ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
インタビュー

コンセプトは、いちから作り直す“モンスターハンター”「モンスターハンター3(トライ)」開発者インタビュー(3/4 ページ)

「モンスターハンター3(トライ)」の辻本良三プロデューサーと藤岡要ディレクターに熱烈インタビューを敢行! Wiiで生まれ変わった新生“モンハン”について、いろいろな話を聞くことができた。

PC用表示 関連情報
advertisement

―― カメラ周り、当たり判定などが旧作と比べて改善されたように感じましたが、どうでしょうか?

藤岡氏 アクションゲームということもあり、カメラが不自由になればなるほど遊びにくくなります。カメラはいつも、少しでも改善しようとしてきました。今回は、カメラ操作がより安定するようになっていると思っています。今の段階ではいいカメラワークになっているのかな、と。当たり判定については、ゲーム的に成り立っているんであれば、きれいについているほうがプレイヤー的にも納得がいくし面白いですよね。面白い方向にいくんであれば、きれいについている方がいい。ある程度はプレイヤーが納得するものに近づいているのかなと思います。まだまだベストとは言えませんが。

辻本氏 これに関してはいつもなんです。いつも気にはしているんです(笑)。

藤岡氏 いちから作れたからこそできた部分でもありますね。今までのものをいきなり当たり判定だけを修正かけすぎるとバランスを崩してしまう。モンスターの設計としても、その当たりがないと困ったりする。そういうのもあり、そんなに思いきってさわりにくい部分でもありました。そういった面でも、今回、いちから作り直せたというのは非常に意味があったと思っています。

モンスターのリアルな生態、ハンターのリアルな生活

―― モンスターの生態、ハンターの生活感が更に増しているように感じました。何かこだわった点はありますか?

藤岡氏 そもそもモンスターハンターは、プレイヤーが主人公というよりはモンスターが主人公なんです。強いキャラクター性を持っているのがモンスターで、自分はそこに第三者として入っていって、その中で生活をする。ですので特にモンスターに関してはキャラクター性を強くしたい、生態を描きたい、と思ってて。今まで以上にモンスターがモンスターを意識していたりとか、そのへんをもっと描くことでその世界にもっと没頭できるんじゃないかと。その生態を逆手にとって何かしてみようと思ったりして、ユーザーの考え方がどんどん発展していく。そういうのがいいな、と思ってます。

―― 今回の新要素である、モンスターのスタミナが切れるとよだれが出る、というのも面白いですよね。

藤岡氏 「今よだれ垂らした!」とか言いながらプレイして「スタミナ切れたらこうなるんだよ」と教えてもらったりして、1人のときに試してみたりとか、それを今度は自分なりに利用していこうとか、そういう流れになってくれるといいですよね。ゲーム性にはねかえるような内容で、モンスター同士が向き合ってるとか、モンスターがより生き物らしく反応してくれるというのを入れたかったんです。今までの要素に足そうとすると入れるのも難しかったことが、いちから考え直したこのタイミングで入れることができた。そもそもそういう欲求がたまっていたんですね。もっと生態的に世界を描けないか、それが楽しさにならないか、というところを。

辻本氏 今まではモンスターとハンターだったのが、モンスターとモンスターとモンスターとハンターという、みな対等な感覚になってます。ゲーム性としてもこだわったところです。

村はハンターたちの癒しの空間でありたいと両名

藤岡氏 インタラクティブに何かが起こって、そこに何かしていけるんですよ。ゲーム性という意味では本当に意味のないものも入っているんですけどね。村ではプーギーをだっこできたりとか。でも、そういう空間で癒されることがあって楽しんでもらえたらいいなあ、と。運んだからって何もないんですけどね(笑)。

辻本氏 癒しですね(笑)。

藤岡氏 癒しです。癒されるなあ、というだけでいいんです。そういう要素も大事だと思っていますし、村とかは特にそういう空気感が強いと思います。

―― 村で面白いのが、クエストカウンターにいるギルドの看板娘のセリフです。あのキャラ設定とかセリフの量とか、書いた人はすごいですよ。

辻本氏 はっちゃけたやつがいるんですよ。面白いスタッフがいまして(笑)。

藤岡氏 頭の中で考えたキャラクター設定をバーッと吐き出すコがいて、今までのタイトルだと、教官とかのセリフも書いている人です。ノリがどこまでもすごいことになっているんですよ。

辻本氏 たまに行きすぎるんですけどね(笑)

藤岡氏 モンスターとやりとりするっていうのは、ゲーム的にはストイックじゃないですか。重量級のものとやりとりをして疲れて帰ってくる。その時、その周りはほわあっとしているというか、ゆる〜い感じで受け止めてくれる方が、生活している分には気持ちいいんだろうなという気がしてるんです。

―― 確かに村に帰るとホッとしますね。

藤岡氏 それがいいなと思って。逆にそういう村があるからクエストにも行ける。その循環がいいんじゃないかなと僕は思ってます。周りのキャラクターたちがいろんな事をしゃべってくれるので、楽しいと思いますよ。さまざまなキャラクターがいるので、いろんな人に話しかけて体感してもらえたらいいなと思ってます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る