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リアルすぎはNG!? カリフォルニア大学で「不気味の谷」現象の存在が証明される日々是遊戯

あまりに人間そっくりなロボットやCGキャラクターを見ると、人間の脳は逆に「不気味さ」を感じてしまうという「不気味の谷」。どうやら本当に存在していたようです。

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今までは仮説にすぎなかったんですね

 最近のゲームを見ていると、まるで本物の人間と見まごうような、リアルなCGキャラクターもちらほらと見かけるようになりました。でも、あまりにもリアルなキャラクターを見た時に、ふと「リアルすぎて気持ち悪い」と感じてしまったことはありませんか?

人間への類似度と、それに対する感情的反応の相関関係を表したグラフ(Wikipediaの「不気味の谷現象」より引用)

 私たちは普通、ロボットやCGキャラクターの外見がリアルであればあるほど、つまり本物の人間に近ければ近いほど親しみを覚えます。しかし、それがあるラインを越えると、親しみやすさのグラフが突然反転し、逆に「恐怖」や「不気味さ」を感じるようになる。これがいわゆる「不気味の谷」と呼ばれる現象です。

 これは日本のロボット工学者である森政弘氏が提唱した概念であり、今まではあくまで「仮説」とされていましたが、カリフォルニア大学のある研究チームが先日行った実験により、確かに存在することが証明されたそうです。

 このニュースを報じたのは、イギリスのニュースサイト「wired.co.uk」。記事によると、実験では人間によく似たアンドロイドとして、大阪大学が開発した「リプリーQ2」を使用。被験者にリプリーQ2と、そのモデルとなった女性、そして機械部分がむきだしになったリプリーQ2(要するに一目でロボットと分かる状態)の3パターンの映像をそれぞれ見せ、その際の脳の反応をfMRIにて測定しました。

 実験は20〜36歳の男女20名を対象に行われ、その結果、むき出し状態の映像および、モデルになった女性の映像を見た場合はいずれも大きな反応が見られなかったのに対し、リプリーQ2の映像を見た場合のみ脳に強い反応が見られたとのこと。

実験に使われた「リプリーQ2」の映像。写真だけを見ると人間とほとんど区別がつきません(Wired.co.ukの記事より引用)

 この結果について研究チームは、「私たちの脳は、ロボットがロボットのような動きをする場合や、人間が人間のような動きをする場合には違和感を感じません。しかし外見が人間そのものであるにもかかわらずロボットのような動きをした場合、脳は予測と違った結果に違和感を感じるのです」と説明。また、今はリプリーQ2のようなロボットが珍しいため違和感を感じていますが、「もしも今後こうしたアンドロイドが当たり前になったとしたら、私たちの知覚システムはそれに合わせて再調整されるでしょう」ともコメントしています。

 ちなみにWikipediaでは、代表的な「不気味の谷」の実例のひとつとして、映画版「ファイナルファンタジー」を挙げています。個人的には、「L.A.ノワール」くらいリアルだともはや何も感じなかったりするのですが、これはモーションがリアルだからか、それとも外見的に「不気味の谷」を通り越してしまったということなのでしょうか。今回はアンドロイドを使っての実験でしたが、いずれゲームのキャラクターを使った実験も行ってみてほしいですね。

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