうようだ。

 とは言え、ゲームの映像は基本的に視点がずっと固定されていることが多く、また最近は解像度や映像のリアリティも、相性さえよければテレビの映像などよりも正確な立体化が可能なのだとか。ざっと触ってみたところ、特に応答速度などに不満もなく、ある意味ではゲーマー向けの液晶モニタと言えるかもしれない。

 気になる価格は、昨年12月に新しく発売された32インチモデルが約30万円、従来からあった46インチモデルが約50万円とのこと。どちらも一般の液晶テレビに比べるとワンランク上の価格帯となっているが、ポイントはやはり「3D化」の部分にどれだけの価値を見いだせるかだろう。実際の商品が見たい――という人は、都内のビックカメラなどで展示・販売が行われているとのことなので、興味があれば見に行ってみてはいかがだろうか。

よく見ると奇数ラインと偶数ラインにそれぞれ左目用、右目用の映像が表示されているのが分かりますか?
「バーチャル」モードをオンにしたところ。裸眼だと、両目用の映像が重なって見えてしまうが……
偏光メガネを通して見ることで、非常にはっきりとした立体映像として楽しむことができる

すばらしい立体感が得られた「グランツーリスモ5プロローグ」。主観視点のタイトルにはやはり強い
ちょっとイジワルのつもりで持って行った「リトルビッグプラネット」だったが、意外にイケました
メニュー画面など、もともと3Dでないものをムリヤリ3Dにさせてみても面白い

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