シリーズ累計2700万本の販売本数を誇るXbox 360の看板シリーズ最新作 「Halo 3:ODST」:レビュー(2/2 ページ)
Xbox 360を代表する人気シリーズ「Halo」の最新作「Halo 3:ODST」が発売された。新たな視点で描かれる外伝的なストーリー、そして白熱の協力プレイモードが用意された本作の魅力をお届けする。
白熱のオンラインモード「ファイアファイト」
Halo 3:ODSTの最大の目玉といってもいいのが、最大4人での協力プレイが可能なファイアファイトモードだ。これは、ODSTの一員となって固定されたマップの中に次々と現れるコヴナント軍を倒していき、ハイスコアを狙っていくというもの。ファイアファイトは、ウェーブ、ラウンド、セットで構成されていて、最小単位のウェーブはコヴナントの1部隊を、ラウンドは5ウェーブを、セットは3ラウンドを意味する。1ラウンドが終了すると、武器やアイテムの補充が行われ、1セットが終了すると、ボーナスラウンドがスタートする。プレイヤーは限られた数のライフを共有していて、ライフは、ラウンドとセットが終了するごとに追加されていくが、ライフの残数がない状態で全滅するとゲームオーバーになる。
また、ゲームの進行によって、「スカル」という敵の回避能力のアップ、敵のライフ2倍、敵が落とす武器の弾数減少といったさまざまな条件が付加されていき、徐々にウェーブの難度が高くなっていく。そのため、味方との協力が必要不可欠になってくるわけだ。仲間と声を出し合って遊んでいると、時間があっという間に過ぎていく。この手の「出現し続ける敵を倒しまくる」ルールは「Left 4 Dead」のサバイバルモードや、「Gears of War 2」のHordeモードなどをはじめ、PCのオンラインFPSでも、同様のコンセプトのモードが実装されているタイトルが増えている。FPSタイトルでは今後このルールがメインストリームになりそうだ。
ただ、現時点のファイアファイトでは、ゲーマースコアを獲得するための実績「20万ポイント以上を獲得」をクリアしてしまうと、プレイモチベーションがなかなか持続しなくなってしまった。ある程度の腕前のプレイヤーがそろうと、1回のプレイが1時間〜2時間程度かかるために、ゲームをスタートさせること自体がおっくうになってしまう。もうすこし短時間でテンポ良くプレイできるルールや、ワールドワイドのスコアアタックや、タイムアタックといった、何かしらのイベントがあれば良かったのだが……ここはやや残念なところ。
オンラインに接続できるHaloシリーズのファンは買って損なし?
本作は、前述の通り、ODSTのストーリーモードと、ファイアファイトが収録されているディスクとHalo 3のマルチプレイディスクの2枚組になっている。現在、有料で入手できるHalo 3のマルチプレイ用マップも含め、全種類のマップが収録されており、現時点ではHalo 3のオンラインプレイロビー「マッチメイキング」でODSTユーザー専用のルールもいくつか用意されている。そのため、マルチプレイ環境がない人にとっては、本作はやや評価が難しいタイトルといえるかもしれない。
また、シリーズ作品をプレイしていない人には、やや不親切な作りになっているのも気になる。ODSTとは微妙に異なる操作や、武器、乗り物が登場するHalo 3のマルチプレイヤーディスクには、チュートリアル的な要素が入っておらず、また、ゲームルールの細かい説明もない。そのため、本作の購入をきっかけにマルチプレイをスタートしようとしている人にとっては、やや敷居が高くなっているのではないだろうか。セリフの吹き替えや、インタフェースの日本語化などをしっかりと行った上で、ほぼ全世界同時に発売したという点は非常にすばらしいのだが、欲を言えばFPSがそれほど普及していない日本向けに、ルールのガイドや武器の説明など、Halo 3とは何か、をしっかりとレクチャーしてくれるもう一歩踏み込んだ施策があればよかったのだが。
もちろん、今までのシリーズを通してプレイしてきた人にとっては、ファイアファイトモードに加え、新たなマップが追加されたプレイリストの存在、そして本作の発売をきっかけに再びHalo 3のマッチメイキングにプレイヤーが戻ってきているため、マッチングがスムーズにできるようになっているなど、うれしい要素が盛りだくさんだ。
なお、現在初代HaloのみXbox LIVEマーケットプレースの「Xboxクラシックス」で販売されている。「Halo 3」は廉価版のプラチナコレクションがパッケージ販売されているほか、初代Xboxの「Halo 2」もXbox 360で動作するので、Haloのストーリーに興味のある方はぜひともプレイしてみてほしい。
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