“LED REGZA”の進化を探る Z1シリーズ詳報(4/4 ページ)
東芝は、LEDバックライトを搭載した液晶テレビ“LED REGZA”を発表した。中でも注目の上位モデル“Z1シリーズ”を中心に、同社担当者のコメントを交えて詳しく紹介していこう。
「ゲームモード」がさらに充実
前回の「Z9000/ZX9000」シリーズで好評だったゲーム対応機能は、主にユーザーニーズを取り込む形でいくつかの進化を果たした。まずは対応機種の拡大。LED REGZAは、全モデルが新しいゲーム機能を搭載している。
遅延時間を短縮できるのは、HDMI、D端子、S端子。D端子はD5解像度までサポートした。
任天堂「Wii」との組み合わせでは、遅延の少ないモードでも全画面表示が可能になった。「Z9000のときは、全画面表示(スケーラーがオン)のときは3フレーム程度の遅延が発生し、ダイレクトモード時には黒枠付きで表示(dot by dot表示)することになっていた。今回は画面いっぱいで楽しめる」。
また、ソニーの「PSP」画面を拡大表示する「ポータブルズーム」を全モデルに搭載。超解像処理を実行しつつ、遅延を抑えることができるという。さらに、 Z1シリーズのみならず、全シリーズで720p/480p/480i入力時には上記の自己合同性超解像処理が働く。「パターン表示の多いゲーム画面では、自己合同性超解像が最適」(同社)。もちろん、「プレイステーション3」や「Xbox360」で720p/1080p入力したときの画質なども従来より向上している。
ゲームモードに関しては、ITmedia Gamesの別記事に詳しい(→関連記事)。
HDMIは1.4ベース、ARCとコンテンツタイプをサポート
HDMI端子はバージョン1.4ベースとなり、新製品の全モデルでARC(オーディオリターンチャンネル)およびコンテンツタイプに対応した。ARCは、テレビ内蔵チューナーの音をAVアンプなどに出力する光デジタルケーブルを不要にするもの。HDMIケーブル1本でテレビへの映像入力とテレビからの音声出力をまかなえる。
もちろんAVアンプなどにもARC対応HDMI端子が付いていることが前提となるが、東芝ではLED REGZAの発表と同時に純正ラックシアター「RLS-250」(37V型〜47V型テレビに対応)と「RLS-450」(46V型〜55V型)をラインアップに追加している。
一方のコンテンツタイプは、ソース機器が再生しているコンテンツを自動検出し、テレビ側の画質を自動的に調整する機能だ。例えばソース機器がゲーム機なら、REGZA側でゲームモードと同様の処理に自動設定する。
このほかにも、Z9000シリーズから継承した「地デジ見ながらW録」「ワンセグ録画」、あるいは「ひかりTV」や「おまかせドンピシャ高画質3」など、Z1シリーズだけが搭載する機能は多い。REGZA第2章を飾る準フラグシップ機として、ふさわしい機能を持ったといえそうだ。
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