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2009年の話題を独断と偏見でランキングしちゃった!くねくねハニィの「最近どうよ?」(その35)(2/3 ページ)

2009年末になっちまいましたが、くねくねハニィが独断と偏見で語る「2009年10大トピック!」。1年間の話題を振り返って、勝手にこんなことがあった! をランキングしてみたよ〜。

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1位:任天堂不振のニュース

 任天堂が対前年比で売上高も純利益率を落としてるって話じゃなくて、それが「不振」って報道に注目したいわけよ。毎回報告してる北米市場を見たって、決して任天堂が負けているわけじゃないし、赤字を出してるわけではないってことは覚えておきたいね。去年が異常なほどのブームだっただけで、今年だって悪いわけじゃなくて、ノーマルな状況に戻ったってだけ。

 ただ、状況を細かく知らない人(ベンチャーキャピタルなんかの投資元とか)は市場がシュリンクしてる(小さくなってる)! って大騒ぎして、業界はダメなんじゃないか? とか言っちゃうのでたくさんのタイトルやプロジェクトがこっそりキャンセルされてるって噂。ったくもう。そういう意味では任天堂の責任は重いってことだけ分かってればいいお話。

2位:「Call of Duty: Modern Warfare 2」空前の大ヒット〜発売から48時間で700万本(全世界)突破

 「Grand Theft Auto」シリーズの売上を上回るタイトル(任天堂の「Wii Play(はじめてのWii)」除く)がこんなに早く出るとは思わなかったね。バイオレンスゲームが売れる! って言ってた時代が終わって、FPSが売れる! って時代が来たのだ。ハニィを含む業界関係者が考えなければいけないのは、この次にアタるジャンル、ゲーム性は何かってこと。今から日本がFPSを作っても遅いことは明白だからね〜。

 それにしても、北米だけで11月単月での600万本突破はすばらしい……。10月の売上と比べてみると、みんなコレを待ってて買い控えしてたのかな?って感じさえするよね。

3位:ハードの値下げラッシュ

 昨年12月にHomeをローンチして1年が経つPS3だけど、9月に大幅な値下げをしたよね。120GBが299.99ドルになったため、9月は北米売上台数首位! 時を同じくして、Xbox 360エリート(120GB)が同じく299.99ドル、Wiiが199.99ドルに値下げされて、年末商戦にむけてハードメーカーの大きな勝負に出たんだけど、不振と言われる任天堂さんが年末はやっぱり強かったっ!

 2009年11月現在(12月のデータはまだ出ていないのだ、すんません)で、Wiiが2333万台、Xbox 360が1734万台、PS3は977万台となりましたけね。でもね、ハードのインストールベースはWiiの大勝利ですけど、ハードの一台当たりのソフト売上本数(装着率)は、Xbox 360が9.5本とダントツで、相変わらずハードへのロイヤリティが高い、もしくは稼働率が高いのはXbox 360なんですね〜。ちなみにWiiは7.4本、PS3も7.5本なんです。

 そういう意味では任天堂ユーザーはなかなか新しいソフトを手にしてくれないけど、台数は出回ってるからタイトルは供給して行かんとね、そしてXbox 360は台数こそWiiに達していないけど、ソフトは買ってくれるからな、とメーカーが思うわけだ。じゃ、PS3は? 台数もいってないけどロイヤリティも低い……なんじゃそりゃ。そういう意味で「Uncharted 2: Among Thieves」(10月発売:65.7万本)や「Ratchet & Clank Future: A Crack In Time」(10月発売:15.1万本)がハードを牽引するエクスクルーシブソフトとしてもっと機能するはずなんだけどな。2010年の「God of War 3」まで待たないといけないのかもしれないね。

 そうそう、忘れてたけど、PS2も値下げしましたね、99.99ドルになりましたよ。あのかっちょいい薄型PS2が100ドルを切っているのだよ。北米だけで4500万台のインストールベースを誇るPS2なのに、残念ながら、小売店側の利益シロが低いので、ソフトを店の棚に置いてもらうことすら困難な状況。エコに反するなぁと思うハニィでした。

