ヒーローに出会うから、ヒーローになるゲームへ――リニューアルした「北斗の拳ONLINE HEROES」プレイリポート(2/2 ページ)
先日、「北斗の拳ONLINE HEROES」へとタイトル変更をリリースした本タイトルをテストプレイするために、ガンホーにお邪魔してみました。動画でも紹介。
次期アップデート内容の紹介は以上で終了。ここからは度重なる戦闘システムの変更の理由や、今後のアップデートについて、ガンホー・オンライン・エンターテイメント オンライン事業部の田口敏之氏、一迫健介氏、西村大介氏、荻原智氏の4人に話をうかがってきた。
―― 本日はよろしくお願いいたします。最初にどうしても聞かねばならない質問はやはり、なぜ今になって戦闘システムを「マウスバトル」から、標準的なMMORPGで使われるインタフェースにリニューアルしたのか? という点でしょう。
西村氏 確かに4月23日のアップデートでインタフェースは大きく変わりますが、我々が開発当初から持っている「オンラインゲームに慣れていない大人でも、ガチャプレイで簡単に技が出せる」というコンセプトはいまも同じです。ただ、こちらの力不足で予想よりも複雑な操作性が残ってしまい、必要な動きをかなり正確にマウスでトレースしなければ、スキルが発動しないというのがこれまでの「北斗の拳ONLINE」でした。
一迫氏 誰でもマウスを動かすだけで、あの漫画で読んだような奥義が出せる……はずが難しくなってしまったのは、いま西村がお話したとおりです。そこでプレイヤーが「北斗の拳ONLINE」に求めるものは何か? と改めて考えると、やはり奥義を見たい、自分で出したいというごく当たり前のことでした。じゃあ、奥義を簡単に出せるようにする方法を今度は考えると、結局「キー1つで奥義が使えればいい」という答えになったわけです。
荻原氏 従来のマウスバトルは奥義を出せた時の喜びも大きかったですが、あまりにも複雑な入力が要求されることもありました。新システムではボタン1つで、とりあえず誰もが奥義を出せるようになる。そのあとの簡単な図形を描くことで、戦闘に追加効果が発生するので、バトルに幅を持たせたと考えてください。今まで一生懸命マウスバトルを練習してきた既存プレイヤーの努力は、決して無駄にはなりません。
一迫氏 実のところ「北斗の拳ONLINE」のサービスが始まってみると、プレイヤーの方々はこちらが予想した以上にオンラインゲーム初心者が多く、そもそもマウス操作が難しいというレベルだったんです。
―― 比較的、年齢層が高かったということですか?
一迫氏 下は20代から上は40代まで、かなり幅広いですね。
―― 40代でオンラインゲームデビューというのは、ちょっと新しいプレイヤー層ですね。少し話はそれますが、40代の方というのはどこで「北斗の拳ONLINE」を知ったんでしょう?
荻原氏 雑誌や動画サイト上でのプロモーションも効果はありましたが、意外なところで「息子に聞いて始めた」という方もいましたよ。そういった方々には、生業ごとに違うマウスの動きなどは、少し難しかったようです。
―― なるほど。そういったオンラインゲーム初心者の中には、原作も好きだったし、「北斗の拳ONLINE」を始めたはいいが、操作が難しくてやめてしまった方も多いと思います。今回の戦闘システムリニューアルは、どちらかと言えば休眠ユーザーの復帰を願ってのことなんでしょうか?
西村氏 ええ、そうですね。4月9日に実施済みのアップデートでは、従来わかり辛いと言われていた転業(=転職)システムを見直したり、生産系クラスのできる技を追加実装したりと工夫を凝らしています。サービス開始当初に比べてプレイの敷居は間違いなく下がっていますし、以前プレイしてくださった方には色々と目新しい内容も増えているはずですので、戻ってきて欲しいですね。
荻原氏 特に4月23日実装の「ヒーローシステム」は、自分自身があの有名キャラクターになってしまうという、新しい感動が味わえます。新旧プレイヤー誰にでもチャンスがありますので、ぜひこの機会にプレイして欲しいです。
田口氏 ヒーロー降臨中は話す会話は強制的に全体チャット扱いになるので、世界に呼びかけて見るも良し。他の8人のヒーローを探して集合してみるもよし。こちらが提供するのはあくまでシステムだけですから、プレイヤー側でも違う遊び方を考えてくれると嬉しいです。
―― もう1つの新システム「クライムシステム」ですが、これはどこからでてきた発想なんでしょう?