4位:EA不振続く

 90年代からず〜っと業界のジャイアントだったElectronics Arts(EA)がActivision Blizzardに世界一のパブリッシャーの地位を譲ったのは昨年の2008年。それからというもの売上不振が続いてるよね。2009年も2回にわたるリストラを行ったの。ワールドワイドで1万人ほどの社員がいて、春に約1000人、秋に約1500人の解雇を行ったと発表があったけど、元EA社員に言わせれば「毎年のイベント」だそう。

 おっしゃる通り、今までのEAのリストラは、ある意味業界や投資家に対して「EAは経営の悪化を直ちに保全している」とのアピール(IR=Investor Relations)ってことも言えるわけだし、人の入れ替えや、の意味も大きかっただろうけど、今回の売上不振は雰囲気的にも重い感じがするのはハニィだけかしらん。

 これは、ある意味M&Aの失敗ととらえてもいいかもしれないな、とハニィは思ってる。ActivisionがVivendi Universalと合併してActivision Blizzardになったときに、EAはすかざずTake2の買収に走ったけど、長い交渉を経て決裂。

 さかのぼると、2004年のDice買収、Criterion買収、2005年のBioWare、Pandemic Studios、Jamdatを買収、2007年Mithic、そして、リストラの最中2009年にPlayfishを買収(書ききれないのでこれくらいで……笑)などなど、様々な買収で大きくしてきた過程があるけど、EAはある程度大きなタイトルで成功している会社を買収したものの、その集大成が出来上がってきたと思われるこの時期に不振とは皮肉な話でしょ? 買収によって得られるはずだったスケールメリットが享受されないってことは、単なる市場悪化のせいとは言い切れないとハニィは思う訳ですわ。

 ちなみにEAのついてないことったらないよね。Beatlesの「Rock Band」(ただしパブリッシャーはMTV Games、EAは流通のみ)は独占権に莫大なお金をかけただろうし、プロモーションだって相当なもんだったと思うけど、音楽ゲームの陰りとともに、思ったほど売れなかったり、長い間ドル箱だったTiger Woodsのゴルフゲームのライセンスも、例のニュースで吹っ飛んじゃう訳だし、いろんな意味でかわいそうなことになってることも事実ですわ。

5位:老舗メーカーの破たん

 2009年は2月にMidway(Mortal KombatはWarner Bros.に買われた)、4月に英国のEmpire Interactiveなど老舗メーカーの破たんがあったんだ〜。市場が思ったほど成長しない中で、ハイスペック機導入によって開発費は高騰するのに、ソフトの値段は上げられず、知名度の高いIPを持ったところだけが生き残ってく時代なのか?そうは思いたくないぞ! って感じてるけど、けど、いよいよ中堅メーカーの踏ん張りどころかもしれないね。

 だからと言って大手メーカーは安泰かというと、Acclaimの例があるからそうとも言えないのだ。AcclaimはTurokなどの大きなブランドを持ち、全米でトップ3パブリッシャーに入っていたのに、いきなり2004年秋にパタンと倒れたのには腰を抜かしたのを覚えてるワ。フランスの大手パブリッシャーAtari(旧インフォグラム)だってそう。DriverやStuntman、Alone in the Darkなどの大きなフランチャイズIPを持ちながらもどんどん見えなくなってしまったよね。

 「Call of Duty: Modern Warfare 2」が大ヒットしているActivionだってツライ時期はあったわけだし、今だって、鳴り物入りで発売した「Dj Hero W/Turntable」はマルチプラットフォーム(Xbox 360/Wii/PS3)で23万5千本(11月末現在)と予想を大きく下回ったり、久々の復活フランチャイズ! だった「Wolfenstein」なんかもマルチ(Xbox 360/PS3)で14万7千本と振るわなかったりしてるのだよ……。

 それだけゲームは大きな博打であるということも裏返しに言えるよね。数十億タイトルが複数倒れてしまったら、それだけで大きな損害なわけさ。

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