西村氏 世紀末という舞台で考えれば、他プレイヤーがもっているバイクを盗めるようにしてもよかったのですが、それでは盗まれたプレイヤーは傷つきますし、あまりに世紀末すぎるかなと思いまして(笑) 誰も傷つかないけれどちょっとプレイが快適になる、物を壊して暴れるといった演出が出来るように、クライムシステムの導入を決めました。
―― 今回のアップデートではバイクの乗り捨てと、木箱や樽が壊せるだけでしたけれど、他にも何か面白い仕掛けを作る予定がありますか。
西村氏 といったように、NPCを殴れたり、樽や木箱をその場で壊すのではなく、蹴って運べるようにしたり、壁を壊す、どんどんクライムシステムは拡張していきます。
―― プレイヤーからの要望、意見などで特に多かったものは何でしょうか。
一迫氏 転業システムが難しいというのが一番多かったです。これは前回のアップデートで解消済みですね。分かりにくいといわれていた物々交換のレート、こちらも改善されています。
西村氏 原作がもつ“世紀末らしさ”を忠実に再現したところ、ちょっと“世紀末過ぎた”とでも言いましょうか……
田口氏 お金という概念がなく、特定のアイテム同士しか交換できない上にそのレートが日々変動するなど、少々複雑にしすぎてしまいました。
―― 世紀末過ぎて生存できなかったわけですか。今後のアップデートで生き残りが増えるといいですね。
荻原氏 次に多いのが奥義の数を増やして欲しいという意見でして、こちらについては今後のアップデートで徐々に追加していく予定ですから、皆さん楽しみにしていてください。
―― 一番最初のカードバトルからマウスバトルへ、そして今回の戦闘システムリニューアルと、だいぶ大きな変化が続きましたが、内部の負担を考えてもこんなに劇的なチェンジは、もうしばらくないと考えていいんでしょうか?
田口氏 いえいえ、序の口です。システムだけでなくグラフィック面でも、これから変えていくつもりですよ。
西村氏 基本コンセプトはそのままに、プレイヤーから難しい、分かりにくいといわれた部分は、今後も改善していくつもりです。
荻原氏 本アップデートでようやく、キャラクターが移動して戦闘して、成長していくという基本部分にヒーローシステムがプラスαされ、「北斗の拳ONLINE HEROES」としての土台が出来上がったところですね。
―― それでは最後に、現役プレイヤーと読者へ向けてのコメントをお願いいたします。
田口氏 IT戦士の皆さん、たいへんお待たせいたしました。これから「北斗の拳ONLINE HEROES」の世界には、必ずあのヒーロー達が存在します。今までNPCはボスやイベントにしか登場しませんでしたが、これからは世界のどこかにケンシロウがいるし、それはあなたかもしれません。
荻原氏 もしログインしたときにケンシロウなり、ジャギになっていたら、その強さを一人で味わうも良し。周囲を巻き込んで見せびらかすも良し。とりあえずは4月23日のアップデート以降の新しい世界を楽しんでください。
西村氏 「今日のトキは良かったね」「明日のケンシロウはどうだろうね」なんて会話がゲーム内で聞こえる日を、楽しみにしています。
一迫氏 皆さん本当にお待たせしました。今までは世紀末の世界を体験する、という部分にとどまっていましたが、これからはきちんと北斗の拳の世界を体験できるようになっています。ぜひヒーローシステムを使って楽しんでください。
―― 本日はありがとうございました。
CUTMSGCUTMSGCUTMSG
関連キーワード
◆□
関連キーワード
北斗の拳ONLINE HEROES | ヒーロー/ヒロイン | 北斗の拳 | リニューアル | 原作 | バイク | ガンホー・オンライン・エンターテイメント | MMORPG | 漫画 | アイデア(発想)
◇北斗の拳ONLINE HEROES◆ | ヒーロー/ヒロイン | 北斗の拳 | リニューアル | 原作 | バイク | ガンホー・オンライン・エンターテイメント | MMORPG | 漫画 | アイデア(発想)
関連記事
- 「北斗の拳ONLINE」リニューアル 「HEROESアップデート」第1弾を実装
- RWC2009日本で開催決定、ECOは基本料金無料へ――「ガンホープレスカンファレンス2009」開催
「北斗の拳ONLINE」、「エミル・クロニクル・オンライン」、そして「ラグナロクオンライン」の2009年度方針発表会が催された。そこでは、RWC2009の日本開催決定や、ECOの料金無料/アイテム課金化などが発表された。 - 「北斗の拳ONLINE」インタビュー:あなたは世紀末をどのように生き抜くのか?
今月末に第1次クローズドβテストが実施される「北斗の拳ONLINE」。原作ファンも多い期待の1本だけに、待ちわびていた読者も多いことだろう。ガンホー・オンライン・エンターテイメントの谷川ハジメ氏および小島幸博氏に、改めて本タイトルの詳細や今後のスケジュールなどを聞いてきた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